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自己否定はタイムマシーン【休憩にどうぞ】


「今の子はいいよね」
「昔は大変だったのよ」

 出産後、よく母に言われた言葉だ。
 確かにどんどん進化と進歩をして、産前産後の母親が楽になっていくことはいいことだ。

 でも、少しでも弱音を吐くと、

「もっとつらい人がいるのに」
「昔はもっと大変だったのに」

と、返されてしまうからツライ。
きっつーと、思う。


 確かに昔は大変だったであろう。
 それに比べ、私なんてどうせ怠惰だ。

 そんな自己否定が始まると、妄想は加速する!

 昔は、
 父親は非協力な人が多かっただろうし、
 お嫁さんと呼ばれる人の立場は低かったろうし
 抱っこ紐だって肩に食い込んだだろう。
 ベビーカーはたためないし、
 エレベーターなんて、もっと少なかっただろう。

 昔々は
 哺乳瓶なんてなかったろうし、
 紙おむつもないだろうし、
 洗濯乾燥機もなく、
 夏でも冬でも川で洗濯。
 医者へ呼ぶにもバスもタクシーもない。
 歩いていくしかない。

 昔の昔の昔なら、
 例えば江戸時代とか、
 タオルもなかったのかな。手ぬぐいかな。
 平安時代とか、庶民はお湯をどうやって沸かしていたのかな。
 縄文時代なら縄文土器かな?
 乳腺炎になったら冷やすものあったのかな。
 昔の食生活で母乳ちゃんとでたのかな。

などなど、

どうせ私は怠惰。
という自責の念が、私の妄想を縄文時代まで遡らせた。

 私も時々、子どもたちに「昔の部活は大変だった」と話しちゃう時があるから、縄文まで旅をさせる覚悟をしないといけないな。
まあ、でも、
「いや、それはお母さんだけ」
と、言われそうな気もしている。


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