見出し画像

1年ぶりになりました。

閉鎖されたshort noteから引っ越してきて、記事を4つほど書いたまま約1年、お休みしてました。

義母の事を綴っていきたいという気持ちはあったけれど、なんとなく書く気になれず、そんな中でバイトが見つかり忙しくしているうちにあっという間に1年です。

私は今、黒い猫がキャラクターの宅急便で荷物の仕分け作業をしています。
この時期は暑いし、お中元などの繁忙期のため、荷物が溢れるように流れてきて体力的に大変ですが楽しいです。
身体を動かして働くって良い!

ただ、欲を言えば本当は接客の仕事をしたかった。人と関わり、会話の生まれる仕事に。

色々と私の条件などもあり、なかなか接客業で採用してもらえずにご近所の仕分け作業に採用してもらえたわけだけど、身体を動かし、作業する事が楽しくて、この選択も悪くなかった…と思ってます。

最近、久しぶりに『書きたいなぁ』と思える出来事があり、久しぶりにnoteを開きました。
昨年、特養に入居した義母の事です。

この1年、何度も面会が出来ない時期が来たり、施設でクラスターが発生してしまい、心配な時期もありましたが、何度か義父と2人で義母の面会をしてきました。
義母の姉2人を連れて行った事もありました。

面会は1回10分程度。アクリル板越し。
寝ている事が多く、一方的にこちらが懸命に話しかけて反応があれば絶好調。
毎回そんな感じで1ヶ月に1度ほどのペースで面会に通っています。

ここ数ヶ月は目を1度も目を開けてもらえないまま面会終了って事も多くて…
私は義母の進行性の病気の事を考えれば、その影響とも考えられるし、そもそも特養の入居者は寝ている人が多い…というイメージもあるからそんなに深刻には捉えていなくて、『今回も目を開けてもらえなかったね、残念』ぐらいにしか思っていなかったのだけど、義父は違った。

『なんで?なんでずっと目を開けないの?』
『なんでって…病気のせいもあるだろうし…』
『やべぇ病気じゃねぇの⁉︎』
『やべぇって…だから難病なんだってば』
『病気のせいなのか…』
ものすごく深刻そうな顔をする義父。
いやいや、そんなに深刻な事じゃないよ?そもそもさ…
『家にいた頃からほとんど寝てたじゃん』

せっかく会いに来たんだから、目を開けて欲しいという義父の気持ちもわかるんだけどね。
職員さんによるとちゃんと起きている時間もあるって事だし。
難病のせいで、目を開けていると視線が上を向いていってしまうから、目を開けているのも大変なのかもしれない。

とりあえず話しかけるとまぶたがピクピクしてたり、手がほんの少し動いたり、表情が和らぐ事もあるから、こちらの声が聞こえてはいるのかもしれない。
そう思って私は10分の面会の間、とにかく語りかける。
『娘は高校卒業したよ。専門学校に入って頑張ってるよ』
『息子が就職活動始まったよ。スーツ着てるんだよ。想像つかないでしょ?今度写真持ってくるからね』
『お義母さん、最近アイスを良く食べるらしいね、在庫が無くなる前にまた買ってくるからね、やっぱりイチゴ味がいいかな?』

そんな私の横で義父は
『おーい、みさこ〜、目を開けろ〜、しっかりしてくれ〜』と情けない声をあげる。
まったく、お義父さんこそしっかりしてよね!

旦那に報告するために何枚か写真を撮り、面会は終了する。

面会は平日しか行われない為、平日が仕事の旦那は面会ができない。
旦那は義母が施設に入居したあの日以来、1年以上会っていない。それを義父もすごく気にしていた。そんな中で、先日とうとうチャンスが来た。
健康診断に引っかかり、病院受診を午前中に入れた日の午後に旦那と義父の親子で面会に行ってもらったのだ。

その日、私はバイトがあったから行けなくて、本当に親子3人での面会だった。
今回も目は開かないかもしれないなぁ。
でも、息子の声が聞こえたら反応ぐらいはありそうだよね?
そう予想はしていたんだけど、思っていた以上の反応が見られた。

旦那のスマホには目をパッチリと開けて穏やかな顔をした義母が写っていた。
えぇ⁉︎今回すごいじゃん‼︎
『わぁ〜、良かったね〜』
なんだかツンと込み上げてくるものがあって涙がポロポロと出てきた。

目を開けないことなんて大した問題じゃないと思ってはいるけどさ、大したことだよね〜目が開いてるだけでこんなに嬉しいんだもん。
最後の方は疲れてきちゃったのか、あくびばかりしていた様だけど、ちゃんと目線で息子である旦那の事を追いかけていたりもしたんだって。

まだちゃんと分かるんだね。
そう思ったら、たまには平日休みを取ってもらって義母の面会に旦那を連れて行きたいなぁ…って思った。

義父も相当嬉しかった様で、お中元のお礼で電話をしてきた義母の姉のKさんにこの話をしていたらしい。
『あまりに嬉しそうで、私まで嬉しくなっちゃったからお礼をしたいと思って…』
とKさんは私に電話をくれた。
旦那が撮ってきてくれた動画がある。今度、それをKさんに見せに行こう。そう思った。

26秒ほどのその動画はしっかりと動画のカメラを見つめ、動きに合わせて目で追っている姿が収められているのだ。

次回、また義母は目を開けないかもしれない。
義父は『前回は開いたのに!』とがっかりするのかもしれない。
そんな時は『仕方がない』じゃなくて
『次回は開いてるといいねぇ』と若干前向きな発言がしてあげられる自分でいたいな、と思った出来事でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?