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Inside the Den の見どころ紹介 2022編

はじめに

Inside the Denが何か分からない方は前回記事をお読みいただければと思いますが、簡単に説明すれば、ドラフトルーム内の様子を撮影したハードノックス風のドキュメント動画です。今回2022年の本編時間は57分、さっそく個人的見どころを挙げていきます。


2022年ドラフト前の状況

前年2021年は新体制1年目、前政権の負債整理もあり、レギュラーシーズンは負けに負けて、3勝のみ。最終戦は負ければ全体1位も見える状況でしたが、同地区GBに意地を見せる勝利をしたことで、ドラフト順位はJAXに次ぐ2番目でした。他にも前年のスタフォードとのトレードで、1巡は32位(ラムズさん、スタフォードさんSB制覇おめでとう)も持っていました。トータルでは2(R1),32(R1),34(R2),66(R3),97(R3),177(R5),181(R5),217(R6)を持って臨んでいます。

以下で再生分数ごとに簡単な解説を入れていきます。各文章の文頭の数字は再生時間の目安です。

本編

冒頭

ドラフトアナリストの絶賛評価が引用されています。(翌年2023年は一転評価が低く様変わりしているのが面白いです)

1日目

1巡 a指名 エイダン・ハッチンソン指名

1:30 GMホームズ「新任だった2021年よりも、2022年はより組織化され、より多くの時間、より多くの資本が投入することができた」

2:00 ホームズ「いろんなシミュレーションを多数やった。全体1位が誰になっても感情が抑えられないと思う」

2:30 緊張しているホームズとニコニコして後ろを振り返っているHCキャンベル。キャンベル「待ちきれないね」

2:55 ホームズ「JAXが誰を指名するかに注目していた」
3:00 全体1位指名の瞬間。身を前に乗り出すホームズとキャンベル
3:15 トレボン・ウォーカー指名でキャンベルがガッツポーズ。ホームズはこの段階では冷静にメモ

ガッツポーズを決めるキャンベル


(補足)直前にJAXがウォーカー指名の噂が出回っていたのである程度予想はしていたのかもしれません)

3:30 ホームズ「よし。指名を入れる。(キャンベルへ)何か懸念があるかい?もうボードには1人しかいなよね。(ドラフトルーム爆笑)1人しかいないよね」
(補足)2021年のスウェル指名と同様に、この後ノータイムでピックイン。ウォーカーが指名のセレモニーの最中にピックが入ったことでドラフト番組進行の妨げ(ネタバレ)になり、あとでリーグから「ピック入れるの早すぎるだろ、気を使え」と怒られたとかいう噂も

4:00 待機所(グリーンルーム)でのハッチンソン。指名の電話が来てガッツポーズ。
(補足)ガッツポーズが控えめなのは上記の通り、デトロイトの指名が早すぎてウォーカーがまだセレモニー中だったため気を使ったと思われる

4:30 指名の挨拶電話。ホームズ「ハッチ、君はドラフト指名会場のベガスに行ったんだよね。自分の家に残ってた方が近くてよかったんじゃない」
(補足)ハッチンソン一家はデトロイトがあるミシガン州が地元。翌日の恒例行事1巡ルーキーの施設案内のためミシガンに戻ってくる必要がある。

5:10 オーナーのシーラ「ミシガンに戻ってきてね」

5:20 挨拶電話終了後にドラフトルームで全体で拍手。あちこちで握手とハグ
5:40 「フットボールプレイヤーを獲得したぞ」

6:30 ハッチのインタビュー「自宅がある地元チームにいくことはスペシャルだ」

8:10 ドラフト候補生の施設訪問と面談のシーン。
DLコーチのウオッシュ(2023年はCARへ流出)と今後の育成プランなどを話しています。
ウォッシュ「私は全く君のことは心配していない。DC のAG(アーロン・グレン)も同じだよ」と面談時から評価がかなり高かったことが分かります。

ハッチンソンのコンバイン時面談

9:50 コンバインでの面談風景
AG「質問をしても間違った答えをしたのは1回もなかった」

9:55 ハッチ「コンバインでの公式の面談は2チーム目です」「そのチームは時間を無駄にしているよね」
(補足)「全体2位のうちが指名するんだから残ってないでしょ」ということかな

10:25 ウォッシュ「僕は1つのこと以外はすべて教えることができる。その1つってのは努力する姿勢だ。でも君はもう持っているよね」

(補足)全体2位はもう最初からハッチで迷いなしという感じでしたね。シナリオも想定しやすいので、割とリラックスした感じです。JAXがハッチを指名していた場合の世界はどうなっていたんでしょうか。

もう1つの1巡

12:25 ホームズ「ここからが現実の世界だ。不確定なことが多くなる」

12:50 トレードアップのための電話をしているようです。ドラフト前に下交渉はしているらしいですが、当日の動きを踏まえて最終調整・確認をしていると思われます。

13:20 全体12位をもっているMINのGMクエシ氏との感触が良かったのでホームズがにんまり。条件は32,34,66を提供し、12と46をもらうことに。あとは目当ての選手が12位で残っているかどうか

8位ATLのドレイク・ロンドン、10位のNYJギャレット・ウィルソンと有力WRが指名されはじめる。

13:50 全体11位にNOがトレードアップ。NOのニーズの1つがWR。有力WRが指名され始めたタイミングだったこともあり、目当てのWR(JAMO)が指名されそうなのでキャンベルが苦悶の表情でうめき声。ホームズも心配そうではあるのだが、後日インタビューでは「NOはWR狙いだとは思ったが、彼らはDay1スターターが欲しいはずなので、自分たちの指名したい子は残ると考えていた」と振り返っています。
(補足)DETはまだ勝負の年ではないので、怪我で評価が落ちている子にも積極的に行ける=JAMOという考え方だったのかもしれません。

14:35 NOのピックイン。みんながモニターを凝視。緊張。WRオラーベ指名。ドラフトルーム大歓喜。ホームズは机を叩く。珍しくドーシーさんも興奮。トレード確定するためMINへ電話。

珍しくハイタッチを求めるドーシーさん(中央)
興奮して口が空いちゃった前オーナーのマーサさん(手前)

15:05 ホームズ興奮収まらずもう1回机叩く

15:45 ジェイムソン・ウィリアムス、通称JAMOへの高い評価。「新のゲームチェンジャーになれる逸材。そういう子は年に何人もいない。フットボールを愛している選手。稀有なスピード」

1巡 b指名 ジェイムソン・ウィリアムス指名

17:40 コンバインでの面談風景。リュックを背負ったままのインタビューです。
17:50 OCベンジョンソン「彼は試合が大好きなんだ。そいう人をこのチームに迎え入れたいと思っている」

18:25 一仕事終わった感のあるドラフトルームに、WRコーチの ランデルが奇声を挙げつつ顔を出して、ドラフトルームが笑いに包まれる。

WRコーチが興奮のあまり部屋に侵入

ホームズ「君のために凄い子とったよ」
ランデル「あんたがた、今日は仕事終わりでも大丈夫だぜ」
GM「よし、じゃあ今日は帰ろう(笑)」
     
19:45 ドラ1選手恒例の施設訪問風景

ドラフト2日目

2巡指名 ジョシュ・パスカル指名

21:40 ホームズ「事前にJAMOを指名するシナリオをたくさん考えていた。全体2,32,34、66を組み合わせてどうやって指名するかの方法だ。最終的に2巡を持つことができたので、興奮していた」

21:55 「(ビッグボードをみながら)パスカルを指名できる可能性あるよね」
キャンベル「シー。彼の名前を出しちゃだめだ。気づかれちゃう。彼は隠しておくんだ」
(補足)割とジンクス的なものを気にするキャンベル。2021年も”ステイ”のおまじないをしていました。
    
22:15 ホームズ「32位か34位があるシナリオだった場合、パスカルの指名を考えていた。MINからもらった46位があったので希望はあったけど、残るのは難しいと感じていた」

22:50 重苦しい感じのドラフトルーム
23:10 貧乏ゆすりするHC。2つ前の44位にHOUがトレードアップしてきて、キャンベルがうめき声。ヒューストンがWRメッチーを指名でキャンベル「もう一人だ」
23:55 45位のBAL指名を待つ間にホームズは落ち着かないのか、立ち上がってウロウロ。キャンベルもいてもたってもいられなかったのか柱の陰に隠れている。

緊張しているドラフトルーム

BALがオジャボ指名でパスカルの指名確定。拍手が出るドラフトルーム。キャンベルがガッツポーズ。ホームズとキャンベルは握手からのハグ
シーラ「また、うまくやったね」

25:00 指名の挨拶電話。HCからオーナーに交代。後ろは盛り上がっており電話しづらそう。

26:15 ホームズまた机を叩いて大興奮

26:20 スカウト評価「エッジもできるしインサイドもできる。際立っているのは彼はプレーをやめない」

27:10 うれしくてバックハグするホームズとキャンベル

仲良すぎない?

27:55 パスカルは癌サバイバー。そこから戻ってきてケンタッキー大でキャプテンまで務めた不屈の精神をチームは高く評価

28:55 パスカルの面談シーン。たくさんの試合テープをみていろいろ議論をしたそう。彼もリュックを背負いながら面談しているのが面白い。有力選手は面談がひっきりなしで、いちいち荷物降ろさないほど忙しいのかもしれない

3巡指名 カービー・ジョセフ指名

30:35 3巡の指名準備。GMとHCのヒソヒソ話。キャンベル「ハッチもとれたし、JAMOも、パスカルも取れた。君は凄いよ」

31:20 キャンベル「あの子がとれたらいいよね」ホームズ「いやあ、とれたら大興奮だよ。でも僕は難しいと思う」
(補足)このシーンでははっきりと名前は出していませんが、かなり評価の高い選手が残っていたと思われます。この段階でDETが持っているのは補填ピック(ゴラディ)の全体97位。つまり3巡のケツ。次の指名まで大分長いです。

少し時間が進んで
32:10 「まだジョセフ残ってるね」キャンベル「僕たちの順番まで残っていたらびっくりだよ」
32:30 ジョセフの名前が頻繁に出るドラフトルーム

33:25 INDが目の前に96位トレードアップして同じSのニック・クロスを指名。トレードアップ段階では、INDのジョセフ指名はないと読んでいたみたいです。何らかの情報が入っていたのでしょう。
ジョセフ指名確定の瞬間。拍手。ドラフトルームのリアクションだと、INDの指名が分かった段階で、多くの人が上級選手人事部長のニューマンにサインを送っているので、彼が推していた感じにも見えます。

灰色のパーカー来ているのがニューサム

35:05 スカウト評「空中のボールを奪ってターンオーバーにしてしまうスキルが秀逸。ボールの最高点で処理するのが素晴らしい。試合に対する情熱、リーダーシップ、ポジティブな雰囲気作りなども評価」

(補足)スカウト評通り2022年の4INTはチーム最多。うち3つがアーロン・ロジャースからあげたもの。ロジャースをNFC北地区から追い出した英雄として、一部ファンからは絶大な支持を受けています。

3日目

5順a ジェームス・ミッチェル指名

38:20 ホームズ「(4巡がないので)自分たちの指名順まで時間があったので、いろいろ検討していた。指名候補の中でTEジェームス・ミッチェルが残っていた。ドーシーにもアドバイスを求めた」
ドーシー「ボードが全て教えてくれているじゃないか。残っている中でTEはミッチェルしかないだろ」

ホームズ「ドーシーのような経験のある人がいるのは心強い。他にも(現役時代はTEだった)キャンベルやSTコーチのデイブにもアドバイスを受けた」

PHIとのトレードダウン交渉

41:05 PHIからの電話で181を7つ下げて187位と7巡指名権をもらいます。2日目以降は5分間隔なので、かなり即断ですね。

5巡b マルコム・ロドリゲス指名

41:30 ホームズ「ロドリゴはスペシャルチーマーとしてのテープがLBでは1番良かった」
ここでもSTコーチのデイブと入念な打ち合わせ。この後、現役時代はLBだったクリス・スピールマンにも意見を聞く。「彼が好きだ。特にチームプレイヤーなところだ」

43:25 指名の電話。当日ロドリゴはおばあさまの葬式に出ていて、そのうえでの指名の電話で、かなり感情が揺さぶられていたようです。

6巡 ジェイムス・ヒューストン指名

44:55 ジェイムス・ヒューストンの指名シーン。他の選手が自宅でリラックスした服装をしている中、ビシッとスーツで決めているのが際立ちます。スモールスクール出身なのでドラフトにかかったことはかなりうれしかったのだと思います。

7巡 チェイス・ルーカス指名

47:50 ホームズ「PHIとのトレードダウンで指名権を得たのでチェイス・ルーカス指名できました。」
ルーカス「7巡目まで来ていたいので、UDFA狙いの他のチームとの電話からくるかなとおもってたところに313(デトロイトの市外局番的なもの)から電話が来たんだ」

3日間を通しての感想

以上で動画の簡単な解説は終わりです。上位4人は全員コンバインでの面談を実施していたんですね。本当に欲しかった選手だったのがよく分かります。
JAMOやミッチェルなど怪我明けの子が落ちてきたのを指名しています。2022年はまだ勝負年というよりは再建2年目で、次年度以降を見据えた動きだったかもしれません。
GMホームズは他の人の意見、アドバイスを求めているシーンも多いですね。スカウトもそうですが、現場のSTコーチのデイブにも、シーンに映っているだけで2回はアドバイスを求めています。これがうまくいっているのかもしれません。あと興奮すると机を叩きます。
スカウトたちは口をそろえたかのように「フットボールへの情熱、たゆまぬ努力、試合での粘り強さ」を重視していました。この辺はHCキャンベルの影響かもしれません。


ドラフトされた選手ですが下位順からも当たりが出て、ホームズGMの2年目のドラフトは大成功だったと思います。

最後に前回同様2022年組ルーキーの2023年現在の立地位置を確認しておきます。
次回2023年分は開幕までに記事が書ければいいのですが、時間がまさかの90分超え…

2022年組の2023年の展望

ドラ1 ハッチ
1年目からエースラッシャー。DROYは次点で惜しくも逃す。NFLのTOP100にも入り、今年はさらなる飛躍を期待。キャンプでも絶好調らしい。

ドラ1 JAMO
2022年は故障明けでシーズン半休。後半に能力の片りんを見せたにとどまる。チームが用意したホテルで、NFL以外のスポーツ賭博をやった罪で6試合出場停止。キャンプもハムストリング負傷で練習ができていない模様。辛いNFLのキャリアスタートだが、懲役開けたら全開で頑張ってほしい。

ドラ2 パスカル
こちらもシーズン前半はIRリストですごす。呪われたライオンズドラ2の系譜を受け継ぐ男なのかと思いきや、後半には復帰。今年は元気にフル出場希望。ドラ2の呪いを覆せ。

ドラ3 カービー
1年目はトレーシー離脱もあって早々にスターターに定着。対アーロン・ロジャース決戦兵器(本人はロジャースファン)。今年はロジャースが同地区からいなくなっちゃったので、対カズンズと対フィールズに調整してくれ。バク転が好きだけど、怪我しないかひやひやしちゃう。

ドラ5 ジェームス・ミッチェル
こちらも怪我明けで去年はキャンプの練習が満足にできず。2年目は健康そうではありますが、レシービングTEとしては2023年ルーキーのラポルタが絶好調らしいので、ブロックなども含めたTEらしいいぶし銀の活躍を期待

ドラ5 マルコム・ロドリゲス
STer期待のはずが、先発LBに定着。そつのないプレーで予想以上の貢献。ライバルもいなかったこともあり、メディアによってはLBとしてオールルーキーチームにも選出された。ドラ1LBキャンベル、バーンズの急成長でスターター争いは激化だが、卓越した戦術理解力でチームに貢献してほしい。

ドラ6 ジェイムス・ヒューストン
去年は無念の53ロスター漏れからのPS入り。ところが後半になってからロスター引き上げ後に、サック量産(7試合で8サック)。パスラッシャーとして稀有の才能があるかも。去年と同水準の結果出してくれるだけで、うれしい悲鳴があがっちゃう。

ドラ7 チェイス・ルーカス
老け顔だなあとおもったら、結構年言ってた人。NBとしての定着を目指してたものの、記事完成前日に無念のカット。PS入りで再起を目指せ。

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