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Inside the Den の見どころ紹介 2021編


Inside the Denとは

2021年より始まったDetroit Lionsの内側を撮影・編集した動画が公式よりYouTubeに上げられるようになりました。Hard Knoks的な感じといえばピンと来る人もいるかもしれません。なぜこの動画が始まったのか、当時の背景を振り返ってみます。

NEより招聘したGMボブ・クインとHCマット・パトリシアのコンビは結果を出すことができず、2020年11月に両名とも、この年の6月に新オーナーに就任したシーラ・フォード・ハンプに解雇されました。

現オーナー シーラ・フォード・ハンプ

2016年GMクイン就任より進められていた、(当時)常勝チームだったペイトリオッツの文化をライオンズに導入する試みは大きな失敗となりました。

シーラはフランチャイズの立て直しのため、オーナー補佐のポジションに、当時FOXの解説者でフランチャイズの英雄クリススピールマンを招聘。組織改革を進めていきます。

オーナー補佐兼CEO:クリス・スピールマン

新体制ではGMはLARよりブラッドホームズ、HCはNOよりダンキャンベルを招聘していきます。

左:GMブラッド・ホームズ
右:HCダン・キャンベル

2人の採用にあたり、シーラとスピールマンは前政権の失敗の反省から、一緒に働いていて気持ちが良い人柄を重視したいたとされています。

GMホームズは就任後素早く動き、フランチャイズの顔であったマシュー・スタフォードとジャレッド・ゴフのトレードによりドラフト指名権を増やす戦略をとりました。
前政権の失策によりキャプスペースはない、指名権も少ない、選手が育っていないなどもあり、この段階で多くのファンは、長い再建期の到来を覚悟していたと思います。

そんな厳しい時期にライオンズの広報チームは動きます。こちらも前政権の反省から、徹底した秘密主義から情報開示へと大きくかじを切ります。
その一環でYouTubeに「Inside the Den (巣の内側)」シリーズが始まります。以前では見られない組織内部の活動が動画としてまとめれています。
その中で最も人気が高いエピソードがドラフトのWarRoomを撮影した動画です。他所のチームの事情は詳しくないのですが、ドラフト内側の風景が生々しく映っている(もちろん良いように編集はされていると思いますが)ので非常に新鮮でした。

2021年よりスタートして今年で3回目。しかし全編英語の上(とはいえYouTubeの日本語字幕機能を使えばある程度は把握できると思います。僕もこの記事書くにあたり利用しています)、短くても37分、長いと90分と、日本のファンにはハードルが高く未視聴の方もいるかと思い、見どころを紹介していきます。

本編

今回はGM,HC,オーナー就任1年目の2021年です。


この年は全体7位(R1),41位(R2),72位(R3),101位(R3),112位(R4),153位(R5)を持って臨んでいます。(再建期とは思えないピック数ですね。前のGMは何をやってたんでしょうか)

以下で再生分数ごとに簡単な解説を入れていきます。各文章の文頭の数字は再生時間の目安です。

冒頭

GMホームズとHCキャンベルはインタビューで「組織によって非常に良い準備ができて望めている」と話しています。

スカウトとコーチによるスウェルの事前評価

2:00 各スカウトのスウェルへの評価
3:00 OLコーチのハンクとの面談
ハンク「私もあなたをドラフトしたい。プロデーも頑張ってね」とエール
3:44 「300パウンドあるけどTEみたない動きもできる」

TEみたいにパスキャッチするスウェル

キャンベルとシーラの会話シーン

4:25 キャンベル「シーラ。これがあなたにとって初めてのドラフト?」
シーラ「そうね。オーナーとして初めてのドラフトね。みんな同じだよね?」
(補足:ホームズはGM初就任。シーラもオーナー就任が6月なので初めて。キャンベルも暫定HCの経験はありますが、正HCは初めてなので主要人物にとって全員が初めてのドラフトであることをさしていると思います)

全体7位指名のシナリオ検討

4:50 ドーシー「(全体7位)多くのシナリオを検討してきたが、欲しいと思っている2人のうちどちらかは間違いなく残るだろう」
(補足:ドーシーさんは、ブラウンズのGM経験者で、経験を活かして1年目だらけのライオンズフロントに貴重なアドバイスを与えてくれます)

ジョン・ドーシー

4:58 キャンベル「最初の関門は(全体5位)CINだった。ここが最大の難関だった。でもチェイスを指名してくれた」
5:26 ホームズ「(全体6)MIAはアラバマのレシーバー(ワドル)に行くと思う。そうなったら意中の子は残っている」
5:55 キャンベル「どこかからトレードアップしてくるかもしれない」
   ホームズ「MINはタックル欲しがっているのは知っているが。。。」
   

全体7位でスウェルを指名

6:15 MIAの指名待ちでソワソワ状態のWarRoom
6:42 MIAのピックイン。緊張の瞬間。
7:08 MIAはワドルを指名。スウェルが残り、指名が確定した瞬間の大歓喜。みんなで喜びのハグ
(補足:この時までホームズという人がこんなに感情を爆発させる人とは思いませんでした。また普段落ち着いているドーシーさんも珍しく興奮しています)

8:10 スウェルへ指名の挨拶電話
10:12 電話はキャンベルからシーラに。その後ろでホームズとキャンベルが雄たけびを上げながらハグ。
(補足:オーナーが選手に電話している間、後ろで騒いでいるので話しづらそうです。あまりオーナーに気を使いません)

10:18 指名に興奮したホームズが机をたたきまくる。
(補足:この癖、今後良く出ます)

10:55 キャンベル「これはコーナーストーン(基礎、土台)となる指名だ」
11:16 キャンベル「見事な指名だ、B(ブラッドホームズ)。もう今日は帰ろう(笑」
11:55 キャンベル「OLコーチのハンクにメッセージ送っておこう。喜ぶぞー」
12:25 ドラ1ルーキー恒例の翌日の施設訪問シーン。

(補足:おそらく7位指名はスウェルかもう1人を考えいたのだと思います。喜び方からしてもスウェルが大本命だったのでしょう。6位のMIAのピックインからほぼノータイムでピックインしたらしいです)

ドラフト2日目 

2巡オンズワリケ指名

13:25 ホームズの電話がなり、不在のためキャンベルが出る。部屋に戻ってきたホームズにキャンベル「NOがなんか話があるみいただよ」「キャンベルがでたのでびっくりしたのかな」
(補足:NOはキャンベルの前年所属チーム)

14:13 「(2順は)目当ての2人のうち、どちらかを指名できたらうれしいね」ホームズ「どちらかというとワシントン大のパスラッシャー(オンズワリケ)がいいと思う」
15:05 ホームズ「オンズワリケのため、1巡へのトレードアップも考えていた」
15:15 キャンベル「1巡で消えると思っていた。2巡上位では残っていないと考えていた」

15:23 32位TBがワシントン大のパスラッシャーを指名の報せで一瞬緊張感が走るが、エッジのジョー・タイロンで一同安心。
15:33 オンズワリケが残ったことで、ホームズとシーラがグータッチ
17:25  オンズワリケの指名成功で湧く

3巡aマクニール指名と意中のWR

18:45 3巡aの指名の相談
18:50 シーラ「レシーバーを指名しなくても大丈夫?」
(補足:実際2021年はまともなレシーバーがおらず、ファンも不安で、シーズンもかなり苦しみました。前のGMはどうするつもりだったのでしょう。オーナーの心配・指摘はもっともですし、2021年のモックでも高位でWR指名の予想が多かった記憶があります)
ホームズ「ボード全体を見てください。レシーバーは層が厚い。4巡でUSCの子が残っていると思います。でもピュアなNTは彼マクニールしかいません。我々は3巡でマクニールを指名します」
(補足:ここが個人的なハイライトです。"USCの子”は翌日無事4巡で指名、それが現エースのアモンラ・セント・ブラウンです。ホームズの凄い読みによるドラフト戦略と選手の評価の正しさが垣間見えました)
    
19:23 ものすごいリラックスした態勢で指名電話を受けるマクニール。

就職の採用通知でこんな人いないよね


21:05 キャンベル「置き石系のNTだけにとどまらない。パスラッシュもできる能力がある」
21:32 「僕たちが本当に欲しい選手ばかり取れている」

3巡bメリフォノウ指名

21:42 キャンベル「(オーナーとヒソヒソ話)3巡bはメリフォノウを狙ってます」
22:35 メリフォノウが自分たちのところまで残るようにまじないをかけるキャンベル「Stay,Stay」
23:05 (トレードのオファーの電話交渉。101と130の交換)ホームズ「2つの1巡くれたらいいよ(お断り)」

3日目

トレードアップ

4巡aアモンラセントブラウンと4巡bデリックバーンズ

25:45 狙っているのは2人。アモンラとバーンズ。112位でアモンラはとれるが、バーンズはとれなさそうなのでトレードアップを試みることに    クリーブランドと交渉成立で113位を確保し、112位と113位で目当ての2人を連続指名

29:18 ドーシー「アモンラは今年のWR陣でランブロッカーとしても最も良いよ」
(補足:2022年のPFFのランブロッカーのグレードで1位をとっています。ドーシーさんの慧眼)
    
30:44 指名時にオーナー登場
30:59 オーナーをねぎらう一同ー

31:35 クリーブランドより獲得した257位(R7)ジャマールジェファーソンを指名
33:00 ドラフトは終わったが、UDFAとの契約で大忙し

以上で動画の簡単な解説は終わりです。最後に2021年組の2023年現在の立地位置を確認しておきます。
また機会があれば2022年、2023年番の簡単解説をしようと思います。ただ2022年は動画57分、2023年は90分なのでいつになるやら。

2021年組の2023年の展望

ドラ1 スウェル
不動のRT。2022年はプロボウル。圧倒的な運動神経と闘争心で若くしてチームの顔になりつつある。

ドラ2 オンザリケ
2022年は背中の故障で全休。2023年の春先は引退の噂もあったが、PUPにも入らず元気にキャンプ参加。うれしい誤算。ドラフト時の評価通りの活躍をしてほしい。

ドラ3 マクニール
今年は体重を減らしてNTから3Tになり、よりパスラッシュを担当する方向。当時のキャンベルの期待通りの活躍ができるかが注目

ドラ3 メリフォノウ
1年目はCB,2年目はSと模索中。ドラフト時の評価には追い付いていない。今年が正念場。背番号は心機一転6番に。

ドラ4 アモンラ・セント・ブラウン
ライオンズのエースレシーバー。負けん気の強い男。自分より先に指名されたWRの名前と大学を空で言える執念深さ。この執念深さが熱心な練習で彼を育てた。

ドラ4 デリック・バーンズ
2年目はロドリゴに後れを取ったが、今年のキャンプでは評価上場で正LBのポジションも見えつつあるらしい。2021年のウォルターペイトン賞受賞のウィットワースさんが、スピーチで話した小さいころチャリティで訪れていた時に会っていて、NFL入りの夢を叶えたのがこの人。

ドラ7 ジャマー・ジェファーソン
いまだ53ロスター残留できず。PSに定着。ジャスティン・ジャクソンの緊急引退の穴を埋められるか勝負の年



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