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移動距離でみるNFL2024年スケジュール強度

はじめに

NFLの2024年のスケジュールが正式に決まりましたね。この記事では、スケジュール強度の1つの目安であるチーム別にみた移動距離について書いたものです。NFLはドラフトが終わると7月のキャンプまでは地獄のネタ枯れ時期ですので、ちょっとでも酒の肴となる情報提供になればと思っております。(大まかな内容は2023年のものコピペ踏襲していますので数値の更新がメインです)

最初に結果だけ示します。縦軸が各チームの移動距離を示す棒グラフです。棒グラフが上に伸びているほど、今年の移動距離が長いことを示します。移動距離の計算方法は後述。

チーム別移動距離

詳細は後述しますが、各棒の色は、紺色が同地区対戦、水色が同一カンファレンス戦、橙色が別カンファレンス戦、赤色が同一カンファレンス同順位戦、灰色が17試合制によって増えた別カンファレンス同順位戦で発生する移動距離を示しています。
今年はLACA,SEAの2チームの移動距離が長く(2.7マイル超え)、CIN,PITの移動距離が短い(1万マイル弱)でした。

このあとは上のグラフの内容説明です。前半部分は主に初心者向けに対戦スケジュールの決まり方について書いています。後半部分が移動距離について書いています。

カンファレンス

NFLは現在32チームが存在し、2カンファレンス制のもとでAFCに16チーム、NFCに16チーム存在します。両カンファレンスは、東西南北の4つの地区別に分かれており、各地区4チームずつ所属しています。

2つのカンファレンスと4つの地域

東西南北といっても、歴史的な経緯や、存在している場所により綺麗に東西南北に分かれているわけではありません。

誰がどうてみても南部だけど、東地区に編成されるダラスカウボーイズ
むしろ北じゃない?インディアナポリスコルツ

試合の決まり方

レギュラーシーズンは17試合あり、対戦相手は、NFLの規則に基づいて自動的に決定されます。基本的には、以下のようなルールに従います。

①同じ地区のチームとホーム&アウェイで総当り(6試合)
②同じカンファレンスの他の地区と総当り(4試合)
 4試合のうち2試合がホーム、のこり2試合がアウェイ
③別のカンファレンスの1つの地区と総当り(4試合)
 4試合のうち2試合がホーム、のこり2試合がアウェイ
④カンファレンス内の上記以外の地区で前年度の順位が同じチームと対戦(2試合)
 1試合のうち1試合がホーム、のこり1試合がアウェイ

最後に2021年から従来の16試合制から17試合制に増えたことで、以下の試合が組まれるようになりました。(おまけの1試合)
⑤カンファレンス外の上記以外の地区で前年度の順位が同じチームと対戦(1試合)
ホームになるかどうかは、どちらのカンファレンスに所属しているによって決まります。2022年はNFCのチームがホーム、2023年はAFCのチームがホーム、2024年はNFCのチームがホームとなります。カンファレンス内でホームとアウェイで試合数に差があるとPO出場で揉めそうなので、こういう形式にしていると理解しています。(奇数にしなければ良かったのでは)。

移動距離

さてここから本題です。試合日程が全て発表されたので、各チームの2024年の移動距離を計算してみました。移動距離はスタジアム同士の直線距離で計算しています。ホーム試合の場合は移動距離0、アウェイの場合はホームスタジアムからアウェイスタジアムの距離を2倍(往復分)したものとしました。全32チームのスタジアム間の距離は行列形式でまとめると以下の表になります。

地区内対戦

まずは毎年必ず行われる地区内対戦の6試合、このうち半分の3試合がアウェイ。移動距離を棒グラフにまとめてみたものが次の図です。
縦軸が移動距離で、アメリカ式の度量衡に従ってマイル換算しています。

同一カンファレンス別地区

これは毎年必ず発生する基本の移動距離です。地区内でみると辺鄙な場所に存在するDAL、MIA、KC、SEAあたりが移動距離が長いことが分かります。また前述のようなチームが存在すると同地区の他の3チームの移動距離も長くなりやすいです。
反対に狭いエリアにチームが存在しているAFC北、NFC北地区は、この基本の移動距離が短いです。

同一カンファレンス

次に今年の同一カンファレンス内別地区の対戦を考えていきます。今年は以下のように対戦相手が組まれています。

2024年の対戦相手

先ほどの棒グラフに、この分の移動距離を水色棒グラフで足します。

別カンファレンス別地区

今年はAFC西地区とAFC北地区の対戦があり、AFC西地区の西南に位置するLACとLVの2チームがアメリカ大陸を南から北への縦断する移動が発生するため大きく距離を伸ばしています。AFC北の4チームはいずれもアウェイ戦の内1つが大陸中央に位置するKCまたはDENのため、前述の2チームほど距離は伸びていません。
また大陸の西端に位置するNFC西と対戦のあるNFC北の移動距離も大きく伸びています。

別カンファレンス

先ほどと同様に別カンファレンスとの地区対戦の分の移動距離を足しましょう。オレンジ色の棒グラフの分がそれです。

別カンファレンス

アメリカ大陸の東西に位置するAFC東とNFC西の対戦があるため、同地区に存在する8チームの移動距離が大きく伸びます。またAFC西とNFC南の対戦があり、LACはCARとATLとのアウェイ戦により距離が大きく伸びています。AFC北はNFC東と比較的距離が近いため(DAL除く)、このカテゴリでは移動距離は伸びません。

同一カンファレンス同順位

前年の順位によって決まる同一カンファレンス同順位の分を赤の棒グラフで反映しましょう。

同カンファレンス同順位

LACはNEとのアウェイ戦により大きく距離を伸ばします。同様にNYGはSEA、PHIはLAR、SEAはATL、SFはTBとのアウェイ戦により距離が大きく伸びています。

おまけの1試合

17試合によって新たに追加された分を反映します。今年はAFCチームがアウェイ戦を戦います。

別カンファレンス同順位

KCがSF、MIAがGBでのアウェイ戦により距離が伸びます。

国際試合

最後に2024年は初めての開催となるブラジル、サンパウロでの試合も含めて国際試合が5試合組まれています。

国際試合

移動距離の観点からだとホームもアウェイも関係ないので、各チームのホームスタジアムから開催スタジアムまでの直線移動距離を計算して先ほどの棒グラフに差し替えます。
棒グラフの黒枠の部分が国際試合により発生した移動距離です。

国際試合を反映

JAXに関してはWeek5,Week6は連戦でロンドンなので、おそらくいちいちホームには帰ってこないと思いますので、week6はJAXのみ移動距離0として計算しました。実際2023年もWeek4,Week5でロンドン連戦が組まれましたが滞在して調整していました。
NFC北はDETを除く3チームが国際試合が組み込まれたため大幅に距離を伸ばしています。

最終的に計算された総移動距離に基づいてソートをかけてみます。

移動距離別にソート


今年の移動距離TOP2はLACとSEAで両差共に2.7万マイル超え。両社とも国際試合が1試合もないのが恐ろしいですね。アメリカ大陸は広い。
スタジアムが孤立しているSEAは仕方ないとしても。LACに関してはNE、CAR、ATLとのアウェイ戦が不運でしたね。
反対にPITはNFC東とのアウェイ戦でDALを避けてPHI,WAS、AFC西のアウェイでもKC、同カンファレンス同順位対戦のアウェイ戦もINDと近距離チームを引けたことで移動距離が短く済みました。


最後までお付き合いありがとうございました。また来年のスケジュール公開後に移動距離について書いてみます。


ちなみにこのツイート

および計算もとになった記事と若干ランキングが違うのですが、元記事の計算が若干誤っているようでしてそこで差がでています。

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