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移動距離でみるNFL2023年スケジュール強度

はじめに

NFLの2023年のスケジュールが正式に決まりましたね。この記事では、スケジュール強度の1つの目安である、チーム別にみた移動距離について書いたものです。NFLは、ドラフトが終わりこれから7月のキャンプまで地獄のネタ枯れ時期ですので、ちょっとでも酒の肴になればと思っております。

最初に結果だけ示します。縦軸が各チームの移動距離を示す棒グラフです。棒グラフが上に伸びているほど、今年の移動距離が長いことを示します。

チーム別移動距離

詳細は後述しますが、各棒の色は、紺色が同地区対戦、水色が同一カンファレンス戦、橙色が別カンファレンス戦、赤色が同一カンファレンス同順位戦、灰色が17試合制によって増えた同一カンファレンス同順位戦で発生する移動距離を示しています。
今年はSEA,SFの2チームの移動距離が長く(3万マイル超え)、CHI,CIN,GBの移動距離が短い(1万マイル弱)でした。

このあとは上のグラフの内容説明です。前半部分は主に初心者向けに対戦スケジュールの決まり方について書いています。後半部分が移動距離について書いています。

カンファレンス

NFLは現在32チームが存在し、2カンファレンス制のもとでAFCに16チーム、NFCに16チーム存在します。両カンファレンスは、東西南北の4つの地区別に分かれており、各地区4チームずつ所属しています。

2つのカンファレンスと4つの地域

東西南北といっても、歴史的な経緯や、存在している場所により綺麗に東西南北に分かれているわけではありません。

誰がどうてみても南部だけど、東地区に編成されるダラスカウボーイズ
むしろ北じゃない?インディアナポリスコルツ

試合の決まり方

レギュラーシーズンは17試合あり、対戦相手は、NFLの規則に基づいて自動的に決定されます。基本的には、以下のようなルールに従います。

①同じ地区のチームとホーム&アウェイで総当り(6試合)
②同じカンファレンスの他の地区と総当り(4試合)
 4試合のうち2試合がホーム、のこり2試合がアウェイ
③別のカンファレンスの他の地区と総当り(4試合)
 4試合のうち2試合がホーム、のこり2試合がアウェイ
④カンファレンス内の上記以外の地区で前年度の順位が同じチームと対戦(2試合)
 1試合のうち1試合がホーム、のこり1試合がアウェイ

最後に2021年から従来の16試合制から17試合制に増えたことで、以下の試合が組まれるようになりました。(おまけの1試合)
⑤カンファレンス外の上記以外の地区で前年度の順位が同じチームと対戦(1試合)
 今回初めて知りましたが、ホームになるかどうかは、どちらのカンファレンスに所属しているによって決まります。2022年はNFCのチームがホーム、2023年はAFCのチームがホームとなります。確かにこれだとPO出場条件で公平感は保たれますね。カンファレンス内でホームとアウェイで試合数に差があると揉めそうですもんね(奇数にしなければ良かったのでは)。 

移動距離

さてここから本題です。試合日程が全て発表されたので、各チームの2023年の移動距離を計算してみました。移動距離はスタジアム同士の直線距離で計算しています。ホーム試合の場合は移動距離0、アウェイの場合はホームスタジアムからアウェイスタジアムの距離を2倍(往復分)したものとしました。全32チームのスタジアム間の距離は行列形式でまとめると以下の表になります。

同地区対戦の部分は背景水色
数値はマイル単位

地区内対戦

まずは毎年必ず行われる地区内対戦の6試合、このうち半分がアウェイ。移動距離を棒グラフにまとめてみたものが次の図です。
縦軸が移動距離で、アメリカ式の度量衡に従ってマイル換算しています。

地区内対戦の移動距離

これは毎年必ず発生する基本の移動距離です。地区内でみると辺鄙な場所に存在するDAL、MIA、KC、SEAあたりが移動距離が長いことが分かります。また前述のようなチームが存在すると同地区の他の3チームの移動距離も長くなりやすいです。
反対に狭いエリアにチームが存在しているAFC北、NFC北地区は、この基本の移動距離が短いです。

同一カンファレンス

次に今年の同一カンファレンス内別地区の対戦を考えていきます。今年は以下のように対戦相手が組まれています。

2023年の対戦相手

先ほどの棒グラフに、この分の移動距離を水色棒グラフで足しましょう。

同一カンファレンス別地区

今年はアメリカ大陸の西と東に存在するNFC東とNFC西の対戦があるため、該当地区に存在する8チームの移動距離を示す棒グラフが大きく上に伸びていることが分かります。DALは中央部に位置するためNYG,WAS,PHIに比べると影響は小さいようです。

別カンファレンス

先ほどと同様に別カンファレンスとの地区対戦の分の移動距離を足しましょう。オレンジ色の棒グラフの分がそれです。

別カンファレンス別地区

アメリカ大陸の北部東側に位置するAFC北チームと、SEA以外は南西部に位置するNFC西の対戦があることで、AFC北地区とNFC西の移動距離が大きく伸びています。
AFC南とNFC南は距離感が近いため、このカテゴリでは移動距離は大きくは伸びずに済んでいます。

同一カンファレンス同順位

前年の順位によって決まる同一カンファレンス同順位の分を赤の棒グラフで反映しましょう。

同カンファレンス同順位

CARが@SEA、TBが@SF、BALが@LACが、それぞれ遠いアウェイ戦があることで他と比べると移動距離が伸びているようです。

おまけの1試合

17試合によって新たに追加された分を反映します。今年はNFCチームがアウェイ戦を戦います。

別カンファレンス同順位

NYG@LV、SF@JAXの影響で移動距離が他と比べると伸びています。

国際試合

最後に2023年は国際試合が5試合組まれています。

国際試合

移動距離の観点からだとホームもアウェイも関係ないので、各チームのホームスタジアムからの移動距離を計算して先ほどの棒グラフに差し替えます。
棒グラフの黒枠の部分が国際試合により発生した移動距離です。

国際試合を反映

JAXに関してはWeek4,Week5は連戦でロンドンなので、おそらくいちいちホームには帰ってこないと思いますので、この値は過剰かもしれません。
恐ろしいのは国際試合が1試合もないSEA,SFが移動距離でTop2になっていますね。特にSEAに関してはホームが他のどのチームからも離れているので毎年移動距離が長いチームの常連になっています。それでいてPOに毎年絡むのは凄いですね。もう慣れているのかもしれません。

最後までお付き合いありがとうございました。また機会があれば別ネタ記事か、来年のスケジュール公開後に移動距離について書いてみます。


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