信じるか、信じないかは、、
夏といえは、怪談ですね。
怪談を聞いて涼しくなるってのも、オツなものです。
誰でも、ひとつやふたつ体験した事があるのでは?
レイに漏れず、私にもそんな体験がある。
まず、小学4年生の時のこと。
私の小学校時代といえば、怪談や十円玉を使った降霊術や、、そんなオカルトが身近な時代。
クラス図書には恐怖体験や不思議体験な本が並んでたし、永遠の恐怖漫画「呪いの館」や「白い影法師」が回覧板のように読まれてた。
十円玉を使った降霊術、いわゆる「こっくりさん」が流行った時があった。
放課後になると数人が教室の隅で鳥居を囲むのだ。
西側校舎の2階が4年生のフロア。東側との連絡通路に近い教室から1組、2組、、、、そして7組。
7組は校舎のどん詰まりで、その先に教室はなかった。
「わぁぁーーー、でたでたー!」
7組の教室から、生徒たちが弾け出てきた。
他のクラスの生徒も何事かと廊下に顔を出し、興奮冷めやらぬ7組の生徒に「どうしたの?」と。
それは自習時間。誰かが「こっくりさん」をみんなでやろうと言い出した。
「こっくりさん」が始まったら、教室から出てはいけない、そんなタブーがクラス全員での降霊術式になった。
「最後に姿を見せてください」そう願うと、黒板全体に狐の姿が浮かび上がり、全員がそれを目撃したそうだ。
これが「こっくりさん」事件、である。
そしてもうひとつ、中学1年生の時。
この頃になると「こっくりさん」から派生して「エンジェルさま」が主流だった。
TVでは心霊番組が人気で、いつのまにか「こっくりさん」は危険なものという認識が広まった。
その代わりに「エンジェルさま」なのだ。
中学になると男女別の教科があり、ふたクラス毎に男女別に授業を受ける。
ただ、私たち1年生は5クラスあって、どうしても5組は余ってしまった。
次は体育だった。
「女子はバレーボール、男子は組体操の練習だって!」
ジャージに着替えると、短い時間をも惜しんで、エンジェルさまを始める子がいた。
2人で鉛筆を持ち、紙の上に立てて呼び出すのだ。しかし、あまりに短い休み時間では、エンジェルさまを帰す事ができなかった。
授業は始まっちゃうし、、半泣きになった彼女に「待っててもらえば?」と言ったのは誰だったかな?
【YES】、【ぼうぐ】
そう、鉛筆は示した。
教室のロッカーの上には、剣道部員の防具が置いてあった。
授業が終わるまで防具の上で待つ、という事らしい。
そうして、エンジェルさまを留めおいて、慌てて体育館に向かった。
男子は体育館のステージ側の半分を使って組体操の練習を始めた。
女子はグーパーで組み分けして、バレーボール。その時、ステージ側から大きな声が上がった。
「おい、大丈夫か?!」
組体操のピラミッドが失敗して、一番下の土台だった鈴木くんが真っ青な顔をして、病院に連れて行かれた。
右肘の複雑骨折。
彼は件の剣道部員で、あの防具の持ち主だった。
そして、エンジェルさまは、自分の重さが負担となってゲガをさせた、と答えて帰って行った。
エンジェルさまを呼び出した子は、自分のせいだと泣き続けた。
これが「エンジェルさま」事件である。
実体験としてより身近に体験した「エンジェルさま」事件。
思春期の子供たちの心が作り出した集団睡眠的な「何か」と「偶然」が生んだ現象だったのかな。
それでも私は、数十年経った今でも、あの時の光景をはっきりと思い出せるのである。
信じるか信じないかは、あなた次第です!
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