「生まれて初めての料理は失敗する」Xデザイン学校ベーシックコース#4

フリーズした

中学生の時に、軽音楽部のドラムを使わせてもらった。

手の動かし方を習う。
ふむふむ。

足の動かし方を習う。
ふむふむ。

手足いっぺんに動かそうとする。
フリーズする。

今日の授業は、まさに、これ。

ビジネスリサーチを習い、ユーザーリサーチを習い。
ビジネスリサーチを全然消化できていないことを痛感しつつ、え、もうビジネスモデル決定ですか、ユーザーリサーチですか。

やるべきことを、適切な順番でやる

今まで習ったことの3分の1も身についていない自信があるけれど、
「考えるべきことを考える」
「知っておくべき情報を知っておく」

こういうやるべきことを、適切な順番でやらずに、主観と思い込みでアイデア大会をやるから、新規事業がうまくいかないということだけは、はっきり理解した。

というか、過去と現在の、他人と自分のあれこれがうまくいかなかった理由に、ロジックが与えられてとてもスッキリした。

が、その「やるべきこと」が、自分にできるかどうかは別問題。

宿題でこの1ヶ月、色々と調べたけれど、その妥当性はどうなのだろう。
今日短時間でわーっと出し合ったアイデアは、ちゃんと考えるべきことを押さえていないのでは? てか、絶対押さえていないわ。
もう1回授業資料を見返しつつ、ゆっくり考えていいですか。

と、不安に思っていたら、授業の最後に浅野先生がおっしゃったセリフ。

「生まれて初めての料理は失敗するんですよ。でも失敗して学ぶ。ちくしょうと思って、次はもう少しうまくやる」

そうそう。
未経験なのだから、失敗するのは、はっきりわかっている。
大事なのは、その過程でしっかり考えることだと思う。

子供の頃、人生で最初に作ったカレーは、確かに激マズだった。
ルーを入れて煮込むだけなのに失敗するとか、なかなかだなと自分でも驚いた。
でも「ちゃんと煮込まなくて生煮えだったんだなー」と、原因は理解した。
今のところとりあえず、同じ味の再現はしていない。

自分は、ぱぱっと理解してサクサク進めるほど、器用ではない。
どうやったってこけるんだけど、一つ一つしっかり考えて、自分なりに試行錯誤して、進みたい。

せっかくお金を払って時間を割いているのだから、この場所でまで、「やるべきことをやらずにアイデア大会」はやりたくない。

Aチームはメンバーが本当にいい方ばかりで。
取材の時もずっと思っていたけれど、自分とは違う思考、違う生活を知るって、それだけで本当に面白い。
今回はさらに、助け合いながら一つのことをやるのが楽しい。

調べものは、楽しい

今回の宿題では、MaaS界隈の動向調査、社会変化調査を担当した。

楽しかった!!
トヨタイムズに転職活動しようかと思った。

後輩とか学生さんに「質問って、知識と興味がないとでてこない」という話をよくしている。
完全に、おまゆうだった。

前回の授業では、知識と興味がなさすぎて、質問以前だったなと思う。
せめてもう少し理解していたら聞くべきことがあったのになあと、この1ヶ月何度か悶絶した。

次世代自動車開発で、「最低参加条件:天才」みたいな世界大戦が繰り広げられているって知らなかったなあ。
IQ3の理解しかなかったけれど、本当にえげつない競争と変化にさらされているんだなあ。

もはや車から考えるんじゃなくて、移動だけでもなくて、生活すべてをどうデザインするかを考えた競争。
AIですむところはAIに任せて、「人間が専念するべきことに専念できる世界を作る」という発想は、「じゃあ人間らしさとは何か」という問いそのもの。

世界の先端の人たちは、こんな世界でしのぎを削っていたのかと知ることは、単純に面白かった。

生活そのものの変化も面白かった。
今回はとりあえず基幹統計類を見るだけだったが、もっと色々変化しているんだろうなあ。

私は、知らなかったことを知り、「世界ひろっ!人間すごっ!」と思う瞬間に、変な脳内物質が出る。
注意しないと、知っただけで満足する。
危ういところで我に返った(はず)。

あと、前回言われた「リサーチ段階でアイデアを考えるな」は、本当に大事な指摘だったなと。
断片知識を知る度に、「じゃあこうすればいいんじゃね?」と思いつきがちだった。「いやいや、素人がちょっと知った程度で思いつくものは当事者がとっくに思いついとるわ。アイデアは一通り調べてから」と言い聞かせて進めた。

インタビューは、逆に怖い

今日習ったユーザーインタビューは、本業に親和性が高いからこそ、怖い。
新しい技を学びにきているのに、今までの慣れたフレームワークを使ってしまったら意味がない。

目的が全く違うインタビューなので、準備も考え方も聞いた後も違うのだけれど、違いをはっきり言えないうちは、混同する懸念がある。

全部が違うわけではないから厄介なのだ。
例えば今日の授業で聞いたデプスインタビューのコツも、取材と重なる部分が多かった。

私も相手の言葉をあまり額面通りには、受け取らない。
人は言葉にする時に、既存のテンプレ表現に感情をはめ込むことが少なくない。

例えば、高校球児の99%が言う「チームの勝利に貢献するっす」は、本人も本心で語っているのだが、本当に自分が成し遂げたいことをテンプレ表現「チームに貢献」に変換してしまっている。

「今日のプレーの具体的にどこでそう思ったの?」と聞いていくと、その人ならではの単語が出てくる。
単語を掘り下げると、感情が出てくる。
「あー確かにそうですね!」と本人が自分の感情に気づいていく様も面白い。

まだうまく言語化できていないが、UXを習いたての頃は「今まで自分がやってきたことって、全然使えないなあ」と過去全否定モードだった。

最近は、「全部使えないんじゃなくて、ここは同じでは?」「ここは同じ発想だわ。ロジックになっていなかっただけで、実際にはもうやってたわ」と思う瞬間が出てきた。

とかドヤ顔で書きつつ、やっぱり混同しているんじゃないかとも思っている。
面倒な中年。

で、ビジネスモデルかあ

この授業での課題は、ちょびっと調べただけでも、壮大な世界だとわかった。

ちょびっと知っただけだからこそ、「人が喜ぶビジネスモデル」がまだ思いつかないんだよなあ。
「思い付かない」っていうのがそもそも違うんだろうし。
ビジネスリサーチをしたら、アイデアは理屈で出てくるものと、前回聞いた。

例えば記事がすんなり書けない時って、ほぼ100%取材が足りない。
ビジネスもそうなんだろうか?

インプットが足りていない気がするんだよなあ。
エスノグラフィをやっているわけではないので、当たり前っちゃあ当たり前だけれど。
うーん。もう少し、足掻いてみようかな。

と、だらだら書いていたら、いつものように長くなってしまった!!!

追記)授業中、浅野先生が「うまくできない間は、師匠に怒られる声がずっと脳内できこえていた」とおっしゃった件。わたしも最近ずーっと、浅野先生の声が脳内で聞こえています・・・

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