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やさしいストーリー22

夜中に考え事をしていると眠れなくなってしまった

最近、いつもそう‥

疲れているはずの身体と冴え渡る頭が心のバランスを欠いていく

起き上がり
リビングのソファでぼんやりしていたら、彼が起きてきた

「眠れないのか?」
穏やかな声の問いかけに真夜中の意味のない不安感が和らいだ

「コーヒータイムにする?」

若くない2人の贅沢は時間に構わずに過ごせる事

「では、丁寧に豆を挽くところからやるか」

彼が軽く微笑んで戸棚をのぞいている

選んで手にしたカップが2つ‥
私の一番のお気に入り

優しい心遣い‥いつの時も‥
ささやかな安心感に包まれる

雨の中拾われて暖かい毛布にくるまれた仔猫の様な気分

「この人でよかったなぁ‥」

荷物を一人で背負わぬ様に心を配ってくれる彼の背中に感謝する

真夜中‥コーヒーの香りが漂い
時計がコツコツと時を刻む

人が眠っている間も時は休まず黙々と働いているのかぁ。偉いなぁ。
変な事に感心し始める私‥
心の緊張が溶けてきたようだ

こうして‥過ぎていく二人の夜

いつもゆったりとしていてとても優しく‥仄かに暖かい‥


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