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やさしいストーリー31

目の前を風に吹かれ翻弄される様に蝶が飛んでいく

可哀想‥
そう、思った私は空さえ飛べない

片や蝶は風と戯れ語らいながらダイナミックなダンスを楽しんでいるのかもしれない

こうして自分の思い込みで
人を不幸だと決めつける事
それは悪いくせである

可哀想な人など一人もいないのだから

それぞれが、その個性に満ちた人生を鮮やかに生きる

誰にも何も言われずに
不幸を克服し
幸せを掴み
自分だけに与えられた時間を
享受しながら変化に満ちた日々
を楽しんでいる

それでいい‥

人に起こった出来事を
すぐに円陣を組んで集まり
語り合わなくても
その人は勝手に解決し成長して
生きていく

優しさという言葉でコーティングした好奇心で日々の楽しみを満たすこと‥それは‥やめたい

勝手な思いやりを押し付けている心の狭さは
とっくにバレているのだから

こうしてシニカルを装って実は心の奥底で傷ついている私も素直ではないが‥


そんな事考えていると‥
目の前を
さっきまで風に舞っていた
蝶が素知らぬ顔で
優雅に通り過ぎていく

夏は近い‥

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