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ニーチェ:認識者の建築
「認識者の建築」
「われわれの大都市に特に欠けているものが何であるかを見抜く洞察が、早晩、必要となるだろう。
それは、思索のための静かなひろびろとしたうちひらけた場所、天気が悪いとか陽ざしがきつすぎるときに利用できる天井が高くて長い歩廊のある場所、そこには車馬や呼売りの騒音がすこしも聞こえず、僧侶ですら声高の祈祷を遠慮するほどの粛然とした気配がたちこめる場所、である。
要するに、全体として自己沈思と俗世からの離脱の崇高さを表現している建築と環境である。」(ニーチェ「悦ばしき知識」#280)
私のさほど多くない建築作品に共通するテーマがあったとすれば、それはこうした広々とした回廊をつくろうとすることだったかもしれない。
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