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(悲報)共同親権法案が成立してしまいました。😰

令和6年5月18日の毎日新聞に、共同親権法案が参議院本会議で可決された事が報道されてました。先月16日に衆議院で可決してから、僅か1か月のスピード可決でした。まさか、こんな短期間で可決してしまうなんて、思ってもいなかったです。こんなにスピーディーに審議が進むなら、選択制夫婦別姓や皇位継承問題など、懸案となっている諸問題もさっさと進めて欲しいくらいです。改めて、政治の暴走を止めるには、一個人の発信が蟷螂の斧である事を認識しました。悔しいです…。😢

しかし、悔しがってても仕方ないので、記事の内容を読んでこの改正法がどの様な内容なのかを考えていこうと思います。

改正法の趣旨

1.父母が離婚する際に単独か共同かを協議し、意見が折り合わない場合は家裁が「子の利益」の観点から親権者を判断
2.既に離婚してる父母も親権変更の申立可能
3.DVや虐待の恐れがある場合は家裁が単独を選択する
4.父母の同意が無い場合でも、家裁が子の利益になると判断すれば共同も可能
5.父母の責任の明確化、子の人格を尊重し養育する義務
6.婚姻の有無に関わらず、父母はお互いの人格を尊重し、協力する
7.親権行使のルールの明確化
8.離婚時、離婚後のルール見直し
9.離婚調停や審判中に、家裁が試行的な親子交流の実施を促す
10.財産分与の請求期間を2年から5年に延長

これらの趣旨をひとつずつ考察していきます。

結論:メリットは3と10のみ、5と9は微妙、あとはデメリットだらけ

1.「父母が離婚する際に単独か共同かを協議」ですが、共同で育てられるなら、そもそも離婚しないんじゃないですか?私の離婚した先輩が話してくれましたが、調停の場は憎悪の空気に満ちていたそうです。その中で円満な協議ってできるんでしょうか?「家裁が『子の利益』の観点から親権者を判断」って、どうやって判断するんでしょうか?子供を調停に招いて判断させるんですか?兎に角この改正法、家裁の判断が全てにおいてとても重いです。

2.これ、voicyで近藤弥生子さんも危惧してましたが、既に平穏に暮らしているひとり親家庭にいきなり元配偶者が親権を申し立ててくる事もできるので、法の不遡及の原則に反するのではないかと思うのですが(離婚は法ではない、という事でしょうか?)。無駄な争いを生む原因になる危険性があります。

3.これは、数少ないメリットだと思います。ただ、家裁が何をもってDV、虐待と判断するのかが不明確です。児童相談所の資料がすごく重要になりますね。

4.これは、私が一番懸念している事項です。家庭の事情を書類でしか判断できない家裁が、どうやって「子の利益」を判断して共同親権を認めるんでしょうか?経済的観点でしか判断できない様な気がします。

5.まあ、これは当然ですね。ただ、いわゆる「毒親」にこれが通じるかどうか…。

6.「婚姻の有無に関わらず」というのが引っかかります。つまり、「未婚でも、父親(母親)と名乗り出たら人格を尊重し、協力せよ」という事ですよね。うーむ、未婚(ほぼ100%母子家庭)だったら単独でいい様な気がしますが…。私は男ですが、いきなり自分を孕ませた男性が「俺はその子の父親だから共同親権で一緒に育てよう」っていきなり現れたら「何を今更!💢」ってなると思いますが。

7.「子に関する決定は共同で決めるが、『日常の行為』や、『急迫の事情がある』場合には、父母一方が単独で親権を行使できる」と記事にはありますが、婚姻中ならいいのですが、離婚中ではこの線引きが難しいと思います。日本の法律はこういう曖昧な文言が多すぎますね。

8.記事には、「養育費を他債務に優先させる特権を与え、法定養育費制度を新設」とあり、養育費が貰いやすくなったという事でしょうが、太田啓子弁護士がvoicyでも指摘している通り、養育費は月1〜3万円と少額であり、共同親権で養育費を払わない場合は家裁に申し立てろというのは、子育てや仕事に追われる母子家庭に更なる負担になり、養育費を諦めてしまうと思います。

9.いい事の様に見えますが、果たしてお互いに憎悪している夫婦に促す事なんて家裁がしますかね…。責任逃れでやらないんじゃないですかね…。

10.これも数少ないメリットですね。ただ、財産がほとんどない夫婦にはメリットはあまりないと思います。

以上、私の感想を述べてみました。一言で言うと、すごく家裁と児相の責任が重くなって、業務がパンクするんじゃないかと心配します。特に児相は慢性的な人手不足で、DVやネグレクトの疑いがある家庭ケアが充分になされていない、と私が子育て支援業務を行なっていた時にも感じておりました。
あと、これをきっかけに「今から共同親権の申立てをして、お金を元配偶者から取り戻しましょう」と過払い請求みたいにけしかけて来る弁護士がこれから出て来る可能性もあると思いました。

2年後の施行までに付帯決議の事項を解決できるのか?

同日の毎日新聞の社会面では、原田直子弁護士が、この改正法のあり方を危惧しており、「施行には付帯決議の事項に全て答えてからにすべきだ」と主張していますが、付帯決議には法的拘束力がないので、今回ごり押しで進めた政治家達にそんな謙虚な気持ちがある訳もないので、期待できません。

また、5月19日の毎日新聞の社説でも、改正法に懸念を呈してました。同感です。

共同親権法案といい、マイナ保険証といい、天皇の男系固執といい、どうして国民の望まぬ法律がどんどん成立してしまうのか。本当にこの国は民主主義国家なのか、と疑問に思います。voicyでchisaさんが言われていた「この国の政治家は少子化を推し進めたいのか」を政治家はもう一度聞いて欲しいです。


反対を訴え続けた女性達の不屈の闘志に敬意を表し、私も闘います

結局、政治の暴走でこの共同親権法案は可決されましたが、可決されても近藤弥生子さん、chisaさん、さおりさん、太田啓子さん達は全く意気消沈する事なく、この法案のおかしさをこれからも訴えていくとvoicyで表明しており、彼女達の不屈の闘志には本当に敬意を払いたいです。私も負ける事なく、これからも機会あれば投稿していきたいと思います。

オマケ:共同親権になった場合、どの様な対応が必要か、生成AIに聞いてみました

試しに、noteの生成AIを使って、共同親権になった場合の対応について聞いてみましたので、良かったら見てください。

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