マガジンのカバー画像

#先人の教訓

2
過去に発生した自然災害の中には先人によって伝え続けられているものもあります。繰り返し発生する自然現象による被害を低減するためには、先人が残した石碑やミュージアムといった伝承の手段…
運営しているクリエイター

#大学院生

【#先人の教訓】大地震の爪痕 教訓伝える 北淡震災記念公園

 北淡震災記念公園(兵庫県淡路市小倉)では国指定の天然記念物・野島断層を保存・展示し、地震のエネルギーや自然の脅威を後世へと伝えている。1995年1月17日に発生した、阪神・淡路大震災という未曾有の大災害の引き金となった断層を様々な角度から観察できる。さらに地震のメカニズムや対策についても学ぶことができ、見学者の防災・減災意識を高めている。  破壊された道路、生け垣のズレ、地割れ・・・。  同公園内で保存・展示される野島断層の動きによって変化した様々な地形から、自然の大き

【#先人の教訓】大洪水から人命救う 日田・人助けのムクの木

 温暖な気候と緑豊かな自然に恵まれている大分県は、さまざまな自然災害を繰り返し経験してきた。そのうち、平成29年、令和2年と近年、複数回発生している風水害は甚大な人的・物的被害をもたらした。例えば、令和2年7月の記録的豪雨では日田と由布の両市で計6人が犠牲となり、被害額は558億円に上った。  こうした現状を踏まえ、自然災害による被害を低減させるために私たちは何をどうすべきか。その手立てのひとつとして、過去に発生した災害を振り返ることが有効だと考えられている。そこで、水害常