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ひら☆スス 第14回 「ひらめき☆マンガ教室講義動画」

みなさんこんばんは。ゲンロンスタッフの遠野よあけです。

「マンガが好きなあなたに『ひら☆マン』をオススメする理由」、第14回の更新です。今回は、「ひら☆マン」の授業内容を紹介したこちらの動画の紹介です。

【期間限定公開!】マンガの「画面」を作るには──ゲンロン ひらめき☆マンガ教室 第6期 講義(師走の翁+さやわか)(※動画の公開は終了しています)

この動画は、第6期ひら☆マンでゲスト講師として参加された、師走の翁先生の講義内容を抜粋した動画です。ひら☆マンのゲスト講師の授業は、基本的には受講生のみがアクセスできるようになっていますので、今回のように授業が動画として公開されるのは貴重な機会と言えるでしょう。

さて、肝心の授業内容をご説明します。

この回の授業テーマは「マンガの『画面』を作るには」でした。マンガの「画面」とは、端的に言えば、セリフやキャラや背景が描かれたコマのことですね。授業のなかで、師走の翁先生は次のようなシチュエーションをマンガの「画面」に落とし込むやり方を何パターンも説明してくれます。

大事なのは、「マンガの画面をつくためには、読者にどのような情報を伝えるかを作者が意識してコントロールする必要がある」ということでしょう。

そして授業内で扱われているシチュエーションは、次のセリフが示す状況です。

「ここは俺に任せて2人は先に行け!!」
「えっ?!」

さて、このセリフからマンガの「画面」をつくるとどうなるでしょうか?師走の翁先生の実例をいくつか見てみましょう。
各実例でパーセント表示で書かれているのは「作者が伝えたい意図」の割合です。

「主人公が覚悟を固めたという意思 60%」の作例
「女の子の戸惑い 70%」の作例
「こいつ死ぬ気だ… 30%」「エモさ 60%」の作例

いかがでしょうか。一見してわかるのは、同じセリフを使ったとしても、カメラの位置や人物の表情、背景の入れ方などによって、その「画面」で作者が伝えようとしている意図、あるいは読者が受けとる情報や印象がまったく変わってくる、ということですね。

つまり、読者に対してどんな情報を伝える「画面」をつくるべきかを、作者はきちんと自分でコントロールする必要があるということです。

そしてそれができるようになるための課題こそが、「ネーム模写」である……ということが、この回の授業での重要ポイントでした。

また、上記の作例以外にも、次のような効果をもった「画面」をつくることだって可能であり、またそれは習得可能な技術でもあるのです。

「スタンド攻撃を受けている 40%」の作例

さてさて。
駆け足で授業動画を説明していきましたが、動画の後半では受講生からの質疑応答もあり、師走の翁先生による名回答がいくつも出ていますのでそちらも必見です。

最後に、私が個人的にとても感銘を受けた、授業内での師走の翁先生の言葉を紹介して終わろうと思います。

「練習と稽古はちがう」
「模写は、覚えるためではなく『くわしく見る』ためにやる」

私は小説を書いたり批評を書いたりする人ですが、このふたつの言葉はマンガ表現に限らず、文章表現を鍛える際にも非常に有用な言葉だと感じました(おそらく他の創作表現や、あるいは一般的な仕事においても適用できると思います)。

このふたつの言葉の真意は、ぜひ動画内で確認してみてください。あなたが創作表現を上手くなろうとしている方なら、きっと役に立つ言葉になるはずです。

それでは今日はこのあたりで。
またあした、ゲンロンの楽屋でお会いしましょう。(遠野よあけ)

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