小説:十五歳の夏、僕は旅に出た

第一話:出発

※読みやすさを重視して、中学生ぐらいにも読解できるレベルで書こうと思っています。ほぼノンフィクションですので、ライトノベルというよりは児童文学作品的になるかなと考えています。

十五歳の春、僕は中学を出てから普通に進学しなかった。
地元では悪名で有名であったし、地元から逃げたいとずっと思っていた。
そんな時、両親がいずれは海外に逃げて移り住みたいという要望から、
「留学に行っとく?」
という言葉に二つ返事でOKして、学生ビザやら留学準備やらで、普通に高校に行っていない自分は暇を持て余すことになった。

「じゃあ一人慣れでもしてくれば」の父親の一言で、自転車で旅に出ることにした。

出発地は神奈川県の湘南は葉山から、目的地は陸続きだからいけるだろうという理由で鹿児島県鹿児島市まで。祖父の出身地であるという鹿児島には一度は行ってみたかったし、「北の国から」が流行っていたせいで北に旅するのが流行っていたので、あえて南に向かうことにした。

正直に言って、旅に出るとき一番興奮していたのは父親であった。
自らの経験から自転車の整備と直し方、パンク修理の仕方を教えて、テントや寝袋などの装備を一通り見せて揃えた。

兄たちは、どうせ無理だろう、京都ぐらいまでがせいぜい良いところ、とせせら笑っていた。

持っていく地図は、中学の時の地図帳。
主要な国道が載っているし、全国の地図なので問題ない。
細かな地図は途中途中人に聞いたり、本屋に入れば大丈夫だ。

出発日は今でも覚えてる。
2004年の6月4日
僕は、旅に出た。

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