中国古典 戦国時代 「石鼓文」 篆書
7世紀の初唐時代に、陝西(せんせい)省天興県の田野で直径60〜70センチ、高さ90センチの太鼓形の石が十個発見されました。これらの石面に古代の文字が刻まれており、その文字を石鼓文と呼びます。
石鼓文は、金文と小篆の中間的な存在であり、700字以上の文字が彫られていましたが、石面の損傷により現在では272字まで減っています。
石鼓文の制作時代については諸説ありますが、この堅い石に文字を彫るには鉄工具が必要であったことから、BC374年説他、BC5〜4世紀ごろと言われています。
石鼓文には、四字を基調とする韻文が記されており、狩猟の楽しさや自然への祈りなどが述べられています。
甲骨文が金文となり、そして石鼓文から泰山刻石の小篆へと移行していく過程がわかります。
【釈文】
君子員猟。々々員斿。麀鹿速々。君子之求。々角弓。々茲弓寺。敺其特。其來 々。々 々。卽 卽時。
【口語文】
君子はここに狩をし、ここに狩をし ここに遊ぶ。め鹿はすばしこいが、君子の求める獲物。赤黄色の角弓、弓はここにしっかり持った。私が特(三歳の獣)を駆りだすと、走ってくる せかせかと。ぴょんぴょんと ぞくぞくと、私の方へ こちらの方へ。
※この作品(臨書)と資料は、2021ー2022に行った臨書展で使用したものです。
・玄妙個展2021「古典漫遊〜文字の変遷をたどる〜中国編」
・玄妙個展2022「古典漫遊 中国書法から日本の書まで文字の変遷をたどる」
・玄妙個展2023「古典漫遊 中国書法から日本の書まで文字の変遷をたどる」