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黄土高原に生きた人々の歴史物語 by 村松弘一

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書き手:村松弘一(GEN世話人)黄土高原をはじめて訪れて30年、その魅力に“ハマった”歴史学者です。 古代から現代まで行ったり来たり、黄土高原の環境と人々の歴史を気ままに語ります。
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#遺跡

統万城遺跡と緑化活動~過去と対話し、未来の緑を想像する by 村松弘一(GEN世話人)

======================  黄土高原に白い城壁の残る「統万城」と呼ばれる1500年前の都市遺跡があります。匈奴の民がこの都市を築いた時、そこが沙漠だったのか、草原だったのか、森林だったのか議論はつきません。そして、ここにもGENと同じように緑化に取り組んだ人々がいました。 ======================  黄土高原の西北辺、陝西省北部に無定河が流れている(地図参照)。 「無定河」という名称は定まっていない河の意味で、河の流れが激しくて河道が

黄土高原で発見された巨大都市・石峁遺跡~「リモート現地調査」の試み by 村松弘一(GEN世話人)

====================== 2011年黄土高原で石峁遺跡とよばれる古代の巨大都市が発見されました。ぜひ一度は訪れてみたいと思っていましたが、突然のコロナ禍。そんななか試みたのが、ネットを使った「リモート現地調査」という方法でした。 ======================  コロナ禍に入ってから、残念ながら中国大陸へ行くことができていません。最後に中国大陸に行ったのは2019年8月、洛陽・西安への海外ゼミ合宿でしたから、すでに3年半の時間が経とうとしてい