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黄土高原史話 by 谷口義介

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書き手:谷口義介(GEN会員) 研究分野は東アジア古代史・日中比較文化。寄る年波、海外のフィールドはきつくなり、いまは滋賀の田舎町で里山保全の活動。会報に「史話」100回のあと、…
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2024年7月の記事一覧

黄土高原史話<53>父帝暗殺の後をうけby 谷口義介

 今春のワーキング・ツアーは、参加申し込みの出足が悪いとか。そんなわけで筆者にも、「久しぶりに、いかが?」と声がかかったが、3 月末をもって定年退職、ヒマができると思いきや、2つの大学で非勤。新学期早々に休講はまずい。おりしも本シリーズの正念場、北魏時代の大同の遺跡をめぐってみたいところだが。特に陵墓はまだ見てないし。  さて、北魏の初代道武帝は即位まえの398 年、それまであった新平城に本拠を移し、大規模な都づくりに着手する。プラン的には三つの区域よりなっていて、まず北側