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もしもの世界で Part.1

=LOVEもとい、イコノイジョイには様々な「神曲」がある。
”元”アイドルのプロデューサー、指原莉乃が書くその歌詞の世界観は、
時に聞き手を主人公にする。

今回は、=LOVEの”だからとて”についてだ。
他の記事でも散々書かれてきたテーマで、
正直何番煎じなのか。
という話である。

おそらく、広義の解釈はほぼ皆一致しているだろう。

正にオタクの人生観そのものが色濃く生々しく描かれたこの曲を
主人公の視点の新たな物語として描いていきたい。


交わらない世界

この歌の最も重要な箇所は、
タイトルが回収される終盤にある。

君に会って 伝えたいよ
だからとて交わらない世界の君と僕
明日も生きたら
いつか会えるかも
希望よ 願いよ 届け

=LOVE”だからとて”

幸いにも、
僕ら”アイドル”オタクには推しに会って伝える機会がある。

ミーグリ(お話し会)や個別撮影会等、
面と向かって愛を伝える機会は幸運にも存在している。

しかし、こう考えると面白いのではないか。

主人公はこの世界線の人ではない。」

急に某空想科学ADVのようなことを書いが、
時には変わった切り口から紡いでいくのもまた、一興だろう。

β世界線の君へ

ここでは別の世界線について、「β世界線」とし、
主人公は仮に、「野口くん」と呼称することにする。
(どこかで見た苗字なのはご愛嬌)

野口くんの世界ではきっと、
まだ対面でのイベントを行うのは難しいのだろう。

先のパンデミックは、彼の世界線ではまだ収束していないようだ。

彼の推しとの出会いは、
緊急事態宣言下、ふとした時に見たアイドルのMVだった。
もともとそのアイドルは名前くらいは聞いたことがあったし、
有名な曲も何回か聴いたことがあるくらい。

大学生の彼にとって、
同年代の彼女たちが頑張っている姿はきっと、
輝いて見えたに違いない。
その曲を聴いた日を境に、
彼の日々は彩られていく。

2年生からずっとオンラインの授業。
友人とも会えず、毎日が空虚だった彼にとって、
この出会いはどれだけ大切なものになったか。
言うまでもないだろう。

スマホの待ち受けの君は、
今日も笑っている。
きっと明日も、明後日も。
変わらずそこに存在している。

リアルの君はいまどうしてるんだろう。
何をしているのか、
笑っているのだろうか。

一度でいい。
会って話したい。
全て知りたいんだ。

そんなエゴ、こんな世の中じゃ叶わないのに。

頭の中はずっと君だらけになってしまった。
きっと、君のファンの皆もそうなんだろうな。

どうか君が見ている空と、
僕の見ている空が同じだといいな。

僕の孤独を埋めてくれた。
頑張る理由をくれた。

きっと神様はこんな小言、
見向きもしないんだろうな。





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