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小説の感想をDMで送りつけたら、作家さんから返事をもらえた話


経緯

自分は、読んだ本の感想を、読書メーターというWEBサービスに投稿する習慣がある。感想を読書メーターに投稿すると、その感想が自動でTwitterにも投稿されるように設定している。

先日、その方法でTwitterにとある文庫本の小説の感想を投稿したら、作者さん本人のアカウントが、自分の感想ツイートに「いいね」をつけて下さった。

作者さん本人からのリアクションがあるとは思っていなくて、でもそれが嬉しくて、調子に乗ってその作者さんにDMを送ることにした。小説を読んだ感想を1000文字くらいで送りつけたら、作家さんが同じくらいの文量で返事をしてくださった。そのあと、せいぜいDM2~3往復だけれど、作品について色々お聞きすることができた。最後には、次回作の構想についても少し教えて頂いた。

短いやり取りながら、色々と考えるところがあったので、ここからは作家さんと話したことで、気づいたことや考えたことを書いてみる。

作家さんと話して、気づいたこと考えたこと

熱心なファンになる

長文の感想を書くくらいだから、自分はもともとその小説がかなり好きだったし、作家さんのファンだった。それが、作家さんとじかに話せたことで、ただのファンから熱心なファンに変貌した。読者と直接話してくださるというのは、ファンサービスとしてはこれ以上のものはないと思う。次回作の構想を聞いたことで、次回作を買わないという選択肢は消えてなくなった。

小説をより深く知れた

作家さんがその小説に込めた熱量や、執筆時の実感を聞くことができた。人の心を動かすのは、熱量と実感だと思う。

あとは、小説執筆の裏話も聞けた。

たとえば「この小説は、〇〇という古典文学に着想を得て、自分の実体験やら何やら色々詰め込んで作った作品です」なんて話。その古典文学は、秒で買いに行った。読んでみると「この古典のこの部分が、確かにあの小説に活かされている!」なんてことに気づいて、にやりとする。

あとは「作品のテーマは〇〇ですが、そのテーマは伝わる人にだけ伝わればいいと思っていました。仮にテーマが伝わらなくても、単なる娯楽小説として読むに耐える作品にするつもりで書きました」なんて話。作家さんが本当に伝えたい核となる部分と、小説を読みやすく、手にとってもらいやすくするエンタメ部分を両立させようとしていることが伝わってきた。

インターネットがコミュニケーションのコストを下げている

インターネットがなかったら、こんなことはできなかっただろう。ネットなしに作家さん本人とコミュニケーションをとる方法はあまり思いつかない。サイン会に行くとか、出版社に感想の手紙を送るくらいだろうか。前者は作家さんと話せる時間がかなり限られるだろうし、後者は一方通行のコミュニケーションになるだろう。

インターネットを使ったコミュニケーションは、時間や空間の制限が少なく、双方向のものが作りやすい。そうでないものもたくさんあるけれど。インターネットのすべてを礼賛することはできないが、お互いが好きな時間に読んで、好きな時間に返事できること(非同期型コミュニケーションと呼ぶらしい)を行える点は、インターネットの大きなメリットだと感じる。

twitterの理想的な使い方

本来、ツイッターってこういう交流を生み出すためにあるんじゃないかと思う。自分はツイッターの専門家でもヘビーユーザーでもないから、これは素人の意見にすぎないけれど、少なくとも議論のすえに罵倒をしあったり、炎上騒ぎを作るのはあるべき姿じゃないと感じる。

余談になってしまうけれど、言葉を尽くしても建設的な議論をすることって難しいのに、140文字でそれをやろうとするのが、どだい無茶なんだと思う。

補足

もちろん、ツイッターであらゆる作家さんと交流できるわけではない。今回も、たまたま自分の感想が作家さんの目にとまって、作家さんの手が空いていたので相手してもらえただけだと思う。DMの返事までいただけたのは、単にタイミングがよくて幸運だったからだろう。

それでも、作家さんと話すことはめちゃくちゃ楽しいし、たとえ返事がなくても、感想を書いて送るだけでも、自分がその作品に対して感じたことが言語化されるので良いことだと思う。まぁあまり粘着すると作家さんの負担になってしまうので、新刊が出たタイミングとか、折り目折り目でまた感想を送ってみたい。

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