While there is life there is hope.

 反響する。僕の声が。
 静かな狭い部屋の中で、声を出してみた。
 物ひとつないこの部屋に僕の声が哀しげに反響した。
 窓ひとつない暗闇で、僕の声だけが存在しているような感覚。
 どれだけの時間が経ったかもわからない、静寂の世界。
 何も変わらない、何もない世界。
 いつかこの部屋から出られた時、外の世界はどうなっているのだろう?
 ずっと外の世界と遮断されたこの世界、この部屋は、只々僕の想像を殺し続けるだけだ。
 身体の感覚が鈍くなっている。うまく声も出せなくなってきている。
 考える事も辞め始めている。
 生きる事も諦め始めている……否、生きる事を考えた事がなかったというのが本音なのかもしれない。

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960字
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