何が最初に終わるのか

 僕が終わるのか
 音楽が終わるのか
 世界が終わるのか

 いつだっただろうか。そんな事ばかり考えていた日々が続いていた事があった。

 死にたい訳じゃないけれど、生きたい訳でもない。そんなぼんやりとした感覚を感じる事は生きていて当然と言うか……僕としては特別な感情にも思えなかった。
 陽が落ちて夜が来るように、日常の片隅にそんな時間があるように思える。
 ぼんやりとしながらそんな気持ちの中何度も考えたけれど、答えは出なかった。
 僕が最初に終わっても、音楽が最初に終わっても、世界が最初に終わっても、結局は後悔とか……そういうのじゃなくて、言葉にし難い感情だけが残るんだろうな、と。

 命がなくなって考えられなくなるとか、そういう話ではなくてね。
 なんだかとても悲しいような、寂しいような。
 良くわからないけれど。

 でも、あの日、僕は

 「忘れてくれ」

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949字
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