死にたがりが生きたがって何が悪い

 ずっとずっと僕は死にたかった。
 いつからだったのかは良く覚えていないし、何なら死にたかったあの頃の " 日常 " の記憶はとても曖昧だ。
 毎日がふわふわしていたし、毎日が自暴自棄だったようにも思える。
 生きているような、死んでいるような、どちらでもないような。
 だからこそ、毎日僕は死にたかったのかもしれない。
 そうではないかもしれないけれど。
 死にたかった気持ちも、死にたがりな動機も、思い返そうと、思い出そうと、頭の中を潜っていくけれど、最後の最後見えない壁のようなものに記憶の掘削を制止される。

 きっと思い返してはいけない記憶なのだろう。
 もしかしたら思い返したり、思い出すのではなく、新たな " 理由わけ " を探せという事なのかもしれないけれど。

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853字
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