燦燦、宙を舞う過去の異形

 この捻じ曲がった頁を捲る度、僕は今日もあの日あの時あの場所へすぐに戻る事ができる。
 あの日あの時あの場所で、感情は無様に散り散りになるけれど、僕は僕との再会の末に新たな字幕を加筆していくのだ。
 歪な程に愛して欲しいと、歪な声で僕は僕に、そして君へ伝えるのだ。嗚咽の果てに新たな再生をと。

 奇天烈に踊り狂い、息が世界に溢れ出して肺が萎んでいく。
 辺りを照らすライトはないけれど、僕の眼光だけが今の時間を照らしますようにと願いを込めて。
 あの日の夜に、赤い刺繍で胸を刺し、揺れた瞳は夢の帷。変わらぬ依存を夢と呼ぶなら、僕は常に夢の中で泳ぎ続けて、結果溺れてしまったとしても。

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932字
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