目に見えている世界が現実

 目に見えている世界が現実……そんな事はわかっているよ。
 でもそれが現実だと割り切るには、なんだかとても残酷だと思う日があったりもするんだよ。
 息を吸って吐き出して、こうして生きている今現在。目を開いて見るこの景色。別に不満がある訳ではない、空が青く敷き詰められた晴れた日。
 でも、この現実が何だか意地悪だな……なんて思う日だってあるんだよ。
 目を閉じた時、暗闇で蠢く光を追ってみたり。頭の中で繰り広げられる物語に浸ってみたり。
 そんな時間を愛したって良いじゃないか。それは勝手だと思うけれど。
 そこにいる自分の方を好いている事の方が多いのだから。
 だから私は、今日も目を閉じて、ありもしない場所で現実を描き出す。
 私だけの世界を。それを " 逃げている " と思われても。

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