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リミックスポイント2022年3月期決算補足説明

 小田玄紀です
 
 先ほど開示をした2022年3月期決算について補足説明をさせて頂きます。

 まず、リミックスポイントのことを知らない方もまだまだいると思いますので、改めてのご紹介になりますが、リミックスポイントは小売電力事業を中心としたエネルギー事業そしてビットポイントを中心とした金融関連事業を中心とした事業を営んでいます。

 これら、一見すると関係が無いように見えますが、規制緩和や法律改正など社会が変化するタイミングで生じる課題を事業を通して解決するというところで繋がっています。

 これまで、電気事業法の改正を受けて小売電力事業をはじめたり、資金決済法の改正を受けて暗号資産交換業をはじめたりしています。

 2022年3月期の業績ですが、連結売上287億円、連結営業利益82億円という結果になりました。ビットポイントだけでなく、エネルギー事業も1月5日に開示をした業績予想をさらに超える結果となりました。


 こちらの資料にある通り

  連結売上高  287.5億円(前年同期比+155.4億円)
  連結営業利益 82.0億円(前年同期比+110億円)

 という結果になりました。


それぞれ増加原因の内訳は上記の通りとなります。

また、2022年3月期は全ての四半期において収益を計上することが出来ました。

なお、昨日開示をした通りにこの度リミックスポイントグループではSBIグループと包括的な資本業務提携を締結しました。2022年3月期の業績および今回の資本業務提携を受けて、これまで多くの支援をして頂いた株主の皆様にも還元をさせて頂きたいと考えています。

 こちらに記載の通り、2022年6月28日開催予定の定時株主総会において「資本準備金の額の減少の件」の承認可決を前提として、上限20億円の自己株式取得、そして、2023年3月期末に1株2円の配当を実施していきたいと考えております。本来は、配当はこの2022年3月期の決算をもっての実施を検討したのですが、繰越欠損金が残っていることからこれを見送らせて頂き、2023年3月期末よりの配当とさせて頂くこととなりました。

 2022年3月期の当社グループの業績があるのは、厳しいご批判を頂きながらもワラント等により株主の皆様から資金繰りを支えて頂いたことがあり、今のリミックスポイントがあります。

 業績が安定し、また、業務提携も実現できた中、今後はしっかりと株主還元も強化していくべきとの考えから、今回自己株式の取得と2023年3月期末の配当を決議いたしました。

 なお、2023年3月期の業績予想ですが、これは非開示とさせて頂くこととしました。2022年3月期には業績予想を数年振りに開示させて頂きましたが、当社が展開をするエネルギー市場や暗号資産市場は市場の影響を大きく受けます。また、今回SBIグループとの資本業務提携により大きくビットポイントの収益にも影響が生じてくると考えています。

 このため、2023年3月期の業績予想について合理的な算定をすることが困難であるため、業績予想の開示については見送らせて頂くこととなりました。

 業績予想の開示はしないといっても、もちろんこれまで以上に結果にこだわって経営をしていきます。

 さて、それぞれの事業について見ていきたいと思います。まず、電力事業ですが、こちらはこれまで多くの問い合わせを受けてきたのですが当社の電力事業の高圧・低圧需要家の売上内訳を開示しました。見て頂いて分かる通り、高圧が80%程度を占めています。高圧というのは法人需要家のことであり、工場・病院・スーパーなどの事業者になります。低圧は一般家庭やオフィスなどになります。

 低圧需要家は市場に本格参入をしてから順調に増えています。電源価格が不安定なこともあり、現在は一時的に低圧需要家向けプランの新規申込を停止していますが、今後電源確保が見えた時点で再度獲得を実施していきます。

 高圧需要家については昨年10月頃より一部の需要家には他社への切替を依頼してきました。最近では「電力難民」と言われており、他社への切替が出来ない需要家が多くなっているようですが、当社の場合は早期に切替依頼をしたためにほとんどの需要家が切替が実現できたことを嬉しく思います。

 この需要家切替を依頼した理由は大きく2つあります。1つめが昨今の電力価格高騰の影響を受け、当社としても電源確保が出来た量に応じて需要量を調整する必要があったこと。そして、もう1つの要因は今後発生をする容量市場に対応していくためです。

 容量市場についての説明は詳細は割愛させて頂きますが、需要家の電力使用量について昼間時間帯と夜間時間帯の使用量をなるべく同量にしていき、長方形に近い形に需要量をコントロールしていくことで、今後発生していく容量拠出金を減らしていくことができ、また、こうした対応をしていくことで調達していく電源コストを抑えていくことも出来ます。

 リミックスでんきではこうした数年後を見据えた対応も実はしっかりと出来ています。中長期的な視点、そして、短期的な電力価格高騰のヘッジの両方が出来たために、2022年3月期においてもしっかりと収益を出すことが出来ました。

 なお、こちらに記載の通りJEPX(卸電力市場)の価格は2021年9月以降大幅に高騰をしてきましたが、リミックスでんきは相対電源の調達に加えて、電力先物を活用してヘッジを行ったことで収益を確保することが出来ました。

 また、多くの方が今後どうなっていくのか?ということも気にしていると思います。当社としては電力価格については今後当面の間は戻らないという前提になって経営をしています。そのため、既に2023年3月期において必要とされる電力について、年間必要電源の80~90%を現時点で調達しています。

 今後も引き続き相対電源の確保および電力先物を活用したヘッジを行い、しっかりと収益を確保して参ります。

 なお、リミックスポイントとしては今後電源開発にも力を入れていきます。小水力から水上太陽光発電、風力発電やバイオマスなど再エネ電源を中心として開発をしていきます。

 そして、これはまさに昨日発表をしたSBIグループとの提携により再エネ電源の開発を加速させていくことが可能になります。これまでは資金的な理由で電源開発までは踏み込めませんでしたが、今後はSBIグループの力を借りながら、再エネ電源開発に力を入れていきます。

 また、こちらにも記載があるのですが再エネに関しては今後PPA事業を展開していきます。PPAは太陽光発電設備等の初期費用をPPA事業者が負担する代わりに長期の電力販売契約を需要家と締結する仕組みです。今回、SBIグループとの提携によりSBIの提携銀行や提携地域金融機関から需要家開拓支援やファイナンスを実施して頂くことで、需要家にとっても安定的な価格で再エネ電源を調達することが出来、当社としても長期間で安定的な収益を確保することが可能になり、金融機関としても新しいローンの実現が出来るという関係者の全員にとってWin-Win-Winなプランになります。

 さて、次にビットポイントです。

 昨年10月以降は暗号資産市場は非常に凪相場であり、多くの企業が収益確保に苦戦をした時期でした。そのような中ではありましたが、ビットポイントは大きく健闘し、特にこの第3四半期期間と第4四半期期間では業界トップの収益を実現させることが出来ました。

 なお、ここで注目して頂きたいのが2020年8月から新システムが稼働したのですが、その稼働を受けて2021年第3四半期以降は安定的に収益が計上出来ているという点です。多くの人がまだ誤解をしているのが「ビットポイントは日本初暗号資産を取扱ったから収益が上がった」という誤解をしています。

 それは1つの要因ですが、本質的な要因は取引システムが適切なものかどうかということだと考えています。しっかりと収益が計上でき、UI/UXも一定水準のシステムが構築できるかどうかというのが何よりも暗号資産交換業においては重要な要素だと考えています。

 また、もう1つの要素としてビットポイントは適切なコストコントロールが出来ているという点です。広告宣伝費や販売促進費など一時的な費用を除外した場合に月間の通常固定費用は1.2億円程度となります。これは当社が選択と集中をしており、収益計上できる領域に特化しているためにコストを最小化出来ているというところから実現出来ています。



 口座数についても順調に増加をしています。ただ、まだまだこれから改善出来る点はありますので、今後口座数にもこだわっていきます。

 その意味では、昨日開示をしたSBIグループとの提携は非常に大きな意味を持つと考えています。現在はビットポイントの口座数は20万強ですが、これをSBIグループとのクロスセル等により会員数が増えることで、そのまま収益に強い相関関係が出てきます。

 なお、口座数も大事ですがアクティブユーザー数も重要です。この第4四半期でも多くのアクティブユーザーを確保することが出来ました。特に販売所のアクティブユーザーを一定数確保することが出来たことが大きく収益に繋がったと考えています。

 なお、ここでも昨日開示のSBIグループとの提携が活きてきます。現状ではビットポイントの収益は販売所収益が大半になります。しかし、今後B2C2との提携により流動性が強化されることで、より狭いスプレッドで顧客に価格を提供していくことが可能になります。このことにより取引所収益の増加が期待されます。

 以上をまとめたのがこちらのページになります。

①新システムが稼働して、安定的に収益を確保することが出来たこと
②販売所のアクティブユーザーを増やすことが出来たこと
③選択と集中により経営資源を特化して固定費用をコントロールできたこと
④日本初暗号資産を複数上場したこと

 これらの4つの要素が上手くはまったことが今回の業績に繋がったと考えています。これらは一朝一夕に出来るものではなく、しっかりとした経営管理態勢を構築し、適切なガバナンスも必要になってきます。その結果としての収益であったということをご理解いただければ幸いです。


 また、昨年より実施をしたBIGBOSS新庄剛志さんのCMも非常に大きな反響を頂きました。CMを実施したことでビットポイントの認知度は大きくあがり、47.4%の方にビットポイントの認知を頂くことが出来ました。また、CM好感度についても第一位を獲得することが出来ました。

 なお、こちらはビットポイントで現時点で上場している暗号資産の一覧です。現在は13の暗号資産を上場していますが、今後も日本で人気な暗号資産そして可能性のある暗号資産を積極的に取扱っていきます。

 また、SBIグループとの提携の1つに新規暗号資産の取扱いについても含まれています。SBIグループがこれまで世界中で投資をしてきたプロジェクトの中から、将来性の高いCryptoプロジェクトを上場させることを含めて今後動いていきます。

 また、リミックスポイントではCrypto系の投資をこれまでも積極的に展開してきました。
 Gumi CryptosやBCryptosそしてニューヨークに拠点を置くBlocktowerなど世界を代表するCrypto Fundに出資をしてきました。それぞれのFundを通じて、世界を代表するCryptoプロジェクトやWEB3.0プロジェクトに対して出資を実現してきました。

 この2022年3月期はそれらの投資の一部が回収することが出来、合計で4.5億円を収益計上しました。今後、これらのFundの収益については追加で回収が実現出来る見込みもあり、回収した時点で収益計上をしていく予定です。

 また、今後はSBIグループと共にメタバース系のファンドも組成していく予定ですので、さらに投資については強化をしていきます。

 なお、レジリエンス事業としては太陽光パネル、蓄電池、リミックスでんきを組み合わせた電力需給サービスを展開していくことも考えています。

 感染症対策においても、まだまだ引き続き感染対策は求められており、特に経済活動と感染対策の両立がこれからはより求められてきます。当社が取扱うMA-T商品についてはこれからも業務用でのカスタマイズも含めて展開をしていきます。

 以上が2022年3月期決算の主な補足説明となります。これまで、色々な課題がありましたが、多くの方の支えがあったことで乗り越えていくことになりました。

 再生フェーズは終わりましたので、次は飛躍・成長フェーズです。特にここ数年間は株主の皆様の支えがあったからこそ事業を継続することが出来ました。再生まで一定の時間がかかったために途中下車を余儀なくされた方もいらっしゃったことは大変申し訳ないと考えています。改めて、多くの方からの支えに対しては報いていきたいという思いから、業績を回復させ、提携も実現してきましたが、それだけでは足りないということを常に意識しながら取り組んできました。今回、自己株式取得や2023年3月期からの配当について開示することが出来たことを嬉しく思います。

 これからも多くの人と一緒に企業価値を向上させ、また、リミックスポイントに関わる多くの人が幸せになるように1つ1つ取組みをしていきたいと考えています。

 みんなと、あしたを、もっと、あたらしく。

 これからのリミックスポイントの取組みにご期待ください。

 2022年5月13日 小田玄紀


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