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生薬百選22 センブリ(当薬)

とても苦いことから「当(まさ)に薬たるべし」として「当薬」の生薬名がついたとも言われますが、センブリの名前のほうがご存知の方も多いと思います。また、センブリの名は湯に浸して千回振り出してもまだ苦いところからつけられたとも言われています。
リンドウ科のセンブリ Swertia japonica Makino の根を含む全草を乾燥した生薬です。暗緑色をした草丈20cmほどの茎の先に、秋になると白色の小さな可憐な花を咲かせます。これまで困難と言われていましたが、近年栽培が可能になったようです。(写真:可憐な花を咲かせるセンブリ)

センブリ(当薬)は漢方処方には用いられませんが、古くから苦味健胃薬として用いられてきた民間薬の代表的なものの1つです。乾燥した全草を粉末にして耳かき一杯程度を内服するか、乾燥したセンブリ1〜2本をそのまま湯飲みに入れて熱湯を注いで服用します。また、センブリには、頭皮に塗ると、毛根を刺激し発毛効果もあると言われています。
当研究所の日当たりの良い土手にも自生しており、秋には可憐な花が楽しめます。飲み会の翌日など,お腹の調子が良くないときには葉を取ってその苦味の刺激で癒しています。

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