外来種の話
よく、誰かが飼ってた外来種が脱走して、そこいらの生態系を壊すなんて話を聞きます。
飼い主の勝手な都合で飼育を放棄するなんてのは論外ですが、そもそも天敵のいないタイプの外来種を飼う場合には、絶対に脱走されないように管理すべきと思います。
その問題はそれとして、天敵のいない外来種が環境になぜ悪影響だとされているのか、ふと疑問に思いました。
天敵のいない外来種が生態系を壊すことが害だとされる理由は、生物の多様性を損うためです。
では生物の多様性はなぜ重要なのか、それは以前の記事で解説しました。
それそのものは理解してはいるのですが、生物の多様性というよりも、結局は人間にとって都合が良いか悪いかで生態系保全を優先させているように思えてしまうのです。
ここ数年僕は、ありのままを受け入れる、何がどう転んで禍福が決まるか分からないといった考え方をするようになりました。
その考え方に基づくと、外来種によって滅ぼされる生物種は、所詮それまでだったというような無常感にたどり着きます。
そもそも、絶滅は本人達にとって不幸かどうかは分からないと思います。
苦しみ、悔しがりながら死んでいったとしても、その絶滅の先に、外来種が食糧を食い尽くして結局は餓死する未来もあるかもしれません。
つまり死ぬことが反撃に転じる可能性もあるわけです。
天敵がいないから無敵だヤッホイと、調子に乗っていた外来種も、食糧に絶滅されては生きていけません。
盛者必衰、諸行無常です。
自然界には、そういう力学が働くので、長い時間をかけて結局は全て土に還るように出来ているはずです。
その、長い時間というところに、人類にとっての不都合があるから、生物多様性を守りましょう、ってことになってるだけなのかもしれないと、ちょっとだけ思ったのでした。
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