多様性はなぜ重要なのか ~①生存戦略~

それは人類が生き残ってきた生存戦略だからです。


多様性がやたらと叫ばれる昨今ですが、政策なんかを見ると今一つピントの合っていないケースが結構あります。

例えば、LGBT施策ってどんなことやればいいのかよくわからんけどーーまぁとりあえず適当にレインボーカラー使っときゃいいんやろ? みたいなやつ。

LGBTの個別理解はいったん置いておいて、今回は多様性がなぜ重要かという根本部分をまず解説しましょう。


一つだけの選択肢に賭けない

世の中には、八百屋さんはあっても、レンコン屋さんやホウレン草屋さんなんてまず聞かないですよね。

また、花屋さんはあってもスミレ屋さんはないし、魚屋さんはあってもアジ屋さんなんかもまずありません。

それはなぜかというと、多様性が必要不可欠だからです。


例えばアジ屋さんをやっていたとして、アジが不漁だったら簡単に店は潰れてしまいます。

大自然を相手にすることですから、ある魚が獲れないなんてことは、しょっちゅうあって当たり前です。

実際、町の魚屋さんやスーパーでも、サンマが全然入荷しない年がありましたが、他の魚が並んでいればひとまずは商売になるわけです。

これは何も不漁だけの問題ではなくて、旬でも同じことが起こり得ますが、多様な魚を取り扱っていれば季節ごとの旬な魚で商売を持続させることができます。


また、スミレ"屋さん"とまでは言わずとも、スミレ"専門店"と言われると、何種類もの珍しいスミレや、種や花からスミレティーまで多様に揃っているイメージがしませんか?

つまり、一種類に頼らない、"一つだけの選択肢に賭けない"、これが多様性なのです。


それが人類の生存戦略と何が関係あるの?

人類が種として生き残るために重要だった要素がいくつかあって、その一つが多様性です。


いま人類は、常夏の熱帯雨林から極寒のツンドラまで、世界中の様々な気候に合わせて生活しています。

一方で、人類以外の生物はというと、熱帯にしか棲息しないヘビだとか、ホッキョクグマだとか、特定の気候にのみ適応した生物はざらにあります。

彼らの一部は、今まさに問題となっている地球温暖化で気候が変わってしまったせいで、絶滅の危機に瀕している種もあります。


人類は気候に対して多様性を持っていますから、少々の気候変動になら簡単に適応できるはずです。

もし想像を超える気候変動が起こっても、例えば地球上の平均気温が50℃になって、降り注ぐ紫外線量が今の1000倍になったとしても、肌の黒い人種はそれにも適応して生きていくことが出来るかもしれません。

もし、白人だけがこの環境変化に耐えられず絶滅してしまったとしても、これは人類という種を一つの組織として見た場合には、環境への適応に成功したと言えるでしょう。


それは、人類が多様性を持っていたおかげだと言えるのです。


まとめ

人類の持つ多様性は、人類という一つの種が生存していく上で非常に重要な要素の一つです。

しかし、どのような多様性がどこでどう必要とされるか、誰にも分かりません。

誰にも分からないからこそ、多様性を広く持って手札を増やして備えておくことが重要なのです。


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