ふと思い出す
こんにちは世界
あいにくの雪景色だよ、寒いね、参るね
いやなに、不意につぶやいた一言が面白かったから、書いておこうと思ってさ
鉛筆を無くしたんだ
探せば出てくるんだろうけど、部屋が散らかると失せ物が増えてね
「明日は何が消えるんだろう」
茶化すみたいに、呟いた
なんだかおかしくってさ、ネガティブな事象に対して、期待してるような言動した自分ってのが、状況とミスマッチで面白くって
その上、「明日は何が消えるんだろう」ってフレーズに、懐かしさみたいなのがあってさ。古い歌が、記憶の泥の中からひょっこり顔を出したんだ
「サイクリングリサイクル」って曲、知ってるかな。もう古くてね、20年近く昔になるんだけど
真っ赤なテレビを拾った 自転車に乗せて帰った
それは少しだけ暖かい夜だった
昨日はタンスを拾った 自転車に乗せて帰った
俺は明日は何を拾うのだろう
こんなサビから始まる歌。今は懐かしいケロロ軍曹のエンディング曲になった歌でもあるんだけど
家具の無い部屋に金もなく越してきて、サドルの無いボロ自転車に乗って、廃品の家具を集めて回るって歌で、不思議と惹き込まれるんだよね
金も家具も無い、でもギリギリ使える自転車はあるから、それ乗って、ひたすらこいで、家具集めて来ようぜって
俺には何も無い、どうすることもできないって投げ出すんじゃなくてさ、俯いてないで取り敢えず漕げ、走ったらなんとかなるかもしれないって飛び出して行くんだ
骨董品みたいなテレビを拾った、昨日は捨てられたタンスを拾った。明日は何を拾うのだろうって、その状況を逆に楽しんでるのが、妙に沁みるんだよね
平成の匂いがする
何にも無いだろうけど、頑張って走り続けたら、いつかどうにかなるからさって、どっかフラフラした平成の残り香が漂うそんな歌詞
手に職付けるってのが流行った、そんな時代の匂いがしっかり染み付いてて、平成も古い時代になっちゃったかって、そう思うよ
数十年後には、令和もそんなふうに振り返るんだろうねぇ。どんなふうに映るかな
あの時代は暗い歌詞しか無いって食傷気味に言うかな。今よりはまだ光があったよねって、そんな風にハイライトの失せた目で語ってるかもしれない。そりゃごめんだけど
酷い時代だったねと、笑って流せる日が、いつか来るといいね
湿っぽくなっちゃったけど、この辺で
またね
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