ドラクエ映画の感想

　Netflixをいつ解約しようかと思っていた所に追加されたドラクエ。
ディズニー・ピクサーから海外の幼児向け映画まで網羅したCGアニメ映画好きとしては見過ごせないとは思いつつも、実はこの作品、めちゃくちゃ酷評されている。
ドラクエをまともにやった事のない僕からしてみれば

「どうせドラクエ好きのおっさん達が思い出フィルターを外せずに観て酷評しているだけだろ」

どんな酷い映画だってここまで叩かれることはない。
ましてやドラクエなら尚更だ。
綺麗な思い出に沿った作品じゃなかったから叩くなんて、なんて悲しい人種なんだ……。

……そんな風に思っていてすみませんでした。

これは酷い。
酷いなんてもんじゃ無い。
ドラクエ好きじゃなかったことを心から良かったと思える、そんな作品。

※以下ネタバレ

この作品の酷い点、の前にまずは良い点を挙げていこう。
以下は全部個人的な感想だから、「そうなんだ」くらいのスタンスでいてね。

まずはなんと言っても音楽。
ドラクエの名曲（僕でも聴いたことがあるようなやつ）がふんだんに使われており、それぞれのシーンを盛り上げてくれる。
次に良かったのは映像。
流石白組、CG映像の美しさは他の追随を許さない。本当に綺麗だし、特にヒロイン達はめちゃくちゃ可愛かった。

良かった点は以上です。
悲しいネ。

次は酷かった点。
まずは声優。
まぁ日本アニメ映画あるあるだよね。
宣伝するために人気俳優を声優として使う。
これが全く合わない。
びっくりするくらい合わない。
本当にびっくりした。
合わなすぎて笑っちゃったよ、太郎。

次にストーリー。
まぁ長いストーリーだって言うから、これは仕方ないと思う。
端折られまくって背景の部分が薄くなっちゃってるから、主人公に感情移入できない。
声優の酷さも合わさって全く感情移入できない。
それでも太郎はチョロいからラストくらいに向けてそれなりに感動していったんだけどね。

そしてなんと言ってもコレ。
ラスト。
びっくりした。
ただでさえ声優の合わなさにびっくりしてたのに、なんだコレ？
逆にすげえよ。
「実はこれは夢でした〜」
とか、そんな生優しいもんじゃない。

「実はゲームの中でした〜」
まではまぁわかる。

「大人になれよ」

えぇ…………？

ラスボスが出ると思ったらゲームの中のウィルスが出てきて「大人になれよ」と諭される。
それに対して全く賛同できない謎論理でゴリ押ししてラスボスを倒して感動っぽい映像流して終了。
主人公に感情移入しようとしたら思いっきり引き剥がされた感じ。
「こんな映画観てないで大人になれよ」
って言われた気分。

残ったのは虚無。
本当に虚しい感情だけが残ってる。
伏線っぽいのもあったけど、もうそんなの気にならないくらい映画から引き剥がされたよ！

逆の意味で気になった方はNetflixで観れるので、ぜひ観てみてください。

CG映画の良作を観たい方はディズニー+でカーズ三部作を観てみてください。
「制作陣は本当にカーズを愛しているんだなぁ」って思える良作です。