見出し画像

『為に成るんだかならないんだか?』 その十八

「まず、愛さなければ伝わらない事・・」

・・・久々の白川先生の解釈。
「愛」

白川静『常用字解』
「後ろを顧みてたたずむ人の形である。胸のあたりに、心臓の形である心を加えた形。立ち去ろうとして後ろに心がひかれる人の姿であり、その心情を愛といい、‘いつくしむ’の意味となる。国語では‘かなし’とよみ、後ろの人に心を残す、心にかかることをいう」

なんとも素晴らしい解釈です。

愛・・と聞けば、とりわけ日本人の多くは単純に恋愛を連想して照れてしまう。
いえいえ!
愛とは上記のように、関わった人を慈しみ心を掛けるという。
異性だ・・恋だ・・好きだ・・嫌いだ・・とは大分違う。

生意気言えば、「人間愛」という事だと私は思っています。
人として、他の人と真剣にかかわっている以上その関係を保つ為に
不可欠な事が相手を思いやる「愛」ある態度だという事です。

親子も家族も、友人も職場も先祖も・・愛情もなく誰彼と付き合えない。
それなくしてうまくいくはずがない。

うわべだけ、自分の利の為だけ、今だけ、金の為だけ・・そういう関係は
愛なき関係です。悲しい関係です・・・

従って上手く付き合っているようでも、
いずれ破綻する可能性が高いのです。

愛情とは「後ろに心がひかれる人の姿」という事ですから
常に相手をおもんばかって相互関係を築く状態です。
そういう思考で、
人生の人間関係をきちんと整理してみると・・
見えてくるものが多いはずです。

勿論、自分が相手に対して
思いを、後ろの人に心を残す、心にかかる相手なのか?
と冷静に立ち止まって自分の「愛」に問うてみる。

「あー・・そんなに気にされていないし、気にしていないなあ?」と
いう人が意外に周りには多いのに驚きます。
「まあ、そんなもんでしょう!」という人もいますでしょう。
しかし、実はこの作業が、豊かな人生にとって意外と重要な選別なのです。

特に仕事に至っては顕著です。

「そう言われてみれば・・あの人(仲間・上司)
  いつも適当な、いい事しか言わないんだよなあ?
   何とかなる!っていうけど、具体的なアドバイス
 もらったことなかったっけなあ?」
といった具合に・・。

「私達親友だよね!って言うけど・・あの人
  自分のやりたいことは誘うけど
  こっちの意見は気乗りしない事多いんだよなあ?
  それに、私の事を知らない人にペラペラ話してるみたいだしなあ?
  それって、愛情?それとも・・・」

「んな事やってたら、疑心暗鬼になって人間不信になってしまうがな!」
と思った人・・・結構要注意かもしれませんよ・・。

生まれも育ちも違う人間社会は、
愛情抜きの関係が増えるほどに本音とウソが介入し、
息苦しい関係性に代わってゆく傾向にあります。

付き合う人の数を自慢する人がたまにいますが、
私はほとんどそういう人とは深い関係になれません。

そんなに誰彼構わず「愛情」を注げるとは思えないからです。
偽善やほかの動機を感じて仕方ないのです。
つまり、正直な人ではない可能性が高い。
あくまで経験上の私見ですが・・・結構当たってます。

どこかで無理をして、本音を隠して仮面関係や利害優先関係として
付き合うという事は、社会とはそういうもの・・という他愛のないざれ言を言い訳にして思考に蓋をしているにすぎません。

もしもそれが、真剣な愛ある関係なら・・
時に厳しい事も真剣に言う
時に過酷な道を共に歩む
時にわが事の如く涙し歓喜する
時にその相手の為なら自分を投げ出す覚悟がある

私はそう決めて生きています。
仕事上のお客様も
全く同じです。
言ったはずです、「でもお金頂いているんだから」は
相手の愛情で、当然、こちらも
「真剣に商品を提供した」のですから同等の「愛」なのです。
断じて「お客様は神様です!」は虚言、詭弁です。
商売ならなおさら相互関係です。どちらかが上位を言う
商売人は失格です!とだけ断言します

商売の「愛」については別の機会に、もっと詳しく話します・・・

従ってそんなに簡単に人付き合いは成立しません。
「まず、愛することができるのか?」
ノリや打算で人とは付き合いません。
そうでなければうまくいかないのです。
世間をよーく見れば、例題だらけではありませんか?

それなのに、
「なかなかうまく付き合えなくて・・・」
それは・・
お互い「愛情」をもっていないかどちらかが持っていないからでは?

この世に生まれてきた子に
ウェルカム!の愛情を注がない親はいない。
その子は無償の愛で泣き
偽りのない愛で私に微笑む。
これが根幹にあるからこそ、

「愛」なき関係は・・
人間関係ではないのです。
それが、
人間社会の様々な問題のほんの小さな・・
けれども如何ともしがたい最重要な要因だと思っています。

私はそんな世界を見ているからこそ
瞬間瞬間、自分を戒めて
まず、相手を愛する!と決めています。
花や音楽や自然の色さえも全く同じスタンスで・・・

ラブ&ピースとはよく言ったものですね!
袖すりあうも他生の縁・・
「愛」があれば縁は必然だからです・・・
生死も全く同じベクトルのはずです・・

少し、くどくなりますので
この辺で終わりにします
ありがとうございました!
最後まで読んでくださり感謝いたします!

今夏のイラストは
「ふうちゃん」さんの一枚。
「愛」
素敵です!
ありがとう!







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?