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大八車牽引責務!パイナップル番長よ!永遠に!

自分の名前は『岩丼 泰好(いわどん やすよし)』と申します。若いつもりで過ごしていましたら、いつの間にやら、もう47歳なんです。

子供の頃から南国諸島人の姿にクリソツで、この姿のせいで、みんなから『パイナップル番長』と呼ばれています。

しかし、こんなあだ名をつけたのは誰なんでしょう? もしかすると、サモアの神様かもしれません。

そんな自分は、毎日のように女子校の通学路へ全裸に腰蓑姿で出没しては、女子高生たちから石を投げられています。

それでも自分はめげずに頑張って生きております。

この国では、異性からのラレブレターまたはバレンタインに本命チョコをもらわないと小学校を卒業できない法律があります。

自分、これまで、ラブレターも本命チョコも貰ったことがなくて、この年でも小学校を卒業できません。

今では、小学42年生になってしまいました。

しかし、こんな自分を見捨てることなく、バイト先である運送会社の支店長さんや同僚たちは優しく接してくれています。

今日もまた、自分は自転車に乗って、仕事場に向かっています。

いつものように、パンチラが見れるのではと、キョロキョロしながら人の多い道を走っております。

でも、この国では、小学43年生以上になると、無駄な人生を送っている中年童貞違反として罰せられてしまい、ヤリマンを乗せた重い重い大八車を牽引する責務を与えられます。

新年度の4月までは残り4ヶ月、4月1日に自分は小学43年生に進級してしまいますので、それまでにラブレターを異性からもらえなければ、大八車の厳しい人生が待っています。

そう思うだけで、胸が張り裂けそうな気持ちになります。

パイナップル番長:「うわああああん! 誰か助けてくれえええ!」

思わず声が出てしまいました。

男性:「どうしたんだい?」

振り返ると、そこには、あきらかに童貞と思える中年男性がいたのです。

彼は、自分のことを見つめながら尋ねてきました。

男性:「君も、僕と同じくらいの中年童貞みたいだけど、やっぱり来年は大八車を引くのかい?」

パイナップル番長:「そっ……そうかもしれません。でも、女性からラブレターを貰うこと、まだ、あきらめていません・・・」

男性:「そうか、でも、中年童貞にラブレターをくれる女性なんて、実際のところ、いないんじゃないかな?」

パイナップル番長:「おっ……おっしゃる通りです。でも、ヤリマンを乗せた大八車を引くなんて、そんな人生辛すぎます・・」

男性:「だから、僕は、童貞を卒業しようとして、今まさに、いろんな女性に声をかているんだよ」

パイナップル番長:「すっすごいですね。自分は、恥ずかしくて、なかなかナンパとか出来ないですよ・・・」

男性:「ふっ、君はまだまだだね。女心を知らないようだ。いいかい? 女性はね、自分に自信のない男なんかには興味がないんだよ。自己紹介がまだだったね。僕は、『グレープ和尚』という小学42年生の中年童貞さ!、君の名は?」

パイナップル番長:「あっ、申し遅れました。自分は、『パイナップル番長』といいます。小学42年生の中年童貞です。よろしくお願いします。」

こうして、自分は、同じ学年の『グレープ和尚』と名乗る方と知り合いになった。

それからというもの、自分と『グレープ和尚』は、よく一緒にいるようになったのだ。

そして、2月14日の夜のことである。

グレープ和尚は、自分の部屋を訪ねてきた。彼は、手に何か持っていた。

グレープ和尚:「パイナップル番長!、僕、女性から本命チョコを貰ったんだ!、これで小学校を卒業できる!、先に卒業してしまうけど、パイナップル番長、気を悪くしないでくれよ。」

パイナップル番長:「えっ、そうなんですか!。自分は、まだ本命チョコを貰えるような女性とは出会えてません。羨ましいかぎりです。ところで、その手に持っている物が本命チョコなんですか?」

グレープ和尚:「見たいかい?、おしゃるとおり、これは、女の子からの『手作りチョコレート』だよ。実は、今日、この子から告白されてね。バレンタインデーに、僕のために『手作りチョコレート』を作ってきてくれたらしい。嬉しいよね~。それに、これで小学校を卒業できるんだ!」

パイナップル番長:「ほほう。それはよかったですね。自分は、今まで『手作りチョコレート』をもらったことないんですよ。よかったら、景気つけに、そのチョコを一口食べさせて貰えませんか?」

グレープ和尚:「ああ、もちろん構わないよ。はい、これ、女の子の『手作りチョコレート』なんだ。美味しいに違いないぞ!」

パイナップル番長は、そのチョコを食べてみた。パック、モグモグ

パイナップル番長:「うぎゃーーー!!!!!、辛い!辛い!、なんじゃこりゃー!!!」

グレープ和尚:「あれれ!?、そんなはずはないんだけどな。もう一度、食べてみてくれないか?」

パイナップル番長:「はっ、はい、わかりました。では、もう一口だけ……うぐぅ、なんじゃこりゃぁ~!!、ためしにグレープ和尚も食べて見なされ!」

グレープ和尚:「わかった。食べてみる。ぱくっ、うぎゃーーー!!!!!、辛い!辛い!、なんじゃこりゃー!!!」

二人は、チョコを食べた。

グレープ和尚:「うげぇ~!、なにこれ!、めちゃくちゃ辛いし、ゲロ不味だよ・・・」

パイナップル番長:「グレープ和尚殿、そのチョコをよく見てくだされ、中に、なんか紙みたいなのが入っていますよ!」

グレープ和尚は、チョコレートの中に入った紙を取り出すと、そこに書かれた文章を読み始めた。

グレープ和尚:「この紙には、『グレープ和尚、お前、キモいんだよ。中年オヤジのくせに小学生ってマジありえねー!』って書かれている!」

パイナップル番長:「そんな馬鹿な!、きっと、書いた文字が間違っているに違いありません。」

グレープ和尚:「いや、もういいんだ・・・、違うよ。だって、この手紙は、この子の筆跡だし・・・」

パイナップル番長:「じゃあ、これは本命チョコではなく、単なる嫌がらせだったのでしょうかね?」

グレープ和尚:「そうだね・・・(涙)。せっかく、大八車の役務から逃れられたと思ったのに、なんでこんなにモテないんだ(泣)!」

パイナップル番長:「自分もそう思います(泣)。」

こうして、二人は、お互いに励ましあいながら、小学校を卒業できない現実を受け止めることになったのであった。

だが、その後、グレープ和尚は音信不通になってしまった。

それから数日後のことだ。

バイト先の運送会社で支店長から呼び出された。

支店長:「パイナップル番長、君は、小学43年生になっても小学校を卒業できないそうだね。4月から大八車の荷引役になるんだろ?、それなら、このバイトは無理だから、今すぐ辞めてもらうしかないぞ。」

パイナップル番長:「そっ……そんな……。自分、小学43年生にならないように頑張りますので、なんとかしてください。」

支店長:「そう言われてもねぇ。もう、決まったことなのよ。まあ、最後まで頑張ってみるんだな。」

こうして、自分はバイトを辞めることになったのであった。

そうこうしているうちに、あっと言う間に新年度の4月が訪れてしまった。もちろん、小学校は卒業できなかった。

結局、自分は小学43年生になってしまった。

つまり、結局は、ヤリマンを乗せた重い重い大八車を牽引する羽目になってしまったのである。

パイナップル番長「ひい、ひい、このヤリマンは180㎏くらい体重がありそうだな。とてもじゃないが、自分一人では運べそうもない。誰かに応援に来てもらうことにしよう。」

そこで、自分は、運送会社の支店長に電話をかけることにした。

プルルルル、ガチャ!

支店長:「はい、もしもし、こちら運送会社の支店長だけど、何か用ですか?」

パイナップル番長:「実は、自分、大八車を牽引することになりまして、今から、ヤリマンを乗せた重い重い大八車を運ぼうと思っているんですが、一人では無理そうです。よろしかったら、引くのを手伝っていただけませんか?」

支店長:「なにー!!、それは、小学校43年以上の仕事なんだから、私は手伝えないよ。この国の法律で『小学43年生以上になると、その無駄な生き方が罰せられ、ヤリマンを乗せた大八車を引く奴隷として扱われる。これは、『中年童貞車』と呼ばれ、低炭素社会に貢献しながら、富裕層のヤリマンが移動手段に用いる高貴な乗り物とされる。』となっているからね。」

パイナップル番長:「そうなんですか・・・。ちなみに、小学43年生から卒業するにはどうしたらよいのでしょうか?」

支店長:「簡単だよ。女の子からラブレターを貰えば済むんだけど、でも、そんなの君には無理そうだよね。残念だけど、もう電話しないでくれる?いろいろと忙しくてさ。」

パイナップル番長:「そっ……そんな……。自分はこのままだと大八車の奴隷になってしまうのに・・・」

支店長:「じゃあね。バイバイ!」

ブチッ! ツー! ツー!

パイナップル番長「うわああん! 誰か助けてくれええ!」

自分は泣き叫んだ。

すると、どこからともなく声が聞こえてきたのだ。誰????

声の主:「お困りですか?」

パイナップル番長:「誰ですか!?、自分を助けてくれるのですか?」

声の主:「私は、『プルーン侯爵』です。私は、小学45年生です。あなたが助けを求めていたので、今まさに助けにきました。」

パイナップル番長:「ありがとうござます。プルーン侯爵様、自分は大八車を引いているのですが、この重い大八車を引くのを手伝っていただけませんか?」

プルーン侯爵:「いいでしょう。その代わり、私が引いている、この大八車をあなたが引いて下さい。」

パイナップル番長:「えっ!?」

こうして、自分が引くはずだった重い重い大八車は、プルーン侯爵に取られてしまったのだ。

プルーン侯爵が今まで引いていた大八車を引くことになった自分は、その大八車に乗っている巨大なヤリマンに声をかける。体重120㎏、身長は180㎝はありそうだ。

パイナップル番長:「あの……、ヤリマンさん、自分は『パイナップル番長』といいます。あなたのお名前を教えてもらえませんか?」

ヤリマン:「あたし?、あたしの名前は『キワーノ司令官』っていうのよ。大八車、よろしくね。わたし、童貞筆下ろしサービスで莫大な富を得たのよ!。本当は、中年童貞は、私みたいな高貴なヤリマンに声をかけたら、鞭打ち100回と決まっているのだけど、あたしは優しいから見逃してあげるわ!」

パイナップル番長:「ありがとうございます。ところで、自分は小学42年生になっても卒業できず、小学43年生になりました。どうやったら、この辛い大八車の仕事を卒業できるのですか?」

キワーノ司令官:「中年童貞のくせに質問ばかりしないでよ! まったくもう!」

パイナップル番長:「すいません。でも、自分は本当に困っているんです。どうか教えて下さい。」

キワーノ司令官:「わかったわよ。仕方ないなぁ。富者は中年童貞には優しくしないとね。実はね、この国には、『童貞擁護委員会』というものがあって、特別に珍しい保護対象の童貞は、大八車を引く必要は無くなるし、働かなくても生活費が支給されるのよ!」

パイナップル番長:「おお! それはありがたいです。自分は、死ぬまで大八車を引くのかと思っていました。」

キワーノ司令官:「本来はそうよ。ところで、パイナップル番長、あなたは、保護対象の童貞に選ばれる自信はあるの?」

パイナップル番長:「いえ……、自分にはとても難しいと思います。」

キワーノ司令官:「そうよね。それは当然だと思うけど、実はね、童貞擁護委員会の本部に行けば、どんな中年童貞でも立候補する権利があるのよ。そして、その推薦をしてくれるヤリマン女性がいれば、童貞擁護委員の特別選考試験を受験できるのよ。」

パイナップル番長:「本当ですか? それは素晴らしい情報ですね。ぜひ自分も『童貞擁護委員会の保護対象童貞』になりたいです!」

キワーノ司令官:「じゃあ、このヤリマンのあたしが推薦状を特別に書いてあげるから、急いで大八車を引いて霞ヶ関まで走りなさい!、本部に直行よ! ほら! 早く走る!!」

パイナップル番長:「はひーー!!、きついーー!、でも、わかりました! 一生懸命頑張ります!!」

こうして、自分は、大八車でヤリマンを乗せた重い重い大八車を引きながら、必死で走った。こうして、やっとの思いでキワーノ指令官を乗せた大八車が童貞擁護委員会の本部までたどり着いたのであった。

本部の受付嬢:「あら! この人、保護対象の中年童貞立候補者なのですね。では、この書類にサインをしてください。ヤリマンの推薦状も添付して下さいね!」

パイナップル番長:「わかりました。では、サインしますね。」

こうして、自分は、無事、保護対象の童貞候補としての審査対象になれた。はたして合格できるのか? そして、自分は、この『童貞擁護委員会』で一体何を試されることになるのだろうか?

キワーノ司令官:「よかったじゃないの。これで、あなたも晴れて『保護対象の童貞』になれるかもしれないわよ。チャンスがあるだけ希望を持てるじゃない!」

パイナップル番長:「ありがとうございます。しかし、自分は、この先、いったい何ができるのでしょうか?」

キワーノ司令官:「そうね。まずは、この『童貞擁護委員会』の選考試験を見事にクリアしなければね。合格率は0.01%と言われているわ。厳しい試験なのよ。」

パイナップル番長:「そうなんですか。自分は、一体どうすれば試験に合格することができるのでしょうか?」

キワーノ司令官:「それなら大丈夫! あなたは、人類まれに見るほどのモテない中年童貞だから、きっと貴重な存在として、保護されると思うわ。」

パイナップル番長:「そうですか。自分なんかが中年童貞として国のお役に立つのであれば嬉しいです。」

キワーノ司令官:「そうね。ただね、ちょっと気になることがあってね。」

パイナップル番長:「なんでしょう?」

キワーノ司令官:「あなたは、中年童貞だからわからないだろうけど、実はね、この世では、中年童貞車に乗っているヤリマン女性は支配階級なのよ。珍しい中年童貞が引く大八車を所有することは何にも勝る名誉なことなのよ。だから、保護対象クラスの中年童貞は、ヤリマン女性から、自分の大八車を引くよう狙われているのよ!」

パイナップル番長:「なっ……なんて恐ろしい話なのでしょう。自分は、中年童貞車に乗っているヤリマンの女性に、いつも狙われているというのですか?」

キワーノ司令官:「そうね。でもね、この国には、童貞を擁護する童貞擁護委員会があるから、珍しい中年童貞を巡っては、ヤリマン女性と童貞擁護委員会の権力争いが生じているの。」

パイナップル番長:「そんなことが起こっているのですか?」

キワーノ司令官:「ええ。だって、もし、中年童貞を擁護しなかった場合、この国の中年童貞は大八車を引く役務でみんな過労で死んでしまって、中年童貞人口が半分になってしまうからよ。」

パイナップル番長:「えっ!?そんなに中年童貞が過労死したのですか?。」

キワーノ司令官:「ええ。そうなのよ。ヤリマン女性による大八車役夫の争奪戦や使役が激しいから、その分、過労死してしまった中年童貞もたくさんいたのよ。それで、この国はどんどん味気なくなっていったの。ヤリチンとヤリマンの割合が増えてしまって……」

パイナップル番長:「なっ……なんという悲しい歴史だったのでしょう。」

キワーノ司令官:「まあ、そんなわけで、童貞擁護委員会が発足されたってことよ。」

パイナップル番長:「そうなのですね。ところで、自分は、保護対象の童貞になるために、これから何をしたらよいのでしょう?」

キワーノ司令官:「それはね、今から私が言うことをよく聞いてね。まず、童貞擁護委員会に推薦されて、保護対象の童貞になるには、最低限として、特別な資質が必要なのよ。」

パイナップル番長:「特殊な資質とは?」

キワーノ司令官:「それはね、『精通の時から一日も欠かさずにオナニーを続けている』ということよ。」

パイナップル番長:「えええ!? そ……それだけですか?」

キワーノ司令官:「そんな人なんてまずいないでしょう。絶対に無理だわ。」

パイナップル番長:「えええ!?いえいえ、 自分、10歳の精通の時から一日も欠かさずにオナニーを続けていますけど?」

キワーノ司令官:「え!? うーん……ド変態ね。でもね、それだけでは合格できないのよねぇ。さらに個性的な中年童貞としての魅力がなければだめなのよ。」

パイナップル番長:「そうだったのですか。自分は、個性的ではないのかもしれません。」

キワーノ司令官:「そんなことはないわ。あなたは、とても珍しい中年童貞よ。でもね、単なる『珍しさ』だけでは、保護対象の童貞にはなれないのよ。」

パイナップル番長:「では、自分は、保護対象の童貞になれないのですか?」

キワーノ司令官:「いえ、まだ可能性は残っているわ。でもね、かなり難しいわよ。」

パイナップル番長:「それはどういう意味ですか?」

キワーノ司令官:「それはね、先ほども話したでしょ?、保護対象の童貞を決める『童貞擁護委員会』の『特別選考試験』に合格しなければならないのよ。」

パイナップル番長:「特別選考試験とは何ですか?」

キワーノ司令官:「それはね、はっきり言うと、高齢処女の『グルーズ湯浅』に気に入られる必要があるのよ!」

パイナップル番長:「どうして高齢処女が選考するのですか?、やっぱり高齢処女も中年童貞のように迫害されているのでなないのですか?」

キワーノ司令官:「いい質問ね。実はね、この国では、童貞とは異なっていて、『高齢処女保護法』というものがあって、この国に50歳以上で独身の処女がいる場合は、保護しなければならないことになっているのよ。だから、保護対象の童貞は、高齢処女の中でも、ダントツに男にモテない『グルーズ湯浅』が選考役を務めているの。」

パイナップル番長:「そうですか・・・。自分は、『グルーズ湯浅』に気に入られるのでしょうか?」

キワーノ司令官:「そうね。あなたは、この国で一番モテない中年童貞のようだから、きっと大丈夫だと思うけどね。」

パイナップル番長:「わかりました。頑張ってみます。ところで、『童貞擁護の選考会』はどのように開催されるのですか?」

キワーノ司令官:「それはね、この国の『グルーズ湯浅の自宅』で行われるのよ。グルーズ湯浅は、半端のない高齢処女だから、恐ろしいまでのゴミ屋敷だそうよ。中に入るのさえ、普通の中年童貞では無理だわね。たしか、『グルーズ湯浅の自宅』は、墨田区の金色のウンコの中にあると噂されているわよ。」

パイナップル番長:「なるほど……。あの有名な『金色のウンコ』ですか。わかりました。」

キワーノ司令官:「そうよ。『金色のウンコ』よ。それじゃあね、あたしは忙しいから、品川の仕事場まで大八車を走らせてちょうだい!、あなたはまだ保護対象じゃないのだから、大八車を引く責務があるのよ!」

パイナップル番長:「ひぃーー、重いーー!!、でも、 わかりました。一生懸命頑張ります!、はぁはぁはぁ・・」

こうして、自分は、保護対象の童貞に選考されるまで、大八車を曳いて必死で走った。

そして、やっと選考会の受験票が自宅に届いた。

[ 『童貞擁護委員会』の特別選考試験のお知らせ ]

つきましては、下記の日時にて『童貞擁護委員会』の『特別選考試験』を行いたいと思います。
なお、応募していない中年童貞の参加はできませんので、ご了承ください。

【開催場所】東京都墨田区にある金色のウンコ

【集合時間】1週間後の午前10時30分

【受験資格】精通の時から一日も欠かさずにオナニーを続けている

【集合場所】金色のウンコ前

【持ち物】グルーズ湯浅への手土産

「ぬおーー、重い!!!ひいひいはー!」パイナップル番長は、今日もキワーノ司令官が乗る大八車を引いて走っていた。

キワーノ司令官:「あら、パイナップル番長、1週間後の特別選考試験、グルーズ湯浅への手土産は決まったの?」

パイナップル番長:「ええ。自分には、やはり、これしかないと思い、ふさわしい手土産を持ってきました。」

キワーノ司令官:「何?何?」

パイナップル番長:「それは、『童貞の魂の結晶』です。つまり、オナニー使用済みのティッシュペーパーのことです!」

キワーノ司令官:「ええ!?まさか、そんなもの持ってくるなんて……ド変態ね。」

パイナップル番長:「はい。そうです。これは、自分にとって大事なものです。この世の中でたった一人しかいない貴重な中年童貞の遺伝子です。」

キワーノ司令官:「まあ、あなたにとっては、大事かもしれないけど、でも、高齢処女のグルーズ湯浅から見れば、ただの汚らしい紙にしか見えないでしょう。」

パイナップル番長:「そうかもしれません。確かに、自分は、高齢処女のグルーズ湯浅からすれば、ただの汚らわしい中年童貞でしょう。しかし、自分は、高齢処女のグルーズ湯浅から、何かを学べるのではないかと思っています。」

キワーノ司令官:「そうね。あなたは、珍しい中年童貞だし、もしかしたら、この世でただ一人の貴重な存在になるかもしれないわね。」

パイナップル番長:「はい。そのつもりです。」

キワーノ司令官:「でもね、この国には、様々な中年童貞がたくさんいるから、精液の付いているティッシュペーパーに希少価値はあまりないわよ。グルーズ湯浅も世界一モテないとは言え女性なの。女性が喜ぶ手土産を選べないようじゃ、不合格は間違いないわよ。」

パイナップル番長:「ええ!? そうなのですか? 困りました。自分が唯一持っているものは、この『童貞の魂の結晶』だけなのに……。」

キワーノ司令官:「でもね、高齢処女に喜ばれる手土産ならあるわよ。」

パイナップル番長:「ええ!? 本当ですか?」

キワーノ司令官:「ええ。高齢処女は、ああ見えて、少女漫画のヒロインと同じ思考回路をしているの。グルーズ湯浅は、誰よりも乙女でモテない女だから、あなたの『腰蓑姿』を見たら、きっと、キュンとなって、あなたのことを気に入ってくれるはずよ。セットで『パイナップル』を渡すといいわ。」

パイナップル番長:「なっ……なるほど……。それは一理ありますね。」

キワーノ司令官:「そうよ。それに、あなたは、誰よりも腰蓑が似合うトロピカルなキモおやじだから、きっと、グルーズ湯浅は、キュンとなると思うわ。」

パイナップル番長:「なっ……なるほど……。」

キワーノ司令官:「ええ。だから、自信をもって、パイナップルをもって、腰蓑姿で『グルーズ湯浅』の自宅を訪問しないさい。」

パイナップル番長:「はい。わかりました。ありがとうございます。」

(選考試験当日)

パイナップル番長は、試験当日もキワーノ司令官が乗る大八車を引いて走っていた。墨田区目指して大八車を牽引する。

キワーノ司令官:「さすがに、もうすぐ『グルーズ湯浅』の自宅ね。」

パイナップル番長:「ええ。そうですね。でっかい金色のウンコが見えてきました。」

キワーノ司令官:「そうね。でもね、あれは、『グルーズ湯浅』の自宅ではないそうなのよ。昨日、別のヤリマンから話を聞いたわ。」

パイナップル番長:「え!? どういうことですか?だって、金色のウンコですよね。」

キワーノ司令官:「そうね。でもね、金色のウンコに見えるけど、実は、あれは『グルーズ湯浅専用飛行船』なのよ。」

パイナップル番長:「ええーー!! あの金色ウンコが『グルーズ湯浅専用飛行船』だったのですか?」

キワーノ司令官:「そうよ。この国の最高レベルの高齢処女は、みんな、あの金色のウンコみたいなのに乗って移動するのよ。」

パイナップル番長:「へぇ~!知らなかった。」

キワーノ司令官:「ところで、グルーズ湯浅の本当の自宅だけど、実は、墨田警察署の屋上にあるのよ。」

パイナップル番長:「ええ!? どうしてですか?」

キワーノ司令官:「それはね、グルーズ湯浅が、この国で一番の高齢処女だからよ。誰からも襲われない場所になっているの。簡単には訪問できないわ!」

パイナップル番長:「なっなるほど……。」

キワーノ司令官:「だからね、あなたには、選考委員会から、墨田警察署に潜入せよとの指示があるかもしれないわ。」

パイナップル番長:「なっなるほど……。」

キワーノ司令官:「それじゃあ、そろそろ金色のウンコに到着よ。あたしはビールを飲みながら、隅田川縁で花見しているわね。頑張りなさい!」

パイナップル番長:「はい!頑張ります!」

自分は、『グルーズ湯浅専用飛行船』に到着した。

すると、そこには、『グルーズ湯浅』の姿があった。

『グルーズ湯浅』は、大柄で身長2メートルくらいありそうで、ミイラのようなガリガリの身体をしていた。

彼女は、年齢は50歳くらいだそうだけど、それよりも老け込んで見えた。

そして、顔は、とっても不幸になりそうな縁起の悪い顔をしていた。なぜか、灰色の全身タイツを着ていた。

グルーズ湯浅は、自分の姿をみると、急に大声で叫んだ!

グルーズ湯浅:「ちょっと待って……!! なんで、あなたみたいな気持の悪い中年童貞のオジサンが選考会に来ているの……?」

パイナップル番長:「はい!!、どうしても、保護童貞になりたいのです!!。大八車を引きたくないんです!」

グルーズ湯浅:「あなたは、単なる中年童貞でしょ……!、保護なんかされない……。 あなたみたいのが選考試験を受ける資格はないわよ……! 帰ってちょうだい……!!」

パイナップル番長:「はい。でも、今から全裸に腰蓑姿に着替えますので、少しだけ時間をください!」

グルーズ湯浅:「ダメよ…! あなたなんかに時間をかける暇はありません……!! 私には、やるべきことが山積みなのよ……。」

パイナップル番長:「はい。でも、自分は、どうしても保護童貞になりたいのです!」

グルーズ湯浅:「ダメよ……。あなたは、私の言うとおりにしてればいいのよ……。」

パイナップル番長:「はい。でも、自分は、保護童貞になって、楽をして生きたいのです。」

グルーズ湯浅:「うるさいわねぇ……!そんなの許さないわ……!! この私が許しません……!! あなたは、ただの大八車を引くための奴隷なのよ……!」

パイナップル番長:「しかし、自分は、大八車を引きたくないのです。小学43年生だって、普通に生きたいのです!」

グルーズ湯浅:「ダメよ……!! あなたは、ただの奴隷なのよ……。そんな贅沢なこと言わないの……。」

パイナップル番長:「でも、自分は、大八車引きをしない人生を選びたいです!恋だってしたいです!」

グルーズ湯浅:「黙れ……!!この変態オヤジめ…!!そんなの許されるわけないでしょう……!」

パイナップル番長:「しかし、自分は、あなたのための手土産を持ってきました。受け取ってください!」

グルーズ湯浅:「何……?、何……?、見せてみて……」

自分は、全裸に腰蓑姿に着替えて、グルーズ湯浅に『中年童貞の結晶』と『甘いパイナップル』を手渡した。

グルーズ湯浅:「何これ……?汚らしいティッシュペーパーじゃない……?、しかも、変なものがついているわ……」

パイナップル番長:「ええ。それは、自分の精子です。」

グルーズ湯浅:「ええ……!?、何言ってるの……?、 気持ち悪いわね……。これはゴミよ……。いらないわ……。」

パイナップル番長:「いえ、自分の遺伝子が入っている傑作です。名作AVを観ながらシコりました。」

グルーズ湯浅:「ええ……!? あなたは、本当に変態ね……。」

パイナップル番長:「はい。自分は、変態中年童貞と思われてもいいので、どうか、選考してください。お願いします。この手土産を食べてみてください!」

グルーズ湯浅:「ええ!?……こんなのを食べろっていうの?……」

パイナップル番長:「はい。どうぞ、お召し上がりください!」

グルーズ湯浅:「ええ……。わかったわよ……。食べるわよ……。」

(グルーズ湯浅は、ティッシュペーパーを口に含んだ)

グルーズ湯浅:「うっ……なんだか、臭い……。苦い……。まずいわ……。こんなものを食べたらお腹を壊してしまうわ……。」

パイナップル番長:「ちっ、違いますよ。ティッシュペーパーではなく、パイナップルのほうを食べていただきたいのです。」

グルーズ湯浅:「あ、そう…ええ……。わっ……わかったわよ……。」

(グルーズ湯浅は、パイナップルを一口食べた)

グルーズ湯浅:「うん……!? おいしい……。甘酸っぱくて……、爽やかな味がするわ……。」

パイナップル番長:「よかった。実は、そのパイナップルは、自分の亡き父が大好物だったサモア産のものです。」

グルーズ湯浅:「そうなの……? あなたのお父さんは……、どんな人だったの……? 教えてくれるかしら……。」

パイナップル番長:「はい。父は、生前、生真面目だけが取り柄の地方公務員でしたが、時々、腰蓑を着けては奇声を発していました。」

グルーズ湯浅:「へぇー……。それは、珍しい人ね……。腰蓑姿が好きなの……?」

パイナップル番長:「はい。腰蓑が大好きで、いつも腰蓑姿でした。」

グルーズ湯浅:「ふーん……。そうなのね……。」

パイナップル番長:「はい。そして、父が亡くなった時、この腰蓑を譲り受けたんです。」

グルーズ湯浅:「へぇー……腰蓑は、お守りみたいなものなのね……。」

パイナップル番長:「はい。父の遺品なので大切にしています。」

グルーズ湯浅:「そう……。素敵な話ね……。ところで、あなたは、今後……、どういう人生を歩みたいの?……」

パイナップル番長:「ええと。できれば、自分より若い女性と結婚して、幸せな家庭を築きたいですね。」

グルーズ湯浅:「ええ……。そうね……。それもいいわね……。それは、この私でも無理なことだったけど……」

パイナップル番長:「はい。でも、自分は、もう、40歳を過ぎています。今さら、女性と結婚なんてできるでしょうか。」

グルーズ湯浅:「そうね……。あなたみたいな中年童貞は……、結婚や保護生活は諦めて……、大八車の役務をした方がいいわね……。だから、選考は不合格に決定よ……!!」

パイナップル番長:「ええ!? なぜですか?」

グルーズ湯浅:「だって……、私は……、あなたみたいな色黒の中年童貞が大嫌いだからよ……!!」

パイナップル番長:「そっそんなぁー……。」

グルーズ湯浅:「でも……、あなたの大八車に乗っているキワーノ司令官って女性……、なかなかの人物よ……。キワーノ司令官と結婚したら良いと思うわ……。」

パイナップル番長:「ええ!? キワーノ司令官とですか?」

グルーズ湯浅:「ええ……。お願いしてみると良いでしょう……。ヤリマンと結婚すれば……、小学校どころか大学院も主席で卒業したことになるのよ……!」

パイナップル番長:「ええ!? そうなんですか?」

グルーズ湯浅:「ええ……。そうよ……。じゃあね……。永遠にさよなら……。」

自分は、グルーズ湯浅に手を振り、キワーノ司令官が待っている隅田川縁まで大八車を引きながら戻って行った。

キワーノ司令官:「あら。早かったわね。どうだったの?」

パイナップル番長:「はい。無事に、グルーズ湯浅さんに会って、審査していただいたのであります。」

キワーノ司令官:「ちゃんと、グルーズ湯浅に会えたのね。それで、考査試験では、何を言われたの?」

パイナップル番長:「はい……。自分は、不合格でした。腰蓑姿の変態オヤジで、大八車を曳くためだけの奴隷だと罵られました。」

キワーノ司令官:「そう……。やっぱりね……残念だったわね……」

パイナップル番長:「はい……。でも、キワーノ司令官と結婚するようグルーズ湯浅に言われました。」

キワーノ司令官:「ええ!? あたしと結婚しろって言ったの? どうして? あたしがあなたみたいな中年童貞と?」

パイナップル番長:「はい。キワーノ司令官は素晴らしい人物だと。そして、結婚すれば、小学校どころ大学院も卒業したことになると!」

キワーノ司令官:「ええ、法律上ではね。だけど、他人に言われたから結婚するなんて、あたしにも自分にも失礼な話でしょ!、それに、あなたのような中年童貞と結婚しても、あたしにはメリットないわよね?」

パイナップル番長:「そんなことありません!自分は、キワーノ指令官を幸せにしてみせます!」

キワーノ司令官:「うーん……。それなら、あたしを乗せた大八車を引いて、富士山のてっぺんまで登ってみせて!、そしたら結婚してあげます。」

パイナップル番長:「わかりました! 自分は、絶対にやり遂げてみせます!」

キワーノ司令官:「いい返事ね。じゃあ、早速、山梨県に出発よ!」

自分は、大八車にキワーノ司令官を乗せて出発した。

そして、自分は、富士山に向けて旅立った。

富士山登頂には、一般的に3つのルートがある。

今回、自分は、富士吉田市側から登るコースを選んだ。

理由は、大八車を引きながら登山道を登らなければならないからだ。

自分は、キワーノ司令官を大八車に乗せて、ひたすら山道を登り続けた。途中、何度も倒れそうになりながら必死に歩き続けた。

しかし、一向に頂上は見えなかった。

パイナップル番長:「ひいひい……!!」

パイナップル番長:「ぜいぜい……!」

パイナップル番長:「はあはあ……!」

パイナップル番長:「ああ……!! ダメだ……。疲れた……。もう歩けない……。」

自分は、ついに力尽きて倒れた。しかし、大八車に乗っているキワーノ司令官は、相変わらずに元気だった。

キワーノ司令官:「あなた、何やってるの?早く起きなさいよ!ちゃんと大八車を引きなさい!」

パイナップル番長:「はい……。すみません……。」

自分は、再び立ち上がり、大八車を引き始めた。

しかし、またすぐに足が止まってしまった。

パイナップル番長:「うう……。ダメだ……。全然、前に進まない……。」

パイナップル番長:「こんなの絶対おかしいよ……。」

パイナップル番長:「このままでは、死んでしまう……。」

自分は、体力の限界を迎えていた。

キワーノ司令官:「あなた!情け無いわね。それでも男なの!?」

パイナップル番長:「はい……。すみません……。」

キワーノ司令官:「今日はもういいわ。温泉宿にでも宿泊しましょう。」

パイナップル番長:「はい……。ありがとうございます……。」

自分は、キワーノ司令官を大八車に乗せたまま近くの温泉旅館に入った。

キワーノ司令官:「さあ、ここで一晩ゆっくり休みましょ。」

パイナップル番長:「はい……。わかりました……。」

番頭:「当旅館では、小学43年生以上の中年童貞には、本館の利用をお断りしております。どうか、パイナップル番長だけは、あちらの別館の方へお泊まりください。」

パイナップル番長:「はい……?」(自分は、意味がわからず困惑した)

キワーノ司令官:「わかったわ……。パイナップル番長だけ、あちらの別館に泊まるわ。あたしは本館へ泊まります。」

パイナップル番長:「ええ!?」

キワーノ司令官:「どうしたの? パイナップル番長。泊まりたくないの?」

パイナップル番長:「いえ……そういうわけではありませんが……あの別館って、とても人間が泊まるような場所じゃないみたいなんですよ・・・」

キワーノ司令官:「大丈夫よ。きっと何とかなるわよ。」

パイナップル番長:「はい……。そうですね……。」

(自分は、仕方なく、中年童貞が泊まる別館へ向かった)

パイナップル番長:「はぁ……。やっと着いた……。」

自分は、あまりの異様な雰囲気が漂う別館に驚愕した!

そこには、猿や熊、鹿や猪に混じって、中年童貞たちが集まって宴会をしていた。

そして、その中年童貞たちは、なぜか全員、全裸だった。

中年童貞A:「おい……。お前も飲めよ……。」

中年童貞B:「そうだぞ……。一緒に飲もうじゃないか……。」

中年童貞C:「ぐははは……。こっちで俺のマグナムを見せてやるよ……」

中年童貞D:「ほれ……これでも食らえ……ウキーッ!!」

中年童貞E:「グハハ……もっと酒を持ってこいよ……」

自分は、あまりにも異常な光景に驚きを隠せなかった。

そして、自分の目の前に一人の中年童貞が現れた。

中年童貞G:「おう……パイナップル番長……。来たのか……」

パイナップル番長:「あれ!、グレープ和尚じゃないですか?音信不通になっていたから心配してたんですよ。どうしてこんな場所に!」

グレープ和尚:「ここの中年童貞は、みな、ヤリマンに富士登山を命ぜられて、大八車を引いて富士山登頂をしている途中なんだ!」

パイナップル番長:「ええ!? そうなんですか?」

グレープ和尚:「ああ……。みんなヤリマンに虐められて、ここまで来てしまった哀れな中年童貞ばかりだ……。」

パイナップル番長:「そうですか……。それは、大変なことですねぇ……、自分は、富士山登頂に成功できれば、ヤリマンと結婚できる約束になっています。」

グレープ和尚:「なに!? そうなのか!?」

パイナップル番長:「はい……。そうなんです……。」

グレープ和尚:「そうか……。それは羨ましい話だ……。でも、僕は、富士山に登る途中で挫折してしまった……。だから、こうして、大八車とヤリマンから逃げだして酒を飲んでいるんだ……。」

パイナップル番長:「ええ!? どうしてですか?」

グレープ和尚:「実は、ヤリマンが怖くて仕方がないのだ……。」

パイナップル番長:「それは解りますが、逃げるなんて・・・」

グレープ和尚:「だが、ヤリマンは、中年童貞を人間だと思っていない。単なる大八車のエンジンとしか思っていないんだ。」

パイナップル番長:「ええ!? どういうことですか? そんなバカなことがあるはずがありませんよ!」

グレープ和尚:「本当だ……。中年童貞の男は、女を喜ばせることができない人間さ。だから、この国では迫害を受けている。俺たち、宴会が終わったら、船で外国へ逃亡する計画なんだ。パイナップル番長、お前も一緒に来ないか?」

パイナップル番長:「ええ!? 自分も一緒に連れて行ってくれるのですか?」

グレープ和尚:「ああ……。もちろんだとも……。」

しかし、自分は、ヤリマンのキワーノ司令官に親切にされたことを思い出した。

パイナップル番長:「すみません……。自分は、まだ富士山を登っている最中なので、他の人を誘ってもらえませんでしょうか?」

グレープ和尚:「そうか。残念だが仕方ないな。じゃあ、またどこかで会えるといいな。」

自分は、明日の早朝から、富士山の頂上を目指して大八車を引く覚悟を決めた!

そして、夜が明けた。自分は、キワーノ指令官を乗せて、朝日を浴びながら富士山の山頂を目指した。

しかし、昨日とは様子が違っていた。強い意志が芽生えたのだ。

自分は、大八車を引きながら山中湖のほとりを歩いていた。

すると、前方に数人の集団が現れ、中から一人の少女が出てきた。そして、その少女は自分に近づいてきた。

???:「こんにちは!。あなた、大八車を引いているなんて可哀想ね。」

パイナップル番長:「ええ……えっ??。あなたは、自分と同じ小学校に通っている小木梢ちゃんじゃないですか!どうしてここに?」

梢:「あら?、私のこと知っているの?、あなたみたいなオジサンと接点ないと思うけど?」

パイナップル番長:「はい……。たしかに、自分は、たまにしか授業を受けていないですからね。でも、未だにあの小学校を卒業できないんです。」

梢:「嘘!、信じられないわ!、だって、おじいちゃんに限りなく近いオジサンじゃない!」

パイナップル番長:「はい……。確かに自分は、老人間近の中年童貞ですからね。」

自分は、苦笑いを浮かべて答えた。

梢:「ところで、あなたは、富士山のてっぺんを目指しているの?」

パイナップル番長:「はい……。そうですよ。このキワーノ司令官に、頂上でプロポーズするんです!」

キワーノ司令官:「そうよ!あたしがキワーノ司令官よ。」

梢:「ふーん……。そう……。じゃあ、競争しましょう!私は、マウンテンバイクで登頂を目指すから、大八車でかかってきなさい!」

パイナップル番長:「ええ!?」

キワーノ司令官:「いいわよ。処女の小娘が!、勝負しましょう!ヤリマンの力を見せてやる!」

自分は、キワーノ司令官を乗せて、自転車に乗った少女を追いかけた。しかし、なかなか追いつけなかった。

キワーノ司令官:「待ちなさいよ!小娘!」

パイナップル番長:「はあはあ……。待ってください……。」

自分は、足をガクガクさせながら必死に追いかけたが、ついに力尽きてしまい倒れた。

しかし、梢ちゃんは、そのまま走り去って行った。

キワーノ司令官:「あたしと結婚したいなら、死ぬ気で頑張りなさい!パイナップル番長!」

パイナップル番長:「はい……。すみません……。」

自分は、再び立ち上がり、再びキワーノ司令官を乗せ、自転車の少女を追い始めた。

キワーノ司令官:「いいわよ!パイナップル番長!もっと速く走らないと、小娘に負けちゃうわよ!」

パイナップル番長:「はい……。」

自分は、全力疾走した。

キワーノ司令官:「ちょっと!パイナップル番長!もうバテてるの?情けない男ね!もっと本気で走りなさいよ!」

パイナップル番長:「はい……。すみません……」

自分は、もう限界だったが、キワーノ司令官と結婚するため再び立ち上がった。そして、再び追いかけた。

しばらくすると、自転車に乗っている少女の姿が見えてきた。

自分:「はあはあ……。やっと追いついた……。」

キワーノ司令官:「よくやったわね!。」

自分が息切れしながら言うと、キワーノ司令官は、自分の背中をさすりながら言った。

キワーノ司令官:「パイナップル番長、頑張っているわね。このヤリマンに伝わる秘伝の妙薬をあげるから、飲んでみなさい!」

自分は、キワーノ司令官の差し出した瓶に入った液体を飲み干した。

パイナップル番長:「ありがとうございます!。これは、全身から力が湧き出るようです!。それに、勃起がとまりません!、これなら勝てます!」

キワーノ司令官:「本当!よかったわ!」

自分は、さらにキワーノ司令官を乗せたまま、少女の後を追った。

キワーノ司令官:「さすがだわ!パイナップル番長!あの小娘に、ぴったりと 着いて行っているわ!」

自分は、少女の乗る自転車に追いつくことができた。そして、自分は、少女に声をかけた。

パイナップル番長:「やあ!、梢ちゃん!、若いだけあって元気だね。でも、この先は、未成年が行ったら危険な場所だよ。もう勝負は止めて、帰った方がいい。」

梢:「ありがとう。飽きたし、もう疲れたから帰ることにしたよ。あなたたちは登頂を頑張ってね!、でも、こんな岩山じゃ車輪は無理よ!さよなら!バイバーイ!」

自分は、その言葉を聞いて愕然とした。そして、目の前には荒々しい岩場が広がっていた。そして、その先には、巨大な谷や崖があった。

パイナップル番長:「確かに、こんな険しい山道を大八車を牽引しながら進むのは至難の業だあ・・・」

キワーノ司令官:「何を言っているの。弱音なんか吐かせないわよ。さあ、パイナップル番長!行くわよ!」

自分は、大八車を曳きながら、目の前に広がる断崖絶壁を進んだ。

ゴロゴロ、ガタガタ、ギシギシ、ガタガタ、大八車も悲鳴をあげているようだった。

そして、数時間後、ようやく富士山の山頂に到着した。

パイナップル番長:「はぁはぁ……。やっと頂上に着いた……。はぁはぁ……。こんなに頑張ったの人生で初めてです。はぁはぁ……」

自分は、大八車から手を離して休んでいた。

すると、キワーノ司令官が、自分に話しかけてきた。

キワーノ司令官:「さあ、頂上に着いたわ。ここで、あたしにプロポーズをしなさい。」

自分は、休むことに精一杯だったので驚いてしまった。

パイナップル番長:「ええ!?」

自分は、驚くと同時に倒れてしまった。

キワーノ司令官:「疲れた?、でも、あたしと結婚したいなら早く起き上がりなさい!」

自分は、なんとか大八車の持ち手に這い上がろうとしたが、体が重くて動かなかった。

キワーノ司令官:「ほら!何しているの!このヘタレ!結婚するんじゃないの!?」

自分は、必死で立ち上がろうとしてもがき苦しんだが足がグラついて動けなかった。

キワーノ司令官:「ああ……、もう!イライラするわね!、パイナップル番長、あなたは心も体もニートの単なる中年童貞なの!?それで良いの!?」

自分は、悔しくて涙を流しながら大声で叫んだ。

パイナップル番長:「う・・・(涙)、悔しいです!!。自分、先祖からいただいた土地の駐車料金で生活するだけのニートです。労働意欲も恋愛経験もありません。でも、今は本当に頑張りました。どうか、自分と結婚してくださぁああああいいいいいいいい!!!!」

キワーノ司令官:「ええ、了承するわ!、結婚しましょう!」

自分は、キワーノ司令官に抱きつきキスをした。

キワーノ司令官:「これで、あなたは、あたしの夫になったわ!、大八車も小学校も卒業よ!、これからは、ちゃんとした職業について、社会のために頑張りなさいね!」

自分は、キワーノ司令官を抱きしめたまま泣き崩れた。

キワーノ司令官:「さあ、あなたにとって最後の大八車だから、記念に、このまま富士山の麓まで一気に駆け降りるわよ!」

自分は、キワーノ司令官を抱きしめながら号泣していた。

キワーノ司令官:「泣くのは、下山してからにしなさい!さあ!行くわよ!」

自分は、キワーノ司令官を荷台に載せて、大八車で急斜面を一気に下っていった。

ゴロゴロ、ガガガガガ・・

最後を悟ったのか、大八車も大きな音をたてて、ものすごいスピードで下っていく。

そして、突然、あたりが無音になった。どうやら、大八車の速度は音速を遙かに超えているようだった。

恐ろしいスピードで、あたりの景色は見えなかった。もしかすると、光の速さに近い速度まで大八車は加速したのかもしれない。

ドドドドドド・・・ゴゴゴゴゴゴ・・・オオオ・・・

どうやら、二人は、異世界の門を潜ったようだった。

そして、パイナップル番長とキワーノ司令官を乗せた大八車は、この世界から一瞬にして消えてしまったのだ。

しかし、二人にとっては幸せな瞬間であったに違いないだろう。

きっと、二人は、偏見や差別のない世界に転生したのだ。

この先からは、皆が平等な社会で、幸せな人生を送っているはずだ。

筆者たるパイナップル番長研究所は、今でも、そう信じている。

(完結)

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。また、性的嗜好や差別(性別や外見等の一切)を助長させる目的で書かれたものではありません。
(注:この文章を読んでいるあなたの世界にも、あなたにしか見えないパイナップル番長が存在し、また、どこの世界にも必ずパイナップル番長は存在するのです。)

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