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研究会参加報告

 学部内の研究ユニットの研究会があった。調査分析・データ解析研究ユニットである。データ解析や心理学的調査研究、教育工学等の専門家が集う研究会は、私にとってはこれまでのアプローチを常に問い直す機会となるという意味で、異分野だ。

 学校には、教師一人では対応できない問題が起きる。一年間では解決しえない問題に直面することもある。教師一人ひとりの自律性を求めると、バラバラになってしまうこともある。でも、上意下達で教師の自律性のないところでただ実践を強いるものでもない。教師一人ひとりが、自分の目の前にはいない子どものことも考えて、あるいは、二年後三年後には目の前の子どもを直接は見ないと仮定して、どう学校全体の実践を構築するのかといった点が、調査分析・データ解析研究ユニットのアプローチである。教師の主体主体関係、教師と研究者の主体‐主体関係を構築する中で、自分一人でできないことに挑戦する。インタビュー調査を整理したり、データを解析したりするのは、協働して実践を構築するベースを言語化する試みでもある。

 学校に安易に指導助言をすることが教師の自律性を損ねていないか。「どうするか」だけではなく、「なぜするのか」を押し付けていないか。ヒアリングをするにも、相手との関係を常に鳥瞰図的にモニタリングしつつ、学校現場の教師が言語化しえない思いや困難を聴きとっているのか。学校現場とていねいな関係構築と問題の共有を行うために、準備を怠らない。自分たちがどのような状況に置かれ、歴史的文脈の中にいるのかを確認する機会となった。 

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