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学習支援

 学習支援をしている中学生の期末テストが返ってきた。社会科が、満点だった。本人と面接をした時に「どうしたい?」と聞くと、「100点をとってみたい」と、まっすぐに目を向けて答えた子どもである。
 
 期末テストは、範囲が狭い。社会科を暗記科目ととらえている教員だったので、100点が取るための条件を整えることはそれほど難しくはない。本人が無意識に選んできた学習習慣もすぐに変えることができた。ここで言う「学習習慣」は、勉強する時間を確保しているかどうかという意味ではなく、勉強の仕方そのものである。

 でも、条件を整えれば、必ずしも満点がとれるわけではない。本人なりに新しく努力したこともある。自らの工夫が功を奏したと思っていることが伝わってくるような、晴れ晴れとした顔だった。あっぱれである。

 同じ日に、これまで学校に行っていかなった中学生が、学習支援の場に、制服を着てきた。対応した学生は、思わず「かわいい」と制服をほめた。「学校行ったの?」でも「どうしたの?」でもなく、制服姿を承認したのである。中学生の、はにかんだ顔からは、ほっこりする温かさが伝わってきた。対応した学生の他者感覚も、お見事である。

 

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