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子どもを固有名詞でよびかける

 SWPBSに取り組んでいる学校に訪問した。教職大学院のフォローアップ事業である。「名前を呼ばれたら、返事をすることができる」に取り組んでいた。

 「教師に名前を呼ばれたら、子どもが返事をすることができる」には、前提がある。教師が、毎日、子どもたち全員を固有名詞で呼んでいなければならない。健康観察で名前を呼ぶのはあたり前すぎるので、授業を中心に子どもたちの名前を呼ぶ機会をつくっていくのであろう。固有名詞に呼びかけるは、子どもたち一人ひとりの存在に毎日必ず目をかけようとしている教師の決意が込められている。

 給食を食べているときにでも、子どもたち一人ひとりを見て、「今日は、名前を呼びかけ、頼りにしたかな」と教師自身が午前中の子どもへのかかわり方を自問し、子ども一人ひとりの変化ややる気をつかまえているかをふりかえる。午後には、声をかけていない子どもを意識しながら、子どもの価値ある行為を発見したり、授業への参加の意思表示を見逃さない日々を続けていくのである。

 SWPBSは、子どもの行動変容を促す取り組みであるが、教師自身の取組が意識されているかどうかが重要である。子ども理解が深まるしくみとしてSWPBSが位置付けられていくことが大事なのである。子どもだけが行動の良し悪しを評価される取り組みなのではなく、教師が子どもたちとの関係を自分自身で評価する取り組みなのである。

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