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Children First 例会報告

 Children First 例会が、2023年4月8日にあった。本年度は、指導主事・教頭等3名、指導教諭3名、初任も含めて16名でスタートする。Children First は、子どもたちとつくる授業の方法を探究し、学習集団づくりによる授業を検討しているプロジェクトである。
 子どもたちが単に「欲求を表出する」のではなく、授業の進行・形態・構成・内容に、「要求を出す」子どもたちをどのように育てるか、子どもたちがどのように学習権を自覚し、行使していくのか。子どもたちが思いや主張を表出するのではなく、「考える」子どもたちをどのように育てるか。話型に縛られるのではなく、接続語が生まれてくる授業をどうつくるのか。相手の立場に立って自分らしく「表現する」子どもたちをどう育てるのか、自分の考えを押し通すのはなく、他者の考えを聴いて自分の考えを再構築する「かかわりあう」授業をどうつくるのか。そのために、子どもたちの教師観・授業観・教科観・子ども観をどのように転換していくのかを考え合いました。
 子どもたちに、「見つけたい」「比べたい」「試したい」など、〇〇したいを増やし、子どもの〇〇したいに対して、教師が「なぜ」「どのように」と問い返すところに、子どもたちの「要求」が出てくるのではないか。子どもたちにとって、自分が選択したことや自分の主張を言いたいことが先にあるので、自分の主張を繰り返し話すことを保障され、相手を意識し始めたとき、「考え」になるのではないか。ほかの子どもの発言を聴かずに、すぐに手を挙げる子どもではなく、「なんていえばいいかな」という前置きが発言する前に出てきたり、「えっ」「うんっ?」といううなずきが出ていたりしているとき、子どもたちは考えているのではないか。言葉にならなくても、図や表、あるいはジェスチャーなど多様な表現方法を使おうとするとき、子どもたちは自分の考えを自分らしく表現しているのではないかといった気づきが生まれました。
 子どもたちが固有名詞を呼び合い、子どもたち自身が仲間の「わからない」や「つぶやき」を拾う。「繰り返し=受けとめ発言」と「補充=想像発言」を通して、相手の考えを自分のこととして考える子どもたちを育て、教室の「言語環境」を整える。子どもたちの応答関係の質的発展を構想し、学習行為の価値を共有しながら、子どもとともに、授業づくりを語り合う。そうした学級になるよう、互いの授業と語りから、今年度も一年間学び合っていきます。

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