だんくん、卒園おめでとう！

　息子は、不登園を経験している。親である私は、空港に連れて行って飛行機を見たり、公園で遊んだり、パン屋さんで朝食を食べたり、あの手この手に右往左往していた。３歳で転園した。新しく入った幼稚園には、何事もなかったように、息子は毎日楽しく通っていた。
　息子を幼稚園に車で送っていったとき、２歳のときに通っていた幼稚園の園バスを見かけた。息子に、今の幼稚園と前の幼稚園では何が違うかを聴いてみた。
　「小さいときに行っていた幼稚園は、先生もみんなも名前をすべて忘れてしまったけど、南が丘幼稚園の子の名前は全部言えるよ！卒園した子も、年少さんの名前も言える！」自信をもって答えた息子は、年少さんのとき、年長さんたちに「だんくん！」とよく声をかけてもらっていた。
　固有名詞を呼ばれることは、存在が認められること。子どもたちの温かなまなざしが受け継がれていく幼稚園で３年間過ごし、息子も成長した。だんくん、卒園おめでとう。幼稚園に感謝しています。ほんとうにありがとうございました。