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駄々はこねない
息子は、駄々をこねたことがない。無駄だと知っているのである。
夕食前にパックに入った日向夏のジュースを飲んでいた。お腹がいっぱいになるから半分だけという約束だ。すると、「パパに学校で習った牛乳パックのおり方を見せたい」と言い出した。おいしかったのだろう。
飲み切らなないと、折りたたむことはできない。だから、最後まで飲んでいもいい?というメッセージを伝えている。「全部飲みたい」と、わがままは言わないのだが、遠回しのまわりくどい表現である。
妻に、「全部飲みきったときに、パパには見せればいいのよ」とぴしゃりと否定されていたが、残されたジュースは自分のものにはなっている。
素直に冷蔵庫に飲みかけのジュースを戻していた。見事な戦略である。
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