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「同じです」という話型を子どもたちと崩す 

 「同じです」がはびこる教室が崩れ始めたと彼女は話し始めた。
 2年生の生活科の授業で、ナスやピーマンの花の写真を子どもたちに見せて、「何の花だと思う」と子どもたちに聞いたそうだ。そのなかで、きゅうりとミニトマトの花の写真を並べて、「黄色い花だから同じじゃない?」と子どもたちに聴くと、子どもたちは2枚の写真を見比べて、違うところを探し始めた。花びらの数が違うことに気づいたり、花のかたちに着目したり、細長い筒状になった花弁に目を向けたりする中で、友だちの発見を聴いていた子どもの口から思わず「なるほど」という言葉が出たそうだ。友だちの意見をしっかり聴く中で心が動いたことが伝わってきたという。「すごいね。同じですという反応以外がはじめて出たね。『なるほど』ってすてきな言葉だね」と子どもたちと共有したそうだ。
 夏野菜の写真をどの順番で子どもたちに見せるかという工夫が、子どもたちに課題を共有させ、自分では気づかなかった友だちの意見に、心が動き、「なるほど」という応答が生まれてくる。学ぶ愉しさが伝わってくるエピソードだった。

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