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要求を出すちから

 息子が、日曜日から入院をしている。付き添いで病院と勤務先を往復している。

 先々週は、アベノウィルスで1週間の出席停止だった。「お腹がいたい」という訴えをプール熱の余波と勘違いしてしまい、虫垂炎である可能性を見落とし、病院に行くのが遅れてしまった。

 看護師さんのなかには、点滴を変えに来たり、体温を測りに来たりしたときに、絶妙な間をつくる人がいる。看護の実習生との大きな違いは、病室に入ってきたとき、息子が入ってきた人を見たとき、そのときに目が合うのか、点滴のセットを見てしまっているのかという点である。看護師さんは、点滴を変えながらも、息子のぼやきを聴いてくれている。看護師さんと息子の会話は、ほとんどが看護師さんが質問をし、息子が答えるのだが、息子がしゃべり始める看護師さんがいる。コミュニケーションの関係が異なっている。

 そうした関係性ができるなかで、息子が「おなかがすいてきたので、のむゼリーをのみたいです。ポカリスエットものめます。だからあまいのはだいじょうぶです。いいですか。」という手紙をポストイットに書いていた、巡回に来る医師にみせてお願いするという。

 自分がしたいこと、ほしいことを要求し、生活を変えていく。困っていることに、助けを求め、問題を解決していく。学習権を行使できるかどうか。学習権は、関係性ができるなかで、行使されていく。学力は、人との関係が支えていることをあらためて教えてもらった。

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