初心者でもできる!Fine-tuningガイド
この記事では、AIが新しいスキルをどのように学ぶのか、そのプロセスを解き明かします。ファインチューニングという言葉を聞いたことがあるでしょうか?それはAIが新しいことを学ぶための特別な訓練のことを指します。
この記事を通じて、ファインチューニングの基本的な概念と、それがAI、特にChatGPTの学習プロセスにどのように影響を与えるのかを理解していきましょう。
OpenAIのPlaygroundでファインチューニングする方法もご紹介します。一回作ってみるとイメージがつきやすくなると思うのでぜひやってみてください。
はじめに
現在生成AIが世界でとても賑わっています。そんななかこんな言葉を聞いたことないだろうか?「ファインチューニング」。言葉は聞いたことはあるけど一体なんなの。もしくは、ChatGPTを触り始めて少し経つとこの言葉にたどり着くと思います。
今回は、この「ファインチューニング」についてわかりやすく説明していきたいと思います。この記事で少しでもためになったらいいなと思います。
OpenAIのPlaygroundを使ってファインチューニングする方法もすごくわかりやすく書くので最初は真似して一回作ってみてください。そうすると、「あ、こういうことか」と理解するんじゃないかなと思います。
AIと学習
AI(人工知能)は、人間の知能を模倣するコンピュータシステムのことを指します。AIは、大量のデータからパターンを見つけ出し、それを基に新しい情報を学び取ることができます。この学習プロセスは、人間が新しいスキルを学ぶのと似ています。
AIがどのように学ぶのか
AIの学習は、大量のデータを解析してパターンを見つけることから始まります。例えば、AIが画像を認識するためには、何千もの画像を見て、それぞれの画像が何を表しているのかを学びます。そして、その学習した知識を基に、新しい画像を見たときに何を表しているのかを予測します。
また、AIは「深層学習」という手法を用いて、より複雑な問題を解くことも可能です。深層学習は、人間の脳の神経回路網を模倣したニューラルネットワークを用いて、データの複雑なパターンを把握します。
ファインチューニングと他の学習方法との違い
一方、ファインチューニングは、AIがすでに学んだ知識を基に、新しいスキルを学ぶための手法です。これは、AIが新しいタスクを学ぶときに、ゼロから全てを学び直すのではなく、既存の知識を活用して効率的に学ぶという考え方に基づいています。
例えば、AIが英語の文章を理解する能力を持っているとします。そのAIに日本語の文章を理解させるためには、全く新しい言語を学ぶ必要があります。しかし、ファインチューニングを用いれば、AIは英語の知識を基に日本語の特性を学ぶことができます。これにより、AIは新しいスキルをより早く、より効率的に習得することが可能となります。
近い技術として、独自のLLM(ラージランエージモデル)を作成する方法やRAG(検索拡張生成)がありますが、ビジネスシーンでよく使われるのはファインチューニングとRAGです。
ファインチューニングの詳細
ファインチューニングは、AIが新しいスキルを学ぶための特別な訓練のことを指します。これは、AIが新しいタスクを学ぶときに、ゼロから全てを学び直すのではなく、既存の知識を活用して効率的に学ぶという考え方に基づいています。
ファインチューニングのプロセス
ファインチューニングのプロセスは、まずAIが大量のデータを解析して基本的な知識を学ぶことから始まります。これを「事前学習」または「プレトレーニング」と呼びます。次に、その基本的な知識を元に、特定のタスクに対する新しいスキルを学ぶための訓練が行われます。これが「ファインチューニング」です。
ファインチューニングが必要な理由
ファインチューニングが必要な理由は、AIが新しいスキルを効率的に学ぶためです。例えば、AIが英語の文章を理解する能力を持っているとします。そのAIに日本語の文章を理解させるためには、全く新しい言語を学ぶ必要があります。
しかし、ファインチューニングを用いれば、AIは英語の知識を基に日本語の特性を学ぶことができます。これにより、AIは新しいスキルをより早く、より効率的に習得することが可能となります。
ChatGPTとファインチューニング
ChatGPTは、OpenAIによって開発された人工知能モデルで、自然言語処理のタスクを行うことができます。これには、文章の生成や理解、会話の進行などが含まれます。ChatGPTは、大量のテキストデータから学習を行い、人間のように自然な文章を生成することができます。
ファインチューニングに向いているケース
分類タスク:多くのパターンを持つ分類タスクに適しています。
変換タスク:特定の文字列を特定の形式に変換するタスクにも有効です。
プロンプトでのルール化が難しいタスク:細かい例が多い場合や、プロンプトでの定義が難しいタスクにも向いています。
ファインチューニングのメリット
出力結果が安定する:特定のインプットに対して、安定したアウトプットを得ることができます。
大量の例を学習できる:プロンプトに含められない大量の例を学習することで、より正確な結果が得られます。
プロンプトを短縮できる:プロンプトのトークン節約や低遅延リクエストが可能になります。
ファインチューニングの具体例
カスタマーサポートでの問い合わせ分類
利用例:カスタマーサポートでは、顧客からの問い合わせを迅速かつ正確に対応するため、問い合わせ内容を自動でカテゴリに分類します。
メリット:分類精度の向上と効率化。顧客満足度が向上
製品レビューの感情分析
利用例:オンラインショップで顧客が投稿した製品レビューの感情(ポジティブ、ネガティブ、ニュートラル)を分析します。
メリット:レビュー分析の精度向上と自動化。迅速なフィードバック取得と顧客対応が可能
FAQボットの応答生成
利用例:ウェブサイトのFAQボットがユーザーの質問に対して適切な回答を生成します。
メリット:FAQ対応の精度向上と自動化。ユーザー体験の向上とサポートコストの削減が期待できる
まとめ
ファインチューニングは、AIが新しいスキルを効率的に学ぶための重要な手法です。AIは、既存の知識を活用して新しいタスクを学ぶことができ、これにより学習の効率性が大幅に向上します。
特に、ChatGPTのようなAIモデルは、ファインチューニングを用いて特定のタスクをよりよくこなすように訓練されます。これにより、ChatGPTは様々なタスクをより効率的にこなすことができ、その結果、より自然な会話やより詳細な情報提供が可能となります。
今後、ファインチューニングはAIの学習プロセスをさらに進化させる可能性を秘めています。新しいスキルの習得だけでなく、AIの学習効率の向上や、より高度なタスクへの対応能力の向上にも寄与するでしょう。
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