素人集団vsプロの軍隊。ホワイトベースの奇襲作戦は成功するか!?~機動戦士ガンダム 第3話「敵の補給艦を叩け!」感想
ルナツーまであと1時間
キッカ「缶詰の配給です」
フラウボウ「こちらは何人ですか?」
民間人男「7人かな」
民間人女「あの、ミルクのお湯、先程お願いしたんですけど」
キッカ「これですよ」
民間人男「ルナツーにはいつ着きます?」
フラウボウ「あと1時間ほどです」
民間人女「あの、食べ物の配給はいつ来るの?」
セイラ「そこまで来てますよ」
ホワイトベースには避難民も多数いる。戦闘行為以外にも避難民への対応も必要だ。それも少ない人員でである。ホワイトベースの窮状を示す描写である。
ここでさりげなくルナツーまであと1時間ほどの距離まできていることが示される。この情報がのちほどジオン軍に先制攻撃を仕掛けるかどうかの判断の際にきいてくる。
セイラとブライト
ブライト「セイラさん、サイド7に来る前はどこにいたんです?」
セイラ「答える必要あるのかしら?」
ブライト「別に」
セイラ「地球です」
ブライト「宇宙に出たの」
セイラ「え?」
ブライト「初めてなんですよ」
セイラ「エリートでらっしゃったのね」
ブライト「皮肉ですか?」
セイラ「弱気は禁物でしょ、ブライトさん」
確かにセイラは「強すぎる」。アルテイシアはそんなこと言わない。
この場面、ブライトがちょっかい出そうとしてセイラにうまいことあしらわれたシーンに見える。そうだとして、ブライトはそんなことしてる場合じゃないだろう。
宇宙に出ない「エリート」とジオンの戦争目的
ブライトは今回が初めての宇宙らしい。それについてセイラが「エリートでらっしゃったのね」と返す。
なぜ地球にいることが「エリート」となるのか。ここから地球に暮らす者とコロニーに暮らす者との間の階層差を見て取ることができる。
冒頭ナレーションで説明されるように、宇宙への移民の目的は増えすぎた人口を宇宙へ移し、地球の人口を抑制することにある。
こうした移民政策において宇宙へ移住するのはどんな人達か。おそらくは低い階層の人達であろう。半ば強制的に宇宙へ移住させられた人もいるのではないか。
他方、上流階級やエリート層は地球での生活を約束されている。地球に住む者とコロニーに住む者との階層差は明白だ。
こうした中でコロニー住人に対する地球住人の特権意識・差別意識が醸成されたとしても不思議ではない。自分たちは地球で大地の恵みを受けつつ生活することができる選ばれた人間だという特権意識と、あいつらは宇宙空間の狭いコロニー内に押し込められ、そこで一生を終える人間だという差別意識である。
コロニーでの生活も推して知るべしであろう。コロニーへの補給は滞りなく行われていたのだろうか、コロニーが故障した場合の対処は適切に行われたのだろうか、隕石やデブリの衝突といった突発的な事故の際救助活動は迅速に行われたのか、強制的に移住させられた人々の生活はどうだったのか、住む場所や食べるもの、仕事は用意されていたのだろうか、故郷である地球へ帰ることは許されていたのだろうか、その際の費用は誰が負担するのか、考えていけばきりがない。
それは「棄民」という側面も持ってたのかもしれない。
ここまでくればジオン公国が連邦政府に独立戦争を挑んだ理由も自ずと明かとなってくる。これは地球連邦政府の「圧制と差別」からの解放を目指したコロニー住人による「自由と尊厳」の獲得闘争なのだ。
ジオン軍の消耗
シャア「パプア補給艦?あんな老朽艦では十分な補給物資は」
ドズル「現状を考えるんだ」
シャア「しかし」
ドズル「十分な戦力で戦える昔とは違うんだぞ。シャア、ザクは2機送った。ムサイを潰しても連邦の機密を手に入れるんだ」
シャア「はっ。(3機のザクを要求してこれか。敵のモビルスーツの性能が皆目わからんのに)」
戦争の長期化によってジオンも確実に戦力を消耗している。性能のよくわからない連邦のモビルスーツとやりあっていけるのか、シャアも思ったように補給を得られず落胆の様子だ。
舐められなくないブライト
ミライ「シャアのムサイ、なぜ攻撃をしないのかしら?」
ブライト「このホワイトベースの性能が読めないからだろうな」
ミライ「それと武器を使い果たしているということも考えられるわね」
ブライト「ああ、しかし」
ミライ「しかし?」
ブライト「我々にそう思わせる作戦なのかもしれない」
オスカー「シャアのムサイに接近する船があります」
ミライ「援軍?」
オスカー「わかりません。15分後に接触します」
セイラ「ミライの推測が当たったんじゃなくて?」
ブライト「軽率には言えんな、巡洋艦だったらどうする?」
第2話で赤い彗星シャアの襲撃をかろうじて切り抜けたホワイトベース。シャアの追撃を警戒しつつルナツーへ向かう。
しかし、ムサイはホワイトベースの後をついてくるけれども、どういうわけか攻撃を仕掛けてこない。
ブライトは「ホワイトベースの性能が読めないからだ」という。ホワイトベースは連邦軍の新造戦艦である。ジオン軍にはその性能の全貌はまだ知られていない。シャアといえども相手の戦力を計りかねていると見たわけだ。
他方、ミライは「武器を使い果たしているから」と見ている。ブライトはこのミライの意見に対し一定の理解を示しつつも「我々にそう思わせる作戦なのかもしれない」と返す。
ホワイトベースほぼ唯一の軍人であるブライトにしてみれば、戦況について一民間人に言い負かされるわけにはいかない。
しかし、その直後ムサイに接近する船が発見され、セイラに「ミライの推測が当たったんじゃなくて?」と言われてしまう。ミライの見解が正解だったわけだが、軍人としてのプライドが許さないブライト、最後に「軽率には言えんな、巡洋艦だったらどうする?」と捨て台詞のように言ってしまう。
「部下」に舐められまいと必死なブライトの姿がうかがえる。
出撃!?
ミライ「シャアのムサイに武器を補給させる前なら、私達にもアムロにも戦えるかもしれないわ」
ブライト「攻撃に出ろというのか?」
ミライ「もう一度シャアの攻撃を受けて守りきれます、ブライトさん?」
ブライト「我々は正式な戦闘員を一人だって持っちゃいないんだ。」
ルナツーまであと1時間。しかし、敵の補給は25分あれば完了してしまう。ルナツーの連邦軍基地に逃げ込むには時間的に難しそうだ。補給を受け戦力を回復したシャアに攻撃されれば守り切れる保証はない。ならば補給を受ける前にシャアをたたいてしまおうというのがミライの考えである。ミライ、実に切れる。
これに対しなかなか決断できないブライト。とどめはセイラの「艦長さんに聞いてみたら?」。アルテイシアはそn【略】
ハヤトの伏線回収
ここでブライトがハヤトに話を振る。
ハヤト「相手がいくら大きい人でも腰を引いた瞬間とかバランスを崩した時なら倒せるものです。これ柔道の話ですけど」
ブライト「・・・。」
ハヤトは柔道にたとえて回答する。ようするに補給前ならやれるかもしれないということである。
ちなみに、第1話の初登場シーンでハヤトは柔道着を肩に掛けているが、なんとそれがこの発言の伏線になっていたのである!
・・・この発言のためだけにわざわざ柔道着を作画したのだろうか。
出撃決まる!多数決で・・・
ここでブライトが出撃するか否かを多数決で決めると言い出した。ブリッジに集められた者はおそらくほとんどが民間人であろう。その多数決で軍事作戦を決めるのは軍隊としてあり得ない。決断しきれないブライトの苦悩が続く。
採決中、アムロをじっと見つめるブライト。アムロもブライトから視線を外さない。ブライトが挙手した後におもむろに手を挙げるアムロ。
出撃することに決まった。多数決で。
実は有能な指揮官!?
ひょっとしたらブライトは多数決と言いながらも、本当はアムロが出撃に賛成するかどうかを見たかったのかもしれない。
連邦軍にとって最も警戒しなければならないのはシャアの赤いザクである。現状、これを抑えることができるのはアムロの乗ったガンダムしかない。作戦が成功するかどうかはアムロにかかっている。
出撃するということは、アムロにもう一度ガンダムに乗って最前線に向かい命を懸けて戦えと命令することである。当然ながらそこには命令する者とされる者との間の信頼関係が不可欠だ。
アムロはブライトに対していい感情を持っていない。ブライトが上官としてアムロに出撃を命じてもへそを曲げてしまうかもしれない。そうなれば作戦の失敗は火を見るより明らかだ。
ブライト「甘ったれるな。ガンダムを任されたからにはきさまはパイロットなのだ。この船を守る義務がある」(第2話)
第2話の終わり、こうアムロを叱責するブライトだがこれは軍隊の論理である。軍人としての教育を受けていないアムロには伝わらない。
そこでアムロ自ら出撃を決断したという形をとりたかったのだろう。
最初ブライトが多数決といったとき「こいつ本気か!?」と思ったが、ここまで考えていったのだとすればかなり有能な指揮官であるといえるだろう。
・・・まぁ、自分で決めきれなかっただけだろうけど。
手引書をよく読んでおけ!
ブライト「よし、決まった。出撃する。アムロはガンダム、リュウはコアファイター、場合によってはガンタンクの出撃もありうる。ビーム砲スタンバイ急げ。ホワイトベース180度回頭」
ブライト「8分後に敵が視界に入る。それまでに手引書をよく読んでおけ。ともかく撃って援護ができればいい。ただしガンダムとコアファイターには当てるな」
ホワイトベースの作戦目標はシャアのムサイの殲滅、それができなくても敵の補給を邪魔してルナツーへ逃げ込む時間を稼ぐことだ。
手引書を読みながら準備を整える素人乗組員達。こんな状況で作戦は成功するのだろうか!?
本職の軍人が役に立たない
アムロ「リュウの奴、軍人のくせに」
リュウ「上がるなだと?敵は目の前だぞ」
アムロ「このまま突っ込んだら逆光線で戦わなくちゃならないことに気付かないのか。まわり込むんだ」
リュウ「おっ見えたぞ。アムロの奴、素人のくせによく気がつく。太陽を背にして攻撃しようっていうわけか」
本職の軍人であるリュウと素人のアムロ。しかし、実際の行動はアムロの方が本職っぽい。ブライトもそうだが、今回は本職の軍人の無能さが繰り返し描かれている。ホワイトベースが素人集団であることを示す演出だ。
ミノフスキー粒子?
ガデム「シャア変だと思わんか?ここは敵の前線基地に近いとはいえちょうど裏側にあたる。ミノフスキー粒子の濃度が強すぎると思うがな」
シャア「同感だなガデム」
ドレン「近くに敵艦が?」
シャア「ありうるな」
会話から察するに、ミノフスキー粒子とは戦場付近で濃度が濃くなる特殊な粒子のようだ。この粒子が濃くなった場合には敵艦が近くにいる可能性が高まるということだろう。煙幕のようなものだろうか。
ガデムはわずかな手がかりから戦況を正確に把握している。この会話でガデムも歴戦の猛者であることが描かれる。
先制攻撃成功!
バズーカをぶっぱなすアムロ。見事パプア補給艦のコンベアパイプを破壊することに成功。
シャア「ガデム、運んできたザクを放出しろ」
ガデム「ああ、なんとかしよう」
シャア「マチュ、フィックス、船の外でザクに乗り移る支度をしておけ。私は先にモビルスーツで出撃する」
しかし、ただでは済ませないのがシャアである。即座に作戦を立てガデムと部下に指示をする。連邦軍の攻撃を受けている中で悠長に補給を受ける余裕はない。そこで船外にザクを放出、そこに直接乗り込む作戦である。
シャア自身もザクで出撃し、マチュとフィックスがザクに搭乗するまでの時間稼ぎをする。やはりできる男である。
ジオン軍の統制の取れた指揮・命令系統と各自が自分の職務を遂行しようとしている点がみごとである。ホワイトベースとは大違いだ。
アムロvsシャア(2戦目)
シャア「ふふ、モビルスーツの性能の違いが戦力の決定的差ではないということを教えてやる!」
ガンダムのバズーカをかわし、後ろに回り込むシャア。ガンダムにザクのボディブローが決まる。戦闘を有利に進めるシャア。やはりパイロットの力量差は明らかである。
ムサイピンチ!連邦軍チャンス!
ドレン「シャア少佐、敵の新型艦の木馬が攻撃を掛けてきます」
シャア「なに?私が行くまでなんとか持ちこたえろ」
アムロ「艦にはやらせるものか。ブライトと約束したんだ。ぼ、僕がシャアを引きつけておくってな」
ムサイは主砲メガ砲も撃てず、リュウのコアファイターの攻撃で補給もままならない。この状態でホワイトベースの攻撃を受ければ沈んでしまう。シャアはガンダムをほうっておいてムサイの援護に向かう。
シャアに必死に食らいつくアムロ。このままガンダムがシャアをひきつけておけばホワイトベースに攻撃のチャンスがやってくる。
連邦軍が有利な展開。やはり出撃は正解だった。多数決の勝利だ!
リュウが邪魔
カイ「ええい、リュウの奴。あれじゃあこっちの主砲が撃てねえじゃねえか。ハヤトっていったな。伝えろ、リュウにどけってよ」
・・・
ハヤト「ブライトさん、お願いです、コアファイターが邪魔でムサイを狙えないってカイさんが言ってます」
ブライト「了解。リュウ応答しろ。リュウ!奴め、無線回線を切っている」
ミライ「じゃ敵をやっつけられないの!?」
ここでリュウが大失態。ムサイとパプア補給艦の周辺をうろちょろして補給を妨害することには成功しているが、ホワイトベースの攻撃の邪魔にもなっている。無線回線を切っているので指示もできない。そうこうしているうちにシャアもガンダムを振り切り接近しつつある。
作戦変更ーガンタンク出撃
ハヤト「ブライトさん、カイさんが大型特殊の免許をいくつか持っているんです」
ブライト「えっ」
ハヤト「カイの親父さん技術者で」
ブライト「わかった。特殊免許と言ったな?」
ハヤト「はい。戦車みたいなモビルスーツありますね?」
ブライト「あれは2人乗りだ」
ハヤト「この船の主砲と同じようなもんでしょ、撃てますよ、教えてもらったから」
ブライト「ガンタンクで敵に接近するつもりか」
ハヤト「はい。ホワイトベースに気を取られていますから大丈夫です、できますよ」
ブライト「頼む」
ハヤト「はい」
この会話の見どころは、ハヤトが「カイの親父さん技術者で・・・」とだらだら余計な話を始めそうになった瞬間にブライトが「わかった」と制止するシーンである。必要最小限度の会話で意思疎通するジオンに比べホワイトベースは素人丸出しだ。
ホワイトベースの主砲による攻撃は諦め、ガンタンクを出撃、敵艦に接近して攻撃する作戦に変更。ガンタンクの初出撃だ。
ここで注目すべきはガンタンクを出撃させようと言ったのがハヤトあるいはカイだという点である。ミライの「補給前に叩こう作戦」や、アムロの「逆光線作戦」につづき「冴えわたる素人民間人」と「使えない本職の軍人」という構図がここでも繰り返されている。
先に撃たれてしまうホワイトベース
ホワイトベースがもたもたしているうちにムサイのメガ粒子砲の準備が整った。砲撃を受けるホワイトベース。
ブライト「カイ、ハヤト、ガンタンクはどうした?砲撃を!砲撃を!」
ミライ「ブライトさん、落ち着いてください。ガンタンクは今ホワイトベースから出るところなんです。」
砲撃を受けて取り乱すブライト。ミライに「落ち着いてください」と言われてしまう始末。やはりまだ若い。先制攻撃を受けた時のシャアと比べれば指揮官としての差は明らかである。
パプア補給艦沈む
ハヤト「あと50メートル接近してください、確実に有効射程距離に入ります」
カイ「ミサイル撃ってきたらどうするんだよ?」
ハヤト「補給中ですから撃ってこないと思います」
カイ「撃ってきたらどうするんだよ?」
ハヤト「わかりません。あと10メートル。撃ちます」
車内の会話は素人そのもの。敵艦に近づいて砲撃する以外のことは何も考えられていないことがよくわかる。
ガンタンクの砲撃を受けて沈むパプア補給艦。連邦軍の作戦成功である。
しかし、ガデムがモビルスーツで間一髪でザク2機を放出。
これをみたコアファイターが攻撃を仕掛けるがシャアに妨害されてしまう。ガデムとシャアはなんとかザク2機を守り切ったのである。
アムロvsガデム
ガデムの乗っているザクは旧型のようである。パプア補給艦自体が古いタイプなので乗っているモビルスーツも旧型ということであろう。
その旧型ザクでガンダムに挑むガデム。
シャアの乗る赤いザクでボディブローを食らわしても蹴りをいれてもショルダータックルをかましてもビクともしなかったガンダムである。
旧型ザクで同じようにショルダータックルをかますがどうともないガンダム。
返り討ちにあってしまったガデムだが、アムロの操縦は素人そのもの。敗因はあくまでモビルスーツの性能差である。
素人集団ホワイトベース
シャア「パプアがやられ、ガデムも死んだ。どういうことなのだ。モビルスーツにしろ、あの船にしろ、明らかに連邦軍の新兵器の高性能の前に敗北を喫した。それはわかる。しかし、いったいどういうことなのだ。連中は戦法も未熟なら、戦い方もまるで素人だ」
答えは簡単、本当に素人集団だからである。
シャアはジーンとデニムの奇襲(第1話)によって連邦軍の正規兵がほとんど死んでしまったことを知らないのだろう。
第2話でもあったが、こうした「双方の持っている情報の違い」「双方ともに相手の手札すべてが見えているわけではない」という点が本作のリアリティを高めているし、緊迫感を醸し出している。見事な演出である。
素直になれないブライト
カイ「ははっ、案ずるより産むが安しってね」
ブライト「甘ったれるな。アムロがシャアを引きつけておいてくれたからガンタンクの攻撃ができたんだぞ」
得意げに話すカイに対し「アムロのおかげだ」「いい気になるな」と諭すブライト。この時点ではまだアムロとリュウはブリッジに帰ってきていない。ブライトはアムロのいないところではアムロの活躍をきちんと認めている。
リュウ「や、ブライトすまんな。俺無線切ってたんだってなぁ」
ブライト「ああ、気をつけてくれよ。訓練を思い出してな。」
「無線切ってたんだってなぁ」ってそんな軽い失態ではない。そのせいでホワイトベースは主砲での攻撃ができなかったのだ。そのままであればホワイトベースはザクの補給を受けたジオン軍に急襲されただろう。
ガンタンク出撃という次善の策がとれたからなんとかなったようなもので、全滅していても不思議ではない。
ブライト「それからアムロ、君は敵のむこうを回り込みすぎだ」
リュウ「いいや、ありゃああれでいいんだ。なあ」
アムロ「はい、シャアが速すぎたんです」
ブライト「シャアは赤い彗星と言われている男だろ。お前だって一度戦っているはずだ、もっと立ち向かい方を考えとけ」
アムロ「はい」
先ほどカイに対して「アムロのおかげだ」と言っていたのだからアムロに対しても同じことを言ってやればいいのに、「敵のむこうを回り込みすぎだ」とか「もっと立ち向かい方を考えとけ」とまたお小言である。素直になれないブライト。
ブライトはアムロの活躍を認めている。しかし、アムロに面と向かってそれを口にすることはない。そういう態度のブライトをみてアムロも「リュウさん、僕ほんとにあの人を殴りたくなってきた。」と腹を立てている。要はどちらもまだガキであり未熟なのだ。
第3話の感想ー素人集団vsプロの軍隊
今回も濃密な回であった。
素人集団ホワイトベースvsプロの軍隊ジオンという演出が見事である。
先制攻撃を受け苦しいながらもムサイとパプア補給艦、モビルスーツが連携をとって連邦軍に当たる姿はプロ集団と呼ぶにふさわしい。特にガデムがシャアにザクを渡そうと奮闘する様は補給部隊の意地を見せた名場面である。
他方、連邦軍は素人集団である。軍隊の訓練を受けたはずのブライトやリュウも頼りにならない。ガンダムの性能はいいかもしれないがパイロットは素人で戦い方も雑だ。
結局ホワイトベースは主砲を発射しないまま戦闘を終えた。シャアにしてみれば、敵の本艦木馬がムサイを狙っているにもかかわらずコアファイターがうろちょろして撃ちあぐねている様は滑稽そのもの。「どういうことなのだ?」「何やってんだこいつら?」と訝しむのも無理はない。
しかし、今回の戦闘でルナツーへ逃げ込む時間は確保できたホワイトベース。ルナツーは連邦軍基地。正規兵によってホワイトベース・ガンダムを運用できるようになればシャアともやりあっていけるだろう。
これからV作戦の本領発揮となるのか!?
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