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1102_ DARK SIDE OF DONUTS

「あそこ行ってみようよ、公園の横の」
「なに?なんかあったっけ」
「ドーナツ屋さん、すごい並んでるの」
「へえ、そんな流行ってたんだ。知らんかったわ」
「すごい可愛いドーナツ売ってるの。並んでみる価値はありそうよ」
「ほいほい」

「あ、ここ。こんなところにドーナツ屋さんあったのね」
「すごいお客さんね」
「ええっと、このお店、DARK SIDE OF DONUTS? 」
「何?」
「ええっと?ダークサイドのドーナツなの」
「ダークサイド?」
「いや、そう店名に書いてあるから。だいぶ、尖った名前のドーナツ屋さんなのね。なんかあって、闇堕ちしたドーナツ屋なのかな」
「普通、こんな可愛いインスタ映えしそうなお店にそんな変な名前つけないわよ」
「ええ、だってそう店の名前に書いてあるよ」
「あなた、これ、DARK SIDEじゃなくて、PARK  SIDEよ。DじゃなくてP」
「ああ、PARK SIDEね。PARK SIDE OF DONUTSで、公園横のドーナツ屋さんってことか」
「まったく〜。普通間違えないわよ、DARK SIDEって何。おっかしい」
「だよね、俺もずいぶんとまあ癖のある名前だなあって思ったよ。ピンクフロイドか、ダースベイダーのオマージュかなと」
「ないない」
「いや、人間、決していい面ばっかじゃないからね。何事も表があれば裏がある。ライトサイドがあればダークサイドもあるってことさ」
「ドーナツの話よ」

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