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【書店さんへのご案内】       来るべき総選挙の一大争点は国家方針の選択!「新自由主義vs社会的共通資本」を読むブックフェア

『国家方針を転換する決定的十年』著者の田中信一郎です。普段は千葉商科大学で政治・経済・環境を教えています。

「社会的共通資本」とは、経済学者の宇沢弘文が新自由主義に対抗して打ち出した経済思想で、一人ひとりが幸福を実感できる社会を実現するために、自然環境、社会資本、制度資本(教育・医療・金融・司法・行政など)を充実させることを重視します。

このブックフェアでは、これまで私たちが選択してきた「新自由主義」(金儲けのためなら、富める者をさらに富めるようにする)と、それに代わる未来に向けた経済思想「社会的共通資本」を知るために最適な本を集めました。是非ご一読ください。

「新自由主義vs社会的共通資本」を読むブックフェア・選書リスト
※ フェアを開催していただける書店さんには、パネル(A4〜A3サイズ)と選書リスト(田中信一郎さんの推薦コメント入り)をご提供いたします。
※ 現代書館以外の書籍につきましては、各出版社様へ直接ご注文ください。

『国家方針を転換する決定的十年――新自由主義から社会的共通資本へ』田中信一郎 著/現代書館 定価1700円+税 ISBN978-4-7684-5900-3

2021年は総選挙の年。最大争点は、国家方針の選択です。与党ブロックの「新自由主義」(経済的価値を最重視)の継続か、野党ブロックの「社会的共通資本」(社会的価値を最重視)への転換か。総選挙に際して、有権者の判断を助ける一冊です。

『政権交代が必要なのは、総理が嫌いだからじゃない――私たちが人口減少、経済成熟、気候変動に対応するために』田中信一郎 著/現代書館 定価1700円+税 ISBN978-4-7684-5872-3
【Kindle版(電子書籍)】

新自由主義に代わる経済政策と政権構想を示しました。コロナ危機で、わたしたちは「新自由主義」を選択してきたことのツケを支払っています。的確な生活保障ができないのも、危機対応ができないのも、これまでの新自由主義政策に起因します。

『日本の堤防は、なぜ決壊してしまうのか?――水害から命を守る民主主義へ』西島和 著/現代書館 定価1600円+税 ISBN978-4-7684-5885-3

新自由主義から脱却するにしても、かつての利権政治に戻るわけにはいきません。人命を守るために有効な堤防強化よりもダムが優先される水害対策はその象徴です。新自由主義と利権政治は、「わたしたちの命を脅かす」点で共通しているのです。

『竹中平蔵 市場と権力』佐々木実 著/講談社文庫 定価900円+税ISBN978-4-06-521090-1

カネ儲けと経済成長のためならば、強い者をさらに強くし、富める者をさらに富めるようにすることが望ましい。それが新自由主義の経済思想です。 その日本での第一人者が、竹中平蔵氏。彼を知ることが、新自由主義を知る第一歩です。

『社会的共通資本』宇沢弘文 著/岩波新書 定価840円+税 ISBN978-4-00-430696-2

新自由主義に代わる経済思想として、世界的な経済学者・宇沢弘文氏によって提案されたのが「社会的共通資本」。インフラに加え、法令・制度や自然環境も社会の資本と位置づけ、それを充実することで経済が発展すると唱えました。

『資本主義と闘った男』佐々木実 著/講談社 定価2700円+税 ISBN978-4-06-513310-1

世界最高峰の経済学者とアメリカでいわれた宇沢弘文氏が、そのキャリアを捨て、なぜ社会的共通資本を考えるに至ったのか。シカゴ大学の同僚で、新自由主義の祖といわれるミルトン・フリードマンとの関係も含め、よく分かる本。

『資本主義の新しい形』諸富徹 著/岩波書店 定価2600円+税 ISBN978-4-00-028733-3

新自由主義は、資本主義を先鋭化させたもの。新自由主義の限界は、資本主義の限界かもしれません。そんな疑問を持ち、 社会の本質と格闘したい人にお勧め。気鋭の経済学者による本ですが、文章は平易に書かれています。

『プログレッシブ・キャピタリズム』ジョセフ・E.スティグリッツ 著/東洋経済新報社 定価2400円+税 ISBN978-4-4923-1523-1

新自由主義の先進国といえば、やっぱりアメリカ。そのアメリカでも、新自由主義からの脱却が大統領選挙の重要な争点に。ノーベル賞経済学者で、宇沢弘文氏の薫陶を受けたスティグリッツ教授が、脱却を強く訴えている本です。

『新自由主義』デヴィッド・ハーヴェイ 著/作品社 定価2600円+税 ISBN978-4-86182-106-6

分かるようで分かりにくい概念の新自由主義。その本質は「経済における自由至上主義」と「政治における国家的な権威主義」の融合です。それを歴史的・地理的な分析から説くのが本書。社会主義国である中国も、新自由主義的と指摘しています。

『財政爆発――アベノミクスバブルの破局』明石順平 著/角川新書 定価1000円+税 ISBN978-4-0408-2401-7

新自由主義と縁故資本主義、そして空前のリフレ政策を展開してきた安倍・菅政権。その欺瞞を公式データで、徹底的に暴く衝撃の一冊。これを読まずに日本の経済と財政は語れません。著者を支持する人も、反対する人も必読です。

『人を救えない国――安倍・菅政権で失われた経済を取り戻す』金子勝 著/朝日新書 定価790円+税 ISBN978-4-0229-5095-6

アベノミクス・スガノミクスが日本経済に与えた影響について、データで分析した一冊。数々の経済問題を予見してきた金子節が、鋭く刺さります。一方、日本経済の突破口も示してくれます。『財政爆発』と合わせて読みたい本です。

『枝野ビジョン――支え合う日本』枝野幸男 著/文春新書 定価850円+税 ISBN978-4-16-661314-4

与党・自民党の国家方針が「新自由主義」ならば、野党・立憲民主党の国家方針は何か。枝野幸男代表が、菅政権・自民党に対抗する国家方針を本書で明確に示しました。それは「社会的共通資本」に則った経済政策。支持政党に関係なく、必読の一冊。

『戦後政治史 第四版』石川真澄・山口二郎 著/岩波新書 1040円+税 ISBN978-4-0043-1871-2

戦後政治の流れを振り返る際の必読書。詳細な選挙データと分かりやすい説明で、現在の政治に至るまでの歴史を理解できます。とりわけ、社会党への批判的な考察は、野党共闘の教訓として極めて重要です。

『日本のSDGs――それってほんとにサステナブル?』高橋真樹 著/大月書店 1600円+税 ISBN978-4-2723-3102-4

社会的共通資本の経済は、SDGsという新たな装いで、国内外で展開され始めています。SDGsウオッシュの危険や日本の課題を示しつつ、SDGsを体現する各地の取り組みを取材しています。社会的共通資本の経済を具体的に理解できます。


田中信一郎
千葉商科大学基盤教育機構准教授、博士(政治学)。明治大学大学院政治経済学研究科博士後期課程修了。国会議員政策秘書、横浜市、内閣府、内閣官房、長野県、自然エネルギー財団などを経て現職。著書『国家方針を転換する決定的十年』(現代書館)、『政権交代が必要なのは、総理が嫌いだからじゃない』(現代書館)、『国会質問制度の研究』(日本出版ネットワーク)、『信州はエネルギーシフトする』(築地書館)。


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