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思ったこと、考えたこと。

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日常のなかで思ったこと、考えたことなどを、綴っていこうと思います。
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#国語

【国語トーク】「読んだ本の内容を忘れちゃうんです…」

国語とか現代文とかを教えていると、しばしば、こんな質問や相談を受けることがあります。すなわち、 だなんて。そしてそうした質問や相談に対する私の第一声は、 おお、なるほどなるほど。実は私も! です。 というわけで、今回の【国語トーク】、お題は「読んだ本の内容を忘れちゃうんです…」。どうぞお聴きください!↓↓↓ 【自著の宣伝】 『無敵の現代文』(かんき出版) どうしても読んだ本の内容を覚えておかねばならないときは、やはり[要約]が効きます。学参ですが、広く大人の皆様に

【国語トーク】「おすすめの詩や詩人を教えてください!」と言われたら?

国語や現代文の授業で、「詩、読もうぜ!」みたいな話をすると、「どんな詩がオススメですか?」とか、「読んだほうがいい詩人を教えてください」みたいな質問を受けることがあります。 嬉しい。 とても嬉しい。 とても嬉しい……のですが、私、こうした質問に答えるのがめちゃくちゃ苦手なんです。なぜって、 詩ほど、個々人で好き嫌い、わかるわからないが別れる文章もなかなかにない! と思うゆえ……。 というわけで、stand.fm[ちゃんねるヨージ]【国語トーク】の第2弾は、「『おす

【国語トーク】国語と文体について。

 先日、threadsでこんなことをつぶやきました。 https://www.threads.net/@koike_yoji/post/C2Wdu20PkBg/?igshid=OGQ5ZDc2ODk2ZA==  どうしてこんなことを考えたか……と言うと、そのきっかけは、伊波敏男『ハンセン病を生きて』(岩波ジュニア新書)を読んだことです。  なぜこの一冊を読んで「国語」と「文体」というものについて考えたか。ご興味を感じられた方は、以下の放送をお聴きいただければと思います。

「あはれ」について

中学生のとき、抜き打ちの「古文単語テスト」が実施されたことを覚えている。 無論、まったく対策などしていなかった。 だが、さすがに0点は取りたくない。 さはれ──などという古語はもちろん知らなかったが──と心を固めた私は、とある作戦を決行した。 そういえば、古文の授業でやたら「趣き深い」という言葉を耳にした記憶があったのだ。 ならば「趣き深い」──と言われても当時の私には、この現代語自体の意味がよくつかめなく、いわばシニフィエなきシニフィアンとして脳裏に漂う音にすぎな

今あえて、文学の《実用性》を考える。

 文学――今、国語教育に携わる人たちの中で、その言葉が話題になっています。それは、今回の教育改革――大学入学共通テストに象徴される入試改革も含む――のなかで、「文学が軽視されているのではないか…?」という懸念が広まっているからです。  果たして本当に、文学は教育改革の中で軽視されているのでしょうか? そしてもし軽視されているのならば、それは許されることなのでしょうか? 実用文と文学と 文部科学省が発表した『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 国語編』では、国語におけ