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思ったこと、考えたこと。

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日常のなかで思ったこと、考えたことなどを、綴っていこうと思います。
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2024年1月の記事一覧

【国語トーク】「読んだ本の内容を忘れちゃうんです…」

国語とか現代文とかを教えていると、しばしば、こんな質問や相談を受けることがあります。すなわち、 だなんて。そしてそうした質問や相談に対する私の第一声は、 おお、なるほどなるほど。実は私も! です。 というわけで、今回の【国語トーク】、お題は「読んだ本の内容を忘れちゃうんです…」。どうぞお聴きください!↓↓↓ 【自著の宣伝】 『無敵の現代文』(かんき出版) どうしても読んだ本の内容を覚えておかねばならないときは、やはり[要約]が効きます。学参ですが、広く大人の皆様に

【国語トーク】複数テクスト問題について思うこと

もはや、なし崩し的に世の中に受け入れられた感すらある現代文の[複数テクスト問題]について、私はやはり、懸念を抱いています。これまでもあちらこちらで発言してきたことですが、出題の仕方によっては、"思考力"なるものとは対極的な方向へ行ってしまうのではないか、と。 【自著の宣伝】 『14歳からの文章術』(笠間書院) 伝わる文章を、いかに構成するか──というテーマについて、豊富な具体例や対話などを通じて楽しく学べる一冊です!

【国語トーク】「おすすめの詩や詩人を教えてください!」と言われたら?

国語や現代文の授業で、「詩、読もうぜ!」みたいな話をすると、「どんな詩がオススメですか?」とか、「読んだほうがいい詩人を教えてください」みたいな質問を受けることがあります。 嬉しい。 とても嬉しい。 とても嬉しい……のですが、私、こうした質問に答えるのがめちゃくちゃ苦手なんです。なぜって、 詩ほど、個々人で好き嫌い、わかるわからないが別れる文章もなかなかにない! と思うゆえ……。 というわけで、stand.fm[ちゃんねるヨージ]【国語トーク】の第2弾は、「『おす

【国語トーク】国語と文体について。

 先日、threadsでこんなことをつぶやきました。 https://www.threads.net/@koike_yoji/post/C2Wdu20PkBg/?igshid=OGQ5ZDc2ODk2ZA==  どうしてこんなことを考えたか……と言うと、そのきっかけは、伊波敏男『ハンセン病を生きて』(岩波ジュニア新書)を読んだことです。  なぜこの一冊を読んで「国語」と「文体」というものについて考えたか。ご興味を感じられた方は、以下の放送をお聴きいただければと思います。

「うみかじ」1号を読んで

 それにしても、誰か──しかも、会ったこともない、顔を見たことすらない人の「日記」を読むとは、いったいどういうことなのか。  書く人も、印刷物にそれを載せる以上、読み手の存在を意識していることは間違いない。  とはいえ「日記」が「日記」である以上、そこに刻まれる言葉は極めてプライベートなものであり────などと考えながら「うみの辺野古日記。」(「うみかじ」1号に所収)に目を通しているうちに、ふと、目にとまる一節に出会った。  日付には、10 月29日(土)とある。