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私の心配性は時として心配症と表記する方が相応しいまでに病的にその力を発揮する場合がある。良くも悪くも想像力が豊かだと言われながら育ってきた私は幼少期に何の影響か、父親の隣で眠るその寝室の窓から狼が飛び込んで来るのを想像しては怯えていた。世の中何が起こるか分からないとは言え極めて可能性の低い事柄まで針小棒大に扱っていては限が無いのであるが、この癖ばかりは未だに抜けないでいる。それだから見ず知らずの人間が私の部屋を訪ねて来るとなると、どんな人が来るのかとあらゆる人物像を思い描い