都構想に反対する自民市議団

なぜ、都構想に反対し続けるのか。8月上旬、大阪市東成区の事務所で自民党自民市議団の川嶋広稔氏にお話をうかがいました。

どない考えても市民がえらいことになる。地方自治や財政の基礎知識があれば絶対に成り立たない。大阪市を4特別区にすれば事務費や基本的な経費は増える。基本的な経費など自治体が行政サービスを滞りなく行うために、税収で足りない部分を国の交付税で補う。基本的な事務費がいくらでどれこくらい交付税で補う必要があるのかを毎年、自治体の職員は「夏休みの宿題」と言いながら1か月かけて計算するものを『基準財政需要額』といいます。僕が荒い試算をしたら4特別区は200億円の負担増になった。法定協議会で副首都推進局が作った素案は大阪府と大阪市を合算して4つに割ったものですが、分割した4特別区になるために増える部分がわからない。僕らはずっとちゃんと試算しろと要求してきたが、「減るコストもあるから変わらない」の一点ばりで議論にならない。こんなん難しい話でしょ。そやから議員が責任もって議論せなアカンのに責任放棄して住民に任せるという。こんなむちゃくちゃな大阪府議会、大阪市議会ないでいう話ですわ。

そもそもね、2012年9月の国の地方制度調査会でね、東大の行政学の先生もあんたらは地方公共団体やのにわざわざ特別地方公共団体なんねんで。その時点で”茨の道”やでと指摘してます。そのころから僕は茨の道はいったらあかんとずっと言うて反対してます。

制度案も嘉悦報告書も問題点を追及されてきた

僕ね関西学院大学経済学部で経済統計を専門にしていたんです。あんなん最初からおかしいって一発でわかりますよ。彼らが選考研究で出した論文を査読しているのが当時のゼミの先生ですわ。笑ってしまいました。維新の議員も仲いいから、川嶋ちゃんが維新に来てくれたら区長にするでというけど、お前らええ加減にせいよいうて。(笑)自民から維新に行った上のほうは選挙も政策も弱い連中だから、維新育ちの2期生や3期生になめられているんですよ。いつでも維新に来いよというけど、彼らも諦めている。都構想が終わるまでは絶対反対するんやろといって。

実際しんどいですけどね。向こうは副首都局の職員がついて維新のブレーンやし、関経連や経済同友会系のシンクタンクがついているけど僕らなんもついてへんからね。竹槍で戦っている感じ。自民党府議会の議員も賛成やいうやつおるしね。今は柳本顕も花谷もおらへんからね、見た目は僕と北野妙子が孤軍奮闘してる見た目になっている。でも市民が頑張ってくれいうから頑張らなあかんのですけど。財政や協定書の誤りを経済分析している頭のモードになっているからね、僕は。そやから、それをわかりやすく市民に訴えるのは他の自民市議団でやってやというているんですわ。北野妙子は見栄えもええしね。

もしね、解散して衆議院選挙とダブルで住民投票になると、公示後は公職選挙法の規制がかかって党籍を持つ僕ら議員は「都構想反対」を訴えることができないようになるんです。市内の1区2区4区には自民党候補者がいて彼らは訴えることができる。しかし、推薦を出す公明党が都構想に賛成しているからその段階で衆議院選の自民候補者も都構想反対を訴えることはできなくなる可能性がある。そやからね、柳本や北野には「もう腹くくって自民を出て無所属でもなんでも衆議院選に出ろというてるんですわ。いざとなったらもう自民より市民でやるしかないやないか」と言うてます。


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