動き出している都構想

秋の住民投票まで100日余りとなった7月20日。休暇を利用して大阪市平野区の実家に老父の様子を見に帰った。昨年6月に母が他界して一人ぐらいのせいか、知らない間によくある”ネトウヨじじい”に変わり果てていた。聞くに堪えない嫌韓、嫌中を連発する。とりあえず嫌維新なので安心しつつも、こっちの修正も必要だと思った。

午後、天満橋から『大阪市をよくする会』の事務局を訪問。アポなしにかかわらず、都構想に関する資料をくれつつしばし雑談した。話は公明党の都構想賛成への”寝返り”。市議会は現在、維新が過半数には足りないものの公明党市議が賛成に転じたことで、予定される9月3日の市議会で「協定書案」は承認され、60日以内の住民投票はほぼ現実のものとなる。

この協定書を案を巡っては、公明が賛成する条件として維新と折り合いをつけることで「よけいおかしなことになってしまった」(中山直和事務局長)があるという。一つは『合同庁舎』。4特別区のうち、新淀川区、新天王寺区は庁舎が手狭であること、特別区以降の予算削減などのために新中央区とともに実に3区の職員が同居する合同庁舎が誕生することになった。「自治体の庁舎が別の区にあるケースは日本では離島のみ。そんな不便なことになるんですわ」(中山氏)

「協定書」では住民サービスは低下しないと書かれている。これも公明党側に要求されて維新側がしぶしぶ書き加えたようなもの。政令都市・大阪市を廃止してまで作る特別区なのにサービスが向上するわけでもなく、あくまで現状維持なのだ。大阪市を廃止する意義が見えてこない。

都構想に関してよく知るために本来は協定書を見るとよいが、難しい。いくつか書籍もでているが、大阪市をよくする会の中山氏も執筆に加わっている冊子「『都構想』で大阪市はなくなります」(大阪自治体問題研究所)(300円)はシンプルでわかりやすいのでおすすめです。





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